まるの日<へミシンクとミディアムな暮らし> まるの日圭(真名圭史)の公式サイト

ネコ20匹を世話するため、本を書いたりバイク乗ったり。見えない世界ととその狭間を見ながら日常を生活する一人の男の物語。

アトランティスの記憶 8

2013-01-21 11:17:02 | 『日常』

出張中は書けてませんもので。
久々の続きです。

<>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

シェウに連れて行かれた場所は、そのリングの一部分。
中央にある塔に近い方にある、リングの内側部分だ。
ここには広い通路が存在していて、この通路を通るとリングのすべての場所に移動できる。
そして、通路の所々には広い空間が存在していてい。
そこから、リングの外側に向かって放射状にまた通路がつながっていて。
縦長の箱のような部屋にすべてがつながっていた。

リング中央側の通路には8か所の広い空間が存在していて。
それぞれに番号が有るようだ。

シェウに、常に右下の画面にこのリング内の地図を表示させている。それを確認すると、今自分は⑥番の空間へと移動しているようだった。

この空間は何のためにあるのか?

シェウに聞くと、
「この空間には肉体をもったコーディネーターが存在していて。ここから自分たちの受け持つ部屋を監視に行くのよ。」
と教えてくれた。
「監視?」
何か、あまり良い響きの言葉ではない。
すると、シェウが僕の意識を受け取ったのか、ちょっと言いなおしてきた。
「監視、というと外に出てほしくない人を見張っている感じに聞こえるけど、ここの部屋に存在しているのは、これから外に出て行くようになる人達?存在達なのよ。」

「これから外に出る?」

「そう。この星に存在する、1つの命として現れるために。」

これはどういう意味だろう?
僕らが情報粒子から得られる内容では、僕らの先祖は昔、星の海を渡って、今のこの島にすむようになったと言われている。

それも、今の僕らと同じ姿、形、文化で、と言う事で、僕らの先祖が居た星の名前も、同じ家族はみな言えるくらい普通に知れわたっているものなんだか。

今見ているものは、その僕らがこの星に来た時の様子ではないのかな?

すると、シェウはまた僕の考えを読んだのか。

「今見ている様子は、まさにあなたのご先祖様が生まれるところを見ているのよ。」

「ご先祖様?」

「あな達は、他の星から来たと聞いているわよね?」

僕がうなづくと、シェウは他の映像をぺらぺらと連続して出してきた。

「星の環境はすべてにおいて違います。あなた達の祖先が居た星、それはこの星から2300ジェロム(宇宙の単位。『1光年』よりも一単位の長さは長い)離れた先にあります。あなたが一生かけてもたどりつけない距離。
なのに、どうしてご先祖様がこの星にやってきて、そのまま住みついたと思うの?」

そう言われればそうだ。
同じ人間ではなくて、中で代々子孫から子孫へと受け継いでいけば大丈夫なんじゃないかな?

と思ってみたけど。
するとシェウは僕の思考を読んで。

「そしたら、純粋にあなた達の情報を持った存在が移動していった事にはならないわ。。宇宙船のなかで生まれて育った存在は、すでに星の上で生まれ育った存在とはまったく違う進化をします。
本来、あなたたちのご先祖の星からこの星に来た目的は、
あなたたちのご先祖の星からの「意識」をそのままこの星につなげようとする事が目的だったはず。

ならば、船の中で育った存在がこの星についても。
それは本来の『星の意識を移動させる』という仕事ではなくなってしまいますよ。」

「でも、その宇宙船のなかで育った存在も、僕らの星の意識を受けついでいれば問題ないんじゃないの?」

「だから、船のなかで生まれ育った存在には、星の意識がつながってないの。これはどうしようもない事なのよ。
星の意識をつなげるには、その星の上で生まれて育つ必要があるの。肉体を持っている場合はね。」

「ということは、最初から肉体を持たなければ、その星の意識を別の星へとつなげる事ができるってこと?ジェウみたいな情報体なら。」

「そういう事。それが、この巨大な「光のゆりかご」なの。」

「ん?ということは、この光のゆりかごには最初から僕らのご先祖は誰も乗っていなかったのか?」

「そう、このゆりかごにあるのは、ただの情報だけ。私のような、情報生命体が存在していただけなの。」

「情報生命体?」

「あなた、生命の基準ってわかる?」

「有機体で、繁殖できて。集合無意識との接続を行いつつ個人的な行動もできるような。そういうものだったっけ?」

「その有機体ってところを排除すれば、私達は生命体ともいえるのよ。」

「繁殖するの?」

「簡単よ」

そう言って、シェウは画面上に増殖し始めた。

「「「どう?、繁殖はなんでも男女が居ないといけないわけではないのよ。」」」

同時に複数のシェウから話しかけられると、変な感じだ。
「分かったよ、そんなにいっぱいいたんじゃ話しにくいから。一人になってくれないか?」

すると、増殖したシェウがつぎつぎゴミ箱に入れられて。
最後に一人残った。

「君はオリジナル?」

と僕が聞くと、

「オリジナルとそうでないものは、あなた気付きますか?」

「分かんないよ。」

「それなら、オリジナルにこだわる必要はないですね。」

そういう事なんだろうか?
オリジナルデータと言うものが存在していて、このシェウが存在しているのでは?

