これはいい質問ですね。
この問いには2段階でお答えしたいと思います。
A-1.哲学は実証的に答えを出すことのできない問題を扱う学問ですので、
基本的には数式は用いず、言語のみによって思考していきます。
哲学は実証的に答えを出すことのできない問題を扱う、ということに関しては、
「NHK文化センター 「哲学って何だろう?」 第3回講座」 をご覧ください。
その記事のなかには書いてありませんが、
学問が実証化していく際に重要な役割を果たしたのが数学でした。
実験や観察によって得られたデータに対して数学を適用して、数式として表すことができ、
それが追試験によって検証されたものが科学的知識として承認されることになります。
そういう意味で数式というのは現代の学問 (=科学) にとっては重要な意味をもちます。
しかし、この世のすべてを何でもかんでも数式で表すことは今のところできません。
科学者のなかには、今のところはまだムリだけれど、
いずれすべてを数式で表せるようになるだろうと考えている人もいるようですが、
哲学者の多くはそもそも数式で表せないような問題がこの世にはあるのだと考えていると思います。
私もそう考えるひとりです。
ですので、哲学では数式は (基本的には) 使わないのです。
しかしながら、こういう哲学のあり方に疑問が唱えられたこともありました。
もっと哲学は他の諸科学と同様、厳密な学になるべきではないのか、
そのためには哲学の真理も数式で表せなくてはならないのではないか。
そう考えた人々は、哲学の仕事を厳格な思考法則を打ち立てることと考え、
言語の代わりに数学の演算規則を用いて論理学を再構築しようとしました。
(論理学と哲学の関係についてはこちらをご覧ください。)
かくして19世紀の後半から20世紀にかけて現代論理学は大きな飛躍を遂げ、
記号論理学 (数理論理学) と呼ばれる分野が整備されました。
そこでは曖昧な言語ではなく論理式と呼ばれる一種の数式を用いて思考が進められていきます。
したがって第2段階の答えは次のようになります。
A-2.哲学のなかにも論理式と呼ばれる一種の数式を用いる記号論理学という分野が存在します。
論理式というのは、次のような論理記号を用いて表記されます。
論理結合子 使い方 意味
連言「∧」 P∧Q PかつQ
選言「∨」 P∨Q PまたはQ
否定「¬」 ¬P Pでない
含意「→」 P→Q PならばQ
同値「←→」 P←→Q PはQと同値である
これらを使って、例えばこんな論理式を書くことができるわけです。
(((p → q) ∧ (r → s)) ∨ (¬q ∧ ¬s))
とまあこんな感じです。
本物の哲学科の 「論理学」 の授業だと、こういうのを使って延々と計算させられたりするのですが、
看護学校の 「論理学」 の授業ではこんな論理式の計算をさせられたことはないでしょうね。
かく言う私も本物の 「論理学」 は苦手で、特にこの記号論理学にはまったく付いていけませんでした。
だから、ここまでの説明も自分でよくわからずに書いているところがあって相当怪しいです。
興味ある方はけっしてここでの説明を真に受けずに、
自分で入門書などを読んで確かめてみることをオススメします。
というわけで、今日の質問に対するお答えは、
哲学にも数式を使う分野があるらしいよという程度でお茶を濁しておきたいと思います。
この問いには2段階でお答えしたいと思います。
A-1.哲学は実証的に答えを出すことのできない問題を扱う学問ですので、
基本的には数式は用いず、言語のみによって思考していきます。
哲学は実証的に答えを出すことのできない問題を扱う、ということに関しては、
「NHK文化センター 「哲学って何だろう?」 第3回講座」 をご覧ください。
その記事のなかには書いてありませんが、
学問が実証化していく際に重要な役割を果たしたのが数学でした。
実験や観察によって得られたデータに対して数学を適用して、数式として表すことができ、
それが追試験によって検証されたものが科学的知識として承認されることになります。
そういう意味で数式というのは現代の学問 (=科学) にとっては重要な意味をもちます。
しかし、この世のすべてを何でもかんでも数式で表すことは今のところできません。
科学者のなかには、今のところはまだムリだけれど、
いずれすべてを数式で表せるようになるだろうと考えている人もいるようですが、
哲学者の多くはそもそも数式で表せないような問題がこの世にはあるのだと考えていると思います。
私もそう考えるひとりです。
ですので、哲学では数式は (基本的には) 使わないのです。
しかしながら、こういう哲学のあり方に疑問が唱えられたこともありました。
もっと哲学は他の諸科学と同様、厳密な学になるべきではないのか、
そのためには哲学の真理も数式で表せなくてはならないのではないか。
そう考えた人々は、哲学の仕事を厳格な思考法則を打ち立てることと考え、
言語の代わりに数学の演算規則を用いて論理学を再構築しようとしました。
(論理学と哲学の関係についてはこちらをご覧ください。)
かくして19世紀の後半から20世紀にかけて現代論理学は大きな飛躍を遂げ、
記号論理学 (数理論理学) と呼ばれる分野が整備されました。
そこでは曖昧な言語ではなく論理式と呼ばれる一種の数式を用いて思考が進められていきます。
したがって第2段階の答えは次のようになります。
A-2.哲学のなかにも論理式と呼ばれる一種の数式を用いる記号論理学という分野が存在します。
論理式というのは、次のような論理記号を用いて表記されます。
論理結合子 使い方 意味
連言「∧」 P∧Q PかつQ
選言「∨」 P∨Q PまたはQ
否定「¬」 ¬P Pでない
含意「→」 P→Q PならばQ
同値「←→」 P←→Q PはQと同値である
これらを使って、例えばこんな論理式を書くことができるわけです。
(((p → q) ∧ (r → s)) ∨ (¬q ∧ ¬s))
とまあこんな感じです。
本物の哲学科の 「論理学」 の授業だと、こういうのを使って延々と計算させられたりするのですが、
看護学校の 「論理学」 の授業ではこんな論理式の計算をさせられたことはないでしょうね。
かく言う私も本物の 「論理学」 は苦手で、特にこの記号論理学にはまったく付いていけませんでした。
だから、ここまでの説明も自分でよくわからずに書いているところがあって相当怪しいです。
興味ある方はけっしてここでの説明を真に受けずに、
自分で入門書などを読んで確かめてみることをオススメします。
というわけで、今日の質問に対するお答えは、
哲学にも数式を使う分野があるらしいよという程度でお茶を濁しておきたいと思います。