日光東照宮を参拝した後、
中禅寺湖畔まで脚を延ばし、
「イタリア大使館別荘記念公園」へ行ってきました。
1928年、アントニン・レーモンドの設計で建てられたこの別荘は、
1997年まで歴代イタリア大使が使用した後、
栃木県が買い取り、修理と復元を行って一般公開されています。
レーモンド→吉村順三→宮脇檀・中村好文と続く系譜の中にいると考えると、
私の大師匠にあたる建築家の一人です。
紅葉の名所としても知られているようですが、
もうすっかり枯木立になっていました。
まずは、往時の歴史を紹介する国際避暑地歴史館になっている副邸へ。
杉皮を竹の押し縁で押さえるという特徴的な外壁。
日本の古民家から拝借したと思われる工法を、
上手くモダンに昇華して使っています。
そして石積みの暖炉、木製建具。
手仕事の持つ親密な空間が出来上がっています。
そして本館。
だいぶ色褪せましたが、杉皮が一松模様に張ってあるのが判ります。
枯れた風景にも、よく馴染んで、
好い佇まい。
気持ちの好い広縁から、湖がすぐ近くに見えます。
内装も杉皮で統一されています。
なんと天井まで。
間の作り様は日本的です。
スケールと陰影の具合が実に好いです。
何となく、懐かしさも感じます。
寝室・階段室
レーモンドの建築というと、
屋根架構を積極的に表現した空間が多いのですが、
ここでは、徹底して杉皮というマチエールで覆われています。
比較するものではありませんが、
東照宮を見た後に来ると、
なんと清々しい建築なのかと‥
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