「ヤーフル、ヤーフル?」
急にヤーフルが涙を流し始めたので、声をかけてみたら、急にぱちっと目を覚まして。
僕を思いっきりひっぱたいた
「この浮気者!」
で、そのままヤーフルは博物館の資料チェック用カプセルから立ち上がり、勢いよく歩いて行った。
近くのショットに入って、そこでフルーツジュースを飲んで一息ついたのか、ヤーフルはやっと落ち着いてくれたようだ。
「ごめん、ついひっぱたいてしまって。」
ヤーフルが申し訳なさそうに誤ってくれるが。僕は叩かれる理由が分からないので。痛む左ほおを抑えて理由を聞いてみた。
すると、情報粒子で先ほどの僕が見た未来生のイメージに、長の一人でいるシーンがかぶさって来た。
「つい、長の気持ちに入り込んでしまって。」
ヤーフルがそう言う。
「あれは未来の姿なんだから、今の僕を叩かなくてもいいじゃないか。」
「そう言っても、君は君だろう。」
「それ言ったら、ぼくなんかヤーフルに外に放り出されて、それで苦労してたじゃないか。」
創世記の事を持ち出してみるが。
まあ、とりあえずなんで長がああいう言葉を発したのかを聞いてみたら。
「つまり、これから分断が加速されるってこと。あなたの未来の姿が行った事は新しい世界を作るきっかけの1つになったのよ。」
「それって、良い事だったのかな?」
「その先を見ないとわからないわよ。」
「じゃあ、またその先を見てみる?」
「とりあえず、今日はもういい。長の気持ちになったら、」
と言って、ヤーフルは僕の隣に寄ってきて。
「君にもっと甘えたくなったから。」
と言って笑っている。
「でも、僕らがこの未来を見る事に何か意味あるのかな?」
「それを見つけるために、見ていくんだよ。」
ヤーフルはいつも簡単に結果を言ってくれるので、僕も気が楽になる。
<アトランティス中期 ヤッシュの章 完 >
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