先々週、講演会に行ってきた修明高校から感想用紙が送られてきました。
800名を超えるメガ講演会でしたので、さすがに感想用紙の回収は難しかったようです。
生徒さんの分が350枚あまり、保護者の方々の分が20枚弱、教員分が4枚と回収率は低めです。
とはいっても相当な数ですので集計には手間取ってしまいました。
今日はとりあえず生徒さんの分だけ結果報告させていただきます。
いつもの満足度の5点満点評価ですが、生徒さんの評価の平均は3.86でした。
予想どおり今までで最低の評価です。
同じメガ講演会では
福島高校で3.91、
福島三中で3.97、
白河高校で4.43でしたから、
それらと比べてもいちだんと低い評価であることがわかると思います。
うーん、まあ予想はしていましたが、しかしこうやって現実を突きつけられるとショックです
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。
話している最中も、なんだかオーディエンスの皆さんとものすご~く遠い気がして、
(実際、物理的にも最前列の皆さんとも距離がけっこう離れていましたから、
一番うしろなんてこちらからはまったく見えない感じでした)
こちらの話が届いている、聞いてもらっているという実感がまったくもてずにいました。
話しているほうがそう感じていたくらいですから、聞いていたほうからはよけいにそうだったのでしょう。
本当に申しわけないことをしてしまいました。
さて、具体的にはどう受け止められたのでしょうか?
いつものように自由記述の部分をいくつかピックアップしてみましょう。
今回は敗因分析のために満足度の評点ごとに分けてご紹介することにいたします。
【満足度5点の皆さん】
●今まであまり考えたこともなかったけど、今日の講演会を聞いてこれからの進路に役立ちました。
●話がおもしろかった。毎日してもらっているのをあたり前だと思わないで、感謝の気持ちを忘れないようにしたいと思いました。生きていくためにはやっぱり勉強が大切なんだとあらためて思いました。
●人間がなぜ学び働くのか、改めてまなぶことができた。また、自分自身であたりまえと思ってたことが、じつはあたりまえではないと知り、とても驚きました。人間と動物はとても近く、かぎりなく遠いと思いました。人間はずっと考えて生きていくと聞いて、答えがないのになぜ考えなくてはいけないのだろうと思いました。今回まなんだことを生かして、これからの生活を充実させていきたいと思います。
●小野原さんの話を聞いて、新たに視野が広がった気がします。答えのない問いを考える力を、私たちは身に付けなければならないと学ぶことができました。
●当たりまえなことを当たりまえに思わず 「感謝の気持ち」 を忘れずに生活していきたいと思えるような講演会になりました。
●今日の講演を聞いて、人が学び働くのは生きていくためだということがわかりました。勉強するのがイヤでも生きていくためにがんばりたいと思います。
●今日、話を聞いてとってもいい人だと思いました。なんかめっちゃいい人だし、考え方もなんかすごいこと言ってるし、今日の話を聞けてとっっっってもよかったですヽ(^^)/
●今回講演を聞いて、私はまだ2年生ですが進路について考えさせられました。なぜ働くのか、なぜ勉強するのかなど、講演をきくまで自分の軽い考えしかなかったのでとても貴重な講演でした。これからはずかしがらず、親に 「ありがとう」 といいたいと思います。
●動物の赤ちゃんはすべて自分でやるのに、人間の赤ちゃんは長い時間をかけて文化を身に付けていくところが不思議だなと思いました。子供のときは答えがある問題を考えて、大人は答えのない問題を考える、だから知識を身に付けなくてはならないんだな~と思いました。「教育は永久に終わらない」 という言葉が印象に残りました。文化を身に付けることは大切だなと思いました。日本人でよかったなぁ~
