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このところずっと、やらせるばかりで目を通すことのできなかった
ワークシートの採点を、一気にやっているところです。
先日、ワープロでの誤変換の問題について論じましたが、
それ以上に、手書き文書では誤字がやたらと目立ちます。
私もすっかりワープロに慣れてしまったので、
授業中に漢字が思い出せなかったり、書けなくて困った挙げ句、
学生に電子辞書やケータイで調べてもらうなんていうことがよくあります。
ただし、私の場合は書いてみてまちがっていると、
なんかヘンだなと自分で気づきますので、
人に聞いたり辞書を引いてみたりして訂正できるわけですが、
まちがったまま覚えてしまっていると、
毎回毎回まちがえ続けるという人もけっこういるようです。
ここで、学生に多い誤字のベスト3を発表しましょう。
第1位 「講議」
授業に関連して何か書いてもらうわけですから、
「講義」 という語が使われる頻度が高いということもあるでしょうが、
それ以上に、「講義」 って先生が話してくれるので、
「話し合う」 という意味の 「議」 のほうを使いたくなってしまうのでしょう。
しかし、「話す」 という意味は 「講」 のほうに含まれていて、
ギのほうは、「主旨」 とか 「理論」 という意味での 「義」 を使わなければなりません。
宗教の 「教義」 が 「議」 ではなく 「義」 であるのと同じ理由になります。
第2位 「例え」
これは3種類のことばがいっしょくたになってしまっていますので、
やはり出現頻度が高くなります。
元々の正しいことばは、「例えば」 です。
なにか例を挙げるときに、
「誤字をよく見かけますね。例えば、講義を講議とまちがえる人がけっこういます。」
というときの 「例えば」 は、 「実例」 を 「例示」 するわけですから、
「例」 という漢字を用いることになります。
それと音と意味が似ているのでよく混同されるのが、「譬え」(「喩え」とも書く) です。
ある物を別の物によって類比的、比喩的に説明するのが 「譬え」 です。
例えば、「私の研究室はゴミ捨て場のように汚い」 という場合、
これは、「研究室」 を 「ゴミ捨て場」 に 「譬えて」 いるわけです。
つまり、「ゴミ捨て場」 が 「譬え」 として使われているわけです。
比喩というのは例示に似てる気がするかもしれませんが、
実際には例示とは別の働きですので、
この場合に 「例え」 と書くのはまちがっているわけです。
もうひとつ、やはり音が同じなので混同されやすいのが、
副詞の 「たとえ」 です。
「たとえ1字たりとも、誤字があってはならない」
というときの 「たとえ」 を 「例え」 と書いてしまう人がいますが、これもまちがいです。
これは元はというと 「たとい」 だったようで、
漢字では 「仮令」 とか 「縦令」 と書いて 「たとい」 と読みます。
それが音が変化して 「たとえ」 として使われるようになっているわけですが、
ある場合を仮定してそれにもかかわらずある判断が成立することを表していますので、
やはり例示とかとは働きがちがいますから、
「例え」 と書くのはまちがっているわけです。
これはムリして漢字を使うよりは平仮名で 「たとえ」 と書くのが無難でしょう。
「例えば」 と 「譬え」 と 「たとえ」、
この3つははっきりと使い分けてもらいたいものです。
第3位 「以外に」
「倫理学なんて興味なかったけど、以外に面白かった。」
と書く人が多いのですが、
これは 「以外に」 ではなく 「意外に」 が正しいですね。
「~より (以り) ほか (外) に」 という意味ではなく、
「おもい (意い) のほか (外)」、つまり「思った以上に」 という意味ですので、
「意外に」 となるわけです。
意味がわかっていればまちがえようがない気がしますが、
意外に多いまちがえです。
ワープロの誤変換と同様に、誤字も大嫌いです。
テストで誤字があったら1つにつき1点引き、なんて言ったりしますが、
ホントにそんなことしたら、みんな誤字の減点分だけで不合格になってしまいますから、
実際にはそんなことはしません。
しかし、誤字を見るたびにカチンと来ているのは確かですので、
私の講義のテストを受ける人は気をつけてください。
