まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

人生で一番忙しい年(教育課程委員会篇)

2016-12-31 07:38:01 | お仕事のオキテ
このところこのブログでは 「人生で一番忙しい年」 というフレーズを多用してきました。

つい昨日投函したばかりの年賀状でも、そのことをテーマに1年を振り返っておきました。

しかしながら、いくら小さな文字でパンパンに書きまくったとしても、

年賀状の小さなスペースでは 「人生で一番忙しい年」 のすべてを表すことはできなかったので、

改めてここでこの1年を振り返っておきたいと思います。

まずは学内でのお仕事から。

大学の仕事というのは基本的に年ではなく年度単位で動いていますので、

どれもまだ過去形ではなく3月まで続くのですが、

そのことは置いておいて、とりあえず列挙していくことにしましょう。

第一に記すべきは、私が所属する人間発達文化学類のなかでの委員会のお仕事です。

基本的に委員会というのは2年任期で、委員の半数が毎年入れ替わることになっています。

私は昨年度から教育課程委員会に配置させられていました。

入った年は副委員長で、2年目に委員長になることは既定路線でしたので、

今年度、教育課程委員長を務めることはとうの昔から覚悟の上でした。

教育課程委員会というのは聞き慣れない名前かもしれません。

教務委員会であればどこの大学・学部にもあって、

たぶんどこでも多忙委員会のひとつとして位置づけられていることでしょう。

我が人間発達文化学類にも教務委員会はちゃんと別にあって、

三大多忙委員会のひとつとして数え入れられています。

で、それとは別に教育課程委員会が存在しているのです。

私が福島大学に就職する前からの慣例ですので詳しくは知らないのですが、

受けた説明によると、教務委員会はルーティーンワークをこなす実務委員会であり、

教育課程委員会は、カリキュラムの見直し (各種アンケート調査) や、

変更 (担当者や時間割の変更等の許認可) なんかを扱うところなんだそうです。

これは別にそうと決まっているわけではないのですが、

このところの人事の流れとしては、教務委員長経験者が1年間委員会を免除されたあと、

そのまま今度は教育課程委員長に就任するというパターンが定着しつつあり、

私もご多分に漏れずその路線を歩まされました。

教務委員会の仕事と教育課程委員会の仕事はかぶるところがけっこうあり、

そのためか教務委員会の委員長と副委員長は教育課程委員会にも所属することになっています。

したがって教務委員長になると教育課程委員会にも出席しなければならず、

ああ教務委員長って大変だなあ、と思っていたものでした。

ところが今回、教育課程委員長に就任してみて、

教務委員長よりも教育課程委員長のほうがよっぽど激務だと痛感しました。

というのも教務委員会が扱う仕事のほとんどは、

教務課の事務職員の方々が用意してくれた議題ばかりです。

次の委員会でどんな議題を扱うのか、どんな資料が配付されるのか、当日まで委員長は知りません。

事務の方々のお膳立ての上でほぼすべての仕事はスムースに流れていきます。

たま~に委員 (=教員) が判断を下さなければならないような突発的な事態、

前例に当てはまらないイレギュラーな案件が飛び込んでくることがあり、それは若干面倒ですが、

そんなことは本当にめったにないことなのです。

それに比べて、今回、教育課程委員長に就任してみて初めてわかったのですが、

(1年間副委員長として見習い期間を過ごしていたあいだはまったく気づいていませんでした)