●文化の意義について考えさせられる講演でした。文化は作り出されたものだが、先生の仮説を聞いて、文化が人間の生きていくための理由なのでは? ということに興味がわきました。また、ノーブレス・オブリージュの意味、説明をきいて、改めて自分たちがいかに恵まれているかがわかりました。このところからも 「人間にとってあたりまえのことはない」 というところにつながっているのではと思いました。他人が何かをしてくれることは有り難いことであることは少なからず認識していましたが、「他人のためにしてあげることはあたりまえではない」、「人間にとってあたりまえのことはない」 というものは初めてきいたのでとても印象に残りました。
●世界を100人の村と考えたとき、日本人に生まれたことがどんなに恵まれているかを知って、今までめんどくさいと思ってた勉強が、生きてくために必要だとわかりました。今、学校に通い、学べることが幸せな事だということを忘れず生活していきたいと思いました。
●人が働かなければいけない理由、僕達が勉強しなければいけない理由が、本能と結びつけて教えてくれたので、説得力がありました。将来のことを考えていろいろなことを学びたいと思いました。今日は講演会を開いてくださりありがとうございました。
●「ノーブレス・オブリージュ」 という言葉がすごく印象に残りました。「恵まれた者の義務」 を私も果たしていきたいです。人間について様々な観点からお話しして頂き、今まで気づかなかったことに対する関心を持つことができました。今日は為になるお話を有難うございました。
●サルの進化について、特徴や環境変化で今の人間に変わるのがとてもおもしろく納得できました。人間早産仮説も、他の動物と違う点で早く産まれたということも仮説なのですが、おもしろくうなずけました。私達はめぐまれているのでノーブレス・オブリージュという言葉の通り、100人のうちの8人なので、のこり92人のためすこしでも役に立てるように自分でもなにか行動をおこせるように考えていこうと思います。本日はありがとうございました。
【満足度4点の皆さん】
●文化はとても大切なんだと思いました。大人になっても学ぶことはたくさんあるし勉強しない年はなんてない。これから就職、進学と自分の将来のために今、とてもだいじな時期だと思った。
●自分が満足した生活をしているのは親や周りの大人たちのおかげなんだとあらためて思った。
●ノーブレス・オブリージュ=恵まれた人の義務。「日本に生まれた時点で恵まれてんだから人の役に立てるような仕事をしなさい」 みたいな事を言っていて、本当にそうだなーって思った。人の役に立てるような仕事につけるようにしたい。なにがあっても 「あいさつ」 と 「ありがとう」 は言うように心がけて、これからも生活していきたいです。
●私が一番印象に残ったことは人間早産説です。考えてみれば馬やヤギは産まれてすぐに立ち、魚は泳ぎます。人間とちがい、産まれてすぐに立つ馬やすぐ泳ぐ魚は自然で生活する技術を身につけます。そう考えてみると、資料に書いてあるように赤ちゃんは無能です。私は産まれてすぐ歩き、話せたら、親に迷惑をかけないなと、馬や魚が少しうらやましくなります。ですが、人間は成長し、様々な技術を身につけ、将来親こうこうするので、小さいころに少しは迷惑をかけてもいいと思います。非遺伝的適応能力や高度産業化社会など、わからない言葉等がでてきましたが、わかりやすい説明だったので、すごく良かったです。本能のこわれた動物と書いてあってはじめはあまりわかりませんでしたが、複数の例によりくわしく理解できました。今回の講演はとてもよかったです。
●しんぶんしなど私もそうゆうのが好きなので、まさおさまとゆうのはおもしろかったです。自分の名前でそうゆうのが思い浮かぶのがすごいと思いました。ごまたまごもいいかんじですよね。
●自分が当たり前だと思っていたのは当たり前にならないのが少しびっくりしました。大人はすごく苦労しているんだと改めて分かりました。文化を学ぶことは大切だと思いました。
●今日の講演を聞いてこれから生きてゆくうえでためになったし、今までずっと 「なんで勉強しなきゃいけないの」 って疑問に思ってたけど誰もちゃんとしたことを教えてくれませんでした。ほんとうに今日はありがとうございました。
●講師の方の話し方はよかったと思います。また人間は本能の壊れた動物という話をし、その中でありがたいことなども話を聞けてよかったです。ですが、少し難しすぎる話はちょっと分からなかったです。でも、これからの自分のためになる話もあったので参考にし、頑張って行こうと思いました。
