これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

日本国憲法 (その5)

2019-05-25 10:46:28 | 天皇制
 今回は、”国民の権利及び義務”についてです。民主主義の根幹を規定する、(憲法の中で)最も重要な個所だと思います。

【国民の権利及び義務】
 国民の権利及び義務は、第三章の第10条~第40条に規定されています。
 憲法改正の議論は、ほとんど第9条についてされますが、私は第三章についても見直すべきだと思います。GHQに押し付けられた民主主義を、国民の大半は抵抗なく受け入れ、定着させてきました。戦後、70年以上になり(誇らしいことに)憲法に書いている以上に、民主主義の考え方が進んで来たと思います。

【民主主義】
 最近、インターネットで読んだワシントンポスト・日本版の記事の話しです。故ケイ・コバヤシ氏は、戦前に渡米して、大戦が始まると日本人を隔離するための収容所に入れられていましたが、徴兵で軍隊に入り、戦後にGHQの通訳として来日しました。日本人から「民主主義って何ですか?」とよく質問され、答えられなかったそうです。当時の彼の住所は、なんと”収容所”だったのですから!

 私の認識では、1945年頃のアメリカは、まだまだ人種差別の酷い社会でした。キング牧師が暗殺されたのは68年です。GHQで日本の憲法草案を担当したスタッフは、母国もこんな民主主義の国になって欲しいと願いながら作成したのだと私は思います。

 ヨーロッパでは、民衆が血を流して(革命を起こして)自由/権利を獲得しましたが。日本は、GHQが民主主義を押し付けたのです。第三章の内容が、既に古くなったと言えるほど、日本の民主主義化は進みました。憲法を現状に会う様に改正しようと言う運動が起こらないのは不思議ですね!

【御用組合の禁止】
 第28条は、〔勤労者の団結権及び団体行動権〕についてです。憲法が制定された頃は、労働組合は元気過ぎるほどでしたが、段々と御用組合が増えてきて、大人しくなりました。法律で御用組合は禁止していますが効果が有りません。憲法に明記したら、『○○会社は憲法違反!』とマスコミが書き立てますから、効果覿面です。

 御用組合を禁止する労働組合法は、1949年に制定されされました。皮肉にも法律制定後に御用組合化が進み、現在は大手企業の労働組合の多くが御用組合になっています。(会社の締め付けの程度はまちまちの様ですが。)企業の不正が時々発覚してニュースになりますが、不正が起こる原因の一つは御用組合の存続ではないかと私は見ています。

 私が長く勤務した会社の組合は、典型的な御用組合でした。表立って組合を批判する事はタブーになっていました。(若い時に組合を批判したため、その時点から定年退職に至るまで、昇級が完全にストップした方を知っています。) 会社と組合がほぼ一体ですから、会社の不正を見ても発言出来ない堅固な社内風土が出来てしまっていました。近年も不正が発覚し、経営者は『コンプライアンス(法令順守)』を叫んでいますが、御用組合はそのままです。きっと、また不正が発覚して株価が下がります。

【請願権】
 第16条で請願権が認められていますが、政府や地方公共団体が請願をどのように処理しなければならないとは書いていません。「請願書の審査、対応については、別途定める法律による」としては?と思います。

 昔、知人が国会の請願書の担当をしていました。彼の話しでは、「提出された請願書は、請願者の数を記載した紙と一緒に束にして保管するだけだ」と言っていました。「国会議員が目を通す事は無いので、請願書を出しても効果は期待出来ませんよ!」と言っていました。それでも、私は何回も請願書に署名しました。

【通信の秘密】
 第21条の2 :通信の秘密は、これを侵してはならない。

 後述の第34条(弁護士)と第38条(証拠)を厳密に適用したり、更に改善する方向に憲法や法律を改正すると、警察や検察の取り調べが難しくなると予想します。最近、”司法取引”が認められる様になりましたが、巧妙な組織犯罪が増加していますから、”通信の傍受”や”おとり捜査”などについて検討すべきと考えます。先ずは、欧米の民主主義国で認められている捜査方法を勉強してはどうでしょうか?