教育課程委員会の場合は、委員会で何を議題に取り上げるかはその都度、委員長が決めており、

そのための資料も全部委員長が用意しなければならないのでした。

教務委員会で甘やかされて育ってきた私にはとてつもなくツライ毎日でした。

これだけでも大変だったのですが、昨年から今年にかけて、

教育課程委員会にはイレギュラーな大仕事が舞い込んでいました。

2017年度から新たに教職大学院を立ち上げるというミッションです。

その原案作りや文部科学省の設置審対応といった根本的な土台作りに関しては、

将来計画検討委員会という、数ある委員会の中でも最も激務だと言われている委員会の担当で、

それはもうずっと前から取り組んできて、ある程度方向性は出来上がっていました。

しかし、いよいよ新しい大学院が立ち上がるとなると、

カリキュラム上の新しいシステムをいろいろと整備していかなければなりません。

それはまさに教育課程委員会のお仕事となるのです。

その最たるものが課程認定対応でした。

「課程認定」 というのはジャーゴン (=業界用語) ですね。

大学でも大学院でも、ある授業を取って単位を集めると、教員免許をもらえる場合がありますが、

教員免許を出してもいいかどうか、この授業は教員養成にふさわしい内容かどうかというのは、

文科省がひとつひとつの授業に関してすべてチェックしていて、

きちんと認定された授業でしか教員免許を出すことができません。

それを申請して認定してもらうまでの一連の手続きが 「課程認定」 と呼ばれています。

以前は課程認定ってそんなに大変ではなかったんです。

設置審査で認めてもらえればもれなく課程認定も付いてくるみたいなオマケ的な要素がありました。

ところがこのところ教員養成に対して厳しい要求が突きつけられるようになっており、

課程認定にふさわしい授業内容であるかシラバスが精査されたり、

担当教員が教員養成を担うにふさわしい業績 (専門内容ではなく教育関係の) を有しているか

厳しくチェックされるようになってきました。

その作業が昨年度からスタートしていたのです。

課程認定の申請のために全教員から膨大な数の書類を集め、

それをチェックし修正すべきはしてもらい、すべてを整えて提出するという一番大変な仕事は、

前年度のうちに前委員長が終えてくださっていました。

今年度は、提出した書類に対して文科省から 「これでは課程認定を通せない」 とクレームが来た際、

その修正要求に対応すればいいだけのはずでした。

ところがこれがハンパない量の修正要求が来てしまい、

内容的にも、とても対応しきれないような厳しい要求だったのです。

しかも、1週間以内に修正した書類を返送するようにという超短い締め切り付きです。

そんな短い期間内に大学教員から書類を集めるのがどんなに至難の業か、

大学教員の実態を知っている方ならおわかりいただけるでしょう。

その短い期間にミッション・インポッシブルを果たさなければならないのです。

これにはほとほと参ってしまいました。

けっきょくそういう修正要求が三回くらい来たでしょうか。

修正要求がいつ来るかわからないし、来たらすぐに対応しなきゃいけないし、

しかも対応しきれる内容かどうか、どういう方向から矢が飛んで来るのかまったくわからないという、

綱渡り状態がずっと続いて心安まることがありませんでした。

最終的に教職大学院の課程認定がすべて完了したという知らせが届いたのはつい先日のことでした。

こんなに年の瀬まで引っ張ることになるとはまったく予想していませんでした。

しかしながら、教職大学院がらみの問題は課程認定だけではありません。

教職大学院を設置する場合は教職大学院の専任教員を配置しなければならないのですが、

ではその人たちがこれまで学類 (大学院ではなく大学) のほうで担当していた科目はどうするのか、

これまであった大学院 (人間発達文化研究科) の一部を教職大学院に組織替えしたわけですが、

教職大学院にならなかった部分も、教職大学院を作ったことによって少なからず変化を被ったわけで、

その変化をすべて洗い出し、新しいシステムとして発足させなければならない等、

教務委員会の仕事 (=ルーティーンワーク) でもないし、

将来計画検討委員会の仕事 (=将来構想) でもないという煩雑な雑務が、

すべて教育課程委員会にふりかかってきました。

他にも、これまで長らく課程委員会が放置してきたパンドラの箱を開けてみたら、

どす黒い闇が噴出し、収拾のつかないバトルに巻き込まれるなどいろいろあった1年でした。

とても一人ではやりきれなかったので、副委員長をはじめとして委員の皆さまに仕事を振りまくって、

何とかここまで乗り切ってきました (はたして3月までもつかどうか…)。

教育課程委員会のことだけを振り返ってみてもこんなにいろいろとありました。

これだけの内容が年賀状ではたった一言、

「教育課程委員会の委員長職に就くことは前年から決まっていたので覚悟の上でしたが」

で片付けられています。

そう、ここまでの話はまだ 「人生で一番忙しい年」 のとば口にもさしかかっていないのです。

まさか課程委員会の話だけでこんなに長くなるとは思っていませんでした。

もう疲れちゃったので、とりあえずここでいったん筆を措くことにしたいと思います。


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