●よい話だった。少しねむかった。
●良く分かりにくかったけど、考えさせられた講演だった。
●スクールーン [? 原文のままです。何のことだろう?] とかあった方がおもしろい。生徒に質問を問いかけたり生徒と関わりながら楽しくした方がいい。
満足度5点とか4点を付けてくれた人はほとんどいいことしか書いてくれていませんが、
4点を付けた方のうちの最後の4名は若干意見・要望を書いてくださっていました。
要するに話がわかりにくい、難しいということなのでしょうね。
ふだん中学生にも話している内容ですので、
高校生ということでちょっと丁寧な説明をおろそかにしていたのかもしれません。
特に高校1年生はついこのあいだまで中学生だったわけですからね。
あまり高校生だからという意識で臨むべきではなかったのかもしれません。
さて、満足度3点以下の方々で感想を書いてくれていたものに関しては、
取捨選択せず全部記しておくことにしましょう。
【満足度3点の皆さん】
●今日の講演を聞いて、これからはもっと勉強をしようと思った。
●よく話が難しかったです。でも、答えのない問題をよくよく考えることは、難しいことなのかと思いました。
●なぜ勉強するのかということがよくわかりました。
●頑張って生きていこうと思った。
●なぜ働くのか分かった。人間は本能がこわれた動物だということが分かった。
●とても難しい話でした。
●理解できる話とわかりにくい話があったから。
●資料があるから少しは分かりやすかった。サルとヒトの違いについて具体的でよかったと思う。少し声が小さいのと専門的語句が難しかった。
●少し難しかったです。
●学生には難しい話だった。
●内容はかなり難しかった。
【満足度2点の皆さん】
●『世界がもし100人の村だったら』 の話はなかなか興味深かったです。「ノーブレス・オブリージュ」 という言葉はとても気に入りました。
●少し勉強するいみがわかったきがした。
【満足度1点の皆さん】
●いろいろなことが分かりました。
●ありがたいの気持ちを忘れないでいきたい。
満足度2点とか1点を付けた人たちは残念ながら白紙の方が多く、
自由記述を書いてくれた人自体が少なかったですし、
書いてくれた人の内容も、なぜ2点や1点なのか、
どこが悪かったか等についてまったく触れられていませんでした。
3点を付けた人のうちの最後の6名が、やはり難しかったと書いてくれていました。
また、声が小さかったことと専門用語が多かったことを指摘してくれた人がひとりいました。
マイクを使って喋っていて、壇上で自分の声を聞く分には、
音が割れるギリギリの大音量だったように思い、
むしろ口からマイクを離し気味にしたりしていました。
それがいけなかったのでしょうか?
後ろのほうの席の人に自分の声がどの程度届いているかわからないというのはやっかいなものです。
途中で、ちゃんと聞こえているか確認するといったことを怠ったのは失敗でした。
専門用語は難しいのは承知の上で、口頭で補足説明したつもりだったんですが、
声がよく聞こえていないなかで、プリントにわけのわからない専門用語を見ただけだと、
やはり難しいという印象を与えてしまったのかもしれません。
メガ講演会ではふだん以上に目で見てわかるわかりやすさを追求する必要があるかもしれません。
あるいは、長らく同じ内容で同じ話をしてきましたが、
そろそろ少し大幅に中身を変えてみる必要もあるのかもしれません。
これだけ多くの人から難しかったと言われるのはよくない兆候ですし、
何よりも、いくら大人数相手の講演会だったとはいえ、
3.86という数字はヤバすぎます。
心の底から反省し、講師
人生をやり直すくらいの覚悟が必要かもしれません。
修明高校の皆さん、満足度の低い講演をしてしまい本当に申しわけありませんでした
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。
皆さんにあの60分をお返ししてあげることはできませんが、
今回の私の学びを別の機会に反映し、別の人たちに対してよりよい講演を提供することによって、
新しい文化を生み出し、文化を継承していきたいと思いますので、
なにとぞご容赦くださいますようお願い申し上げます。