先日、以前勤めた会社のOB会があり、その折に名古屋市千種区にある覚王山日泰寺とその近くの揚輝荘を見学しました。名古屋に生まれ育ちながらこの地を訪れたのは初めてでした。
覚王山日泰寺
タイ王国から寄贈された仏舎利(釈迦の遺骨)を安置するために創建された超宗派の寺院です。「覚王」とは釈迦の別名で「日泰」とは日本とタイ王国を表しています。どの宗派にも属していない日本で唯一の超宗派の寺院であり、各宗派の管長が三年交代で住職を務めています。また仏舎利は本堂のある境内からやや離れた「奉安塔」の中に安置されています。
揚輝荘
松坂屋の初代社長伊藤次郎左衛門祐民によって構築された別邸です。完成時(昭和十四年頃)には約一万坪の敷地の中に三十数棟の各種建造物が建ち並び、池泉回遊式庭園と共に覚王山の高台に偉容を誇っていました。かっては、各界の要人や文化人が往来する迎賓館、社交場として華やぎ、アジアの留学生が寄宿して国際的なコミュニティを形成した場所でもありました。その後世の移ろいを経て残された歴史的建造物と庭園は今や市民共有の貴重な財産となり、今後本格的公開に向けて修復・整備される予定です。