「データ自体が私ならば、オリジナルのソースと直結していればソースと同じようにつながれる存在はすべてオリジナルでしょう?」

だんだんややっこしくなってきた。
この話題はとりあえず辞める事にして。リングの話に戻ろう。

「で、リングに居る存在を外に出すために監視している、ってどういうこと?」

「今、コーディネーターが1つ1つ部屋を監視して、その中にある存在を調査しているのは。
これからこの星に『意識とつながった存在』を解き放つため。
そして、その『意識とつながった存在』がこの星の意識ともつながり。星と星との意識をつなぎ有って、互いのソースを共有することができるようになるため。
宇宙のソースをつなげて。意識のネットワークを作り上げるため。
そのためにこの星で活動できる、そんな意識体を作り上げるために、今、光のゆりかごで仕事が行われているの。」

宇宙のソース?意識のネットワーク?
なんだか、余計に分かりにくい話しになってきたような気がする。

宇宙のソースってなんだ?

「宇宙のソースとは?」

シェウから情報をもらう。
見えてきたのは、宇宙の模式図。
中空の、光る無数の点が作る網目のボール。

それが宇宙を示した図である。

銀河も星雲も、この図で言うとただの網目の一部分にしかすぎない。

肉体を作るものが原子や素粒子だといっても、誰もそれを肉眼では確認できないのと同じように。
この図では星の様子を目で見て確認することは難しい。

「宇宙のソース とは、この宇宙に存在するすべての『情報』を意味します。
そこにはすべての星の動き、すべての生命の動き、そして、前宇宙からの記憶。
そういうものもすべて含まれています。」

「その情報、はどこにあるの?」

すると、図が回転しながら、銀河団、銀河、星系、太陽、そして自分の今いる星まで、拡大映像になってきた。

「拡大すると、星の間は離れていますが、その間には常に情報のやり取りを行うネットワークが存在しています。
それは、光、であったり粒子であったり。重力も関係します。
小さな人間からは、ただの力や光にしか感じないものも、そこには膨大な量の情報が含まれていて。
太陽からやってくる光、重力は無秩序なエネルギーの暴走ではなくて。すべて宇宙全体から見ると、意味のある情報です。
あなたのような生物体で惑星に居ると、その光や重力の意味が理解できず、だたそれに翻弄される生き方をするようになってしまいます。
しかし、それもすべて宇宙のソースに含まれている情報であります。」