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このところずっと、やらせるばかりで目を通すことのできなかった
ワークシートの採点を、一気にやっているところです。
先日、ワープロでの誤変換の問題について論じましたが、
それ以上に、手書き文書では誤字がやたらと目立ちます。
私もすっかりワープロに慣れてしまったので、
授業中に漢字が思い出せなかったり、書けなくて困った挙げ句、
学生に電子辞書やケータイで調べてもらうなんていうことがよくあります。
ただし、私の場合は書いてみてまちがっていると、
なんかヘンだなと自分で気づきますので、
人に聞いたり辞書を引いてみたりして訂正できるわけですが、
まちがったまま覚えてしまっていると、
毎回毎回まちがえ続けるという人もけっこういるようです。
ここで、学生に多い誤字のベスト3を発表しましょう。
第1位 「講議」
授業に関連して何か書いてもらうわけですから、
「講義」 という語が使われる頻度が高いということもあるでしょうが、
それ以上に、「講義」 って先生が話してくれるので、
「話し合う」 という意味の 「議」 のほうを使いたくなってしまうのでしょう。
しかし、「話す」 という意味は 「講」 のほうに含まれていて、
ギのほうは、「主旨」 とか 「理論」 という意味での 「義」 を使わなければなりません。
宗教の 「教義」 が 「議」 ではなく 「義」 であるのと同じ理由になります。
第2位 「例え」
これは3種類のことばがいっしょくたになってしまっていますので、
やはり出現頻度が高くなります。
元々の正しいことばは、「例えば」 です。
なにか例を挙げるときに、
「誤字をよく見かけますね。例えば、講義を講議とまちがえる人がけっこういます。」
というときの 「例えば」 は、 「実例」 を 「例示」 するわけですから、
「例」 という漢字を用いることになります。
それと音と意味が似ているのでよく混同されるのが、「譬え」(「喩え」とも書く) です。
ある物を別の物によって類比的、比喩的に説明するのが 「譬え」 です。
例えば、「私の研究室はゴミ捨て場のように汚い」 という場合、
これは、「研究室」 を 「ゴミ捨て場」 に 「譬えて」 いるわけです。
つまり、「ゴミ捨て場」 が 「譬え」 として使われているわけです。
比喩というのは例示に似てる気がするかもしれませんが、
実際には例示とは別の働きですので、
この場合に 「例え」 と書くのはまちがっているわけです。
もうひとつ、やはり音が同じなので混同されやすいのが、
副詞の 「たとえ」 です。
「たとえ1字たりとも、誤字があってはならない」
というときの 「たとえ」 を 「例え」 と書いてしまう人がいますが、これもまちがいです。
これは元はというと 「たとい」 だったようで、
漢字では 「仮令」 とか 「縦令」 と書いて 「たとい」 と読みます。
それが音が変化して 「たとえ」 として使われるようになっているわけですが、
ある場合を仮定してそれにもかかわらずある判断が成立することを表していますので、
やはり例示とかとは働きがちがいますから、
「例え」 と書くのはまちがっているわけです。
これはムリして漢字を使うよりは平仮名で 「たとえ」 と書くのが無難でしょう。
「例えば」 と 「譬え」 と 「たとえ」、
この3つははっきりと使い分けてもらいたいものです。
第3位 「以外に」
「倫理学なんて興味なかったけど、以外に面白かった。」
と書く人が多いのですが、
これは 「以外に」 ではなく 「意外に」 が正しいですね。
「~より (以り) ほか (外) に」 という意味ではなく、
「おもい (意い) のほか (外)」、つまり「思った以上に」 という意味ですので、
「意外に」 となるわけです。
意味がわかっていればまちがえようがない気がしますが、
意外に多いまちがえです。
ワープロの誤変換と同様に、誤字も大嫌いです。
テストで誤字があったら1つにつき1点引き、なんて言ったりしますが、
ホントにそんなことしたら、みんな誤字の減点分だけで不合格になってしまいますから、
実際にはそんなことはしません。
しかし、誤字を見るたびにカチンと来ているのは確かですので、
私の講義のテストを受ける人は気をつけてください。
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