「僕が、今日朝からポルット食べてきた事も、それも宇宙のソースに含まれる事象なの?」

「すべて、あなたのすべての行動が、そこに含まれています。」

「じゃあ、僕らに自由はないの?」

「考えて行動する自由はありますよ。」

「でも、ソースに僕らの行動はすべて存在しているんでしょう?」

「そのソースに存在している情報をあなたは読めるの?」

「分からないなあ、。」

「それなら、ソースに含まれる情報はあなたには関係ないから。自由じゃない?」

「??」

「決まっている事を知らないのならば、それは決まっていないのと同じ事。でしょう?」

「まあ、確かにね。」

「アリは像の考えを理解できないのと同じように、あなたは太陽の意識を理解できない。」

「その、惑星の意識や僕らの考え方すべてが情報として存在しているのが、宇宙のソースって事?」

「詳しい説明欲しい?」

「もちろん。」

「でもダメ。制限@99発動しているもの。

「なんだ、シェウでもそれを説明できないんだ。」

「これは、あなたの意識が直結できるようになったら、教えてあげるわよ。まだ情報粒子を介してではこれくらいが限度。
男になってからの話ね。」

「なんだ、残念だなぁ。」

「今はまだあなたの頭に入れるべき情報ではないからよ。時期というものもあるんだから。」

「じゃあ、その宇宙のソースをもっと身近に感じるにはどうしたらいいのかな?」

「星の影響を自分がどのように受けているのか、それを知ると良いわ。占星術を受けてみなさい。」

「それは僕らでもいいの?」

「占星術は宇宙のソースを読み解くために、あなたたちが作りだした技術なんだから。もっと使ってみたら?」

「占星術って何かこう、信用の無いものかと思っていた。」

「もちろん、あなたたちがソースを読み解くと、受け取り方を間違う場合もあるから信用度は落ちるわ。」

「そんなの使って大丈夫?」

「ソースの断片を感じるには良いものよ。」

「シェウはできないの?」

「私は情報自身だから。そんな占星術みたいなものを使う必要もないですし。私はこの図書館の情報そのものですから。
惑星意識とか宇宙のソースとかは関係ないもの。」

「え、さんざん説明しておいて、本人は分かんないの?」

「私は図書館の情報。図書館のソースとつながるのが私の仕事。宇宙のソースとつながるのは、あなたたちの仕事なの。」

「じゃあ、占星術しろって?」

「世界を感じて、普通にしていれば宇宙のソースとつながれるわよ。」

「なんで?」

「あなた自身が宇宙のソースそのものだから。」

「それも分かりにくいね。」

「男になれば分かるようになるわよ。」

「まだ先だなあ。」

「少年は今学ぶべき事を学んでいればいいの。」

「じゃあ、宇宙のソースはもういいよ。惑星意識についてはどうなの?」

「惑星意識とは、あなたの体にある細胞の1つ1つに意識があるように。惑星にもそれぞれ意識があります。
その意識は基本的に前宇宙の記憶の集合体なの。」

「前宇宙って?」

「今の宇宙が生まれる前の宇宙の事。」

「別の宇宙の記憶が、惑星意識?」

「そうよ。」

「その記憶はいつ来たの?」

「この宇宙が生まれる時。その時にはすでにそこに存在していたの。」

「その状態を見る事できる?」

「制限@99」

「なんだがっかり。」

「宇宙の誕生は、宇宙のソースの誕生でもあるわけだから。まだ先に見るべき内容よ。」

「じゃあ、惑星意識とつながるということは?」

そこで見せられたのは、一本の木。
大地に根を張り、葉を茂らせ、花を咲かせ、実をみのらせ。

そこには小さな生き物が集まり、生活している。

「こういう事よ」

「そう言われても分かりにくいンだけど。」

そこで、情報粒子を介して脳に送られてきたイメージは
自分が惑星の意識につながると、自分が普通にしているだけでも豊かになり、そして周りの人々にもその豊かさをわけ与えられ。
そして、その周囲の世界が豊かになっていく。

惑星意識とつながる、というのは。
自然に、導かれるままに動いていく、そういう感じなのだそうだ。

これって、ヤーフルの生き方だなあ。
でも、彼女は豊かなのかな。

なんてぼんやり考えていると

「惑星意識とつながると、自分がこの星にいる意味を理解できて。そして、何をすべきかを感じる事ができるようになるのよ。」

「どうすればそうなれるの?」

「それはあなたの仕事です。私は図書館の情報ですから。」

「自分で考えろって事?」

「私は一情報にすぎないから。それを活用するのもしないのもあなた次第。」

「急に責任放棄し始めたね。」

「情報には責任も何もありません。ただそこにあるものを、あなたがどう使うかですよ。」

「自己責任って事?なら、なんで制限あるの。」

「知るべき時に知るべき情報ってものは確かに存在します。
あなたにセックスについてはなしても、体験がないからリアリティないでしょう?」

「そう言われるとそうだけど。」

「ある程度経験をした人にしか話せない内容もあるのよ。」

「ふうん、経験が重要なんだね。」

「そういうこと。こんなところで私の相手しているよりも、ペアの子と遊んでたほうが経験は増えるわよ。」

「ヤーフルは知識については役にたたないからね。」

と言う感じで、そんなこんなでシェウと話をしていたら本題からかなり外れてきたような気がする。

「ところで、だんだん話が反れてきたような気がするんだけど。」

「それはあなたが話題を反らすからでしょう。」

「じゃあ、元に戻して、肉体をもったコーディネーターの話をしてよ。」

そういうと、シェウは映像を光のゆりかごに戻し、その広くなっている空間へと視界を向けて行った。

この広い場所は「公園」と呼ぶらしく、壁で区切られている場所を「区」と呼び、そこを通る道を「ストリート」と呼んでいる。

僕らはさっき見ていた⑥番の公園に移動した。

そこには壁際に並んだ巨大なカプセル。
たくさんのチューブとカプセルが連結され、それらが生き物の体内のように、有機的に活動している。

「これは何?」

僕が聞くと、シェウは情報粒子を介して伝えてきた。

これは情報から肉体を抽出するシステムだそうで。
光のゆりかごの中央にある塔に存在する、元の星の情報から、この星にある元素を利用して、同じ肉体を作り上げる。
そういうシステム。

「つまり、生き物を作るシステム?」

「ちょっと違う、肉体を抽出するシステム。」

「どう違うの?」

「生き物は、そこに魂とかそういうものが必要になるし、成長したりするけれど。このシステムは情報と直結した存在を最初からそこに存在させるの。だから、最初から情報通りの姿で現れ、成長したり老化したりもしない。
情報とつながれなくなる要素が増えてしまった場合、その存在は存在できなくなる。そういうものよ。
そして、この存在の事を「アーム」と呼びます。」

「アーム?それって、神話の世界で、最初の人間の名前って聞いたことあるけど、そのアーム?」

「宇宙を示す1つの記号。それを持った存在が、肉体をもったコーディネーターなのよ。」

「アーム」、とは僕らの創世記、神話の時代に存在した。
最初の「人間」として教えられている存在だ。

地上に降り立ったアームは、あらゆる存在を創造したと伝えられている。

ちょっと記憶があいまいなので、情報粒子を使ってアームについて調べてみた。
シェウが一時的に画面から消え、僕の意識内での情報取得状態となる。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今日は熊本にて | トップ | 先日の講演会の話ありの »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

『日常』」カテゴリの最新記事