(余談) 厳しい取り調べを受ける覚悟が必要ですが、中国に行かれたら、ホテルの部屋で,スマホで『六四天安门事件』と発信してみてください。30分後にはドアの外に公安(警察官)が立っている可能性が有る様です。こんな社会にはなりたくないですね!

【性同一性障害者への配慮】
 第24条は、〔家族関係における個人の尊厳と両性の平等〕です。性的にノーマルである事を前提とした内容で、性的少数者には配慮していません。

 台湾は今年(2019年)に、同性婚を認める法律を制定しました。日本も検討を始めるべきです。日本では、男性が、手術で性器を除去したら戸籍の性別を変更出来る様にはなったようです。手術費用を国が出すとか、色々検討/改善する必要がある様です。

(私は性的少数者を理解出来る様になりました!) 1980年前後に、私は東京本社に勤務していました。気心の知れた友人三人で、月に2~3回、東京ならではと言う数軒の呑み屋で飲みました。その内の一軒の話しです。 田町駅の海岸の近くに、倉庫をリフォームした様な広い店が有り、時々行きました。店に入ると長いカウンター席が有って、その後ろに結構広いスペースが設けられていました。スペースの周りにテーブル席が有り、一番端の席に私達は何時も座りました。男性は普通の男の服を、女性も同様でした。時々、皆で楽しそうにダンスを始めます。人生を楽しんでいると言う雰囲気で、見てる私達も楽しくなりました。

 私は考えてしまいました。『東京にしては安い!ちょっとしか注文しないのに、長居しても文句を言われません。どうして?この店はやって行けるのか?多分、性的少数者に理解の有る金持ちがオーナーなのか?』などと考えました。

(余談) 数年後に読んだ本に、どの民族にも性的少数者が同じ様な割合で存在すると書かれていました。著者の見解は、『性的少数者には子供が出来ないが、兄弟姉妹の子供の養育に参加するので、その家族の子供の生存率が高くなる』でした。性的少数者は恥ずかしい存在では無く、むしろ人類にとっては有益だったのでは、と私は思います。

【義務教育】
 第26条は、〔教育を受ける権利と受けさせる義務〕についてです。2項で義務教育は無償となっていますが、この点に少し意見があります。

 保育園と幼稚園も教育機関と定義して、無償にすべきです。教育内容が日本の方針にそぐわない教育機関には適応しないと明記すべきです。例えば、「外国が日本に設けた教育機関に、日本の教育方針は押し付けないが、補助金は出してはならない」と明記すべきです。朝鮮学校への補助金の可否は、裁判所が判断するのでは無く、法律で明確に規定すべき事案だと思います。

【取り調べには弁護士が立ち会う】
 第34条は、〔抑留及び拘禁の制約〕についてで、『・・・、直ちに弁護人に依頼する権利を与えなければ、抑留又は拘禁されない。・・・』となっています。

 被疑者が要求した時は、弁護士が取り調べに同席して行うと明記すべきです。更に、取り調べ中の録画や録音についても明確に規定した方が良いと思います。

【自白が唯一の証拠では罪に問えない】
 第38条は、〔自白強要の禁止と自白の証拠能力の限界〕についてで、『・・・、② 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。③何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。』となっています。

 この規定があるのに、自白しないと長期間抑留されているのが現状の様です。籠池夫妻は、300日ほども拘留されました。『不当に長く』と曖昧な表現に問題があると思いませんか?「別途定める法律で、逮捕容疑によって最長の抑留/拘禁期間を定める」と追記する案はどうでしょうか?

 現行犯か証拠が無ければ逮捕しない。取り調べは”補助的なもの”とすべきです。曖昧な証拠で、逮捕状を発行している裁判所にも問題があります。

【個人情報の保護範囲と限界の明示】
 GHQが憲法草案を作成した1945年には、アメリカでも個人情報を保護する考え方は一般的では無かったと思われます。現在では、国民の重要な権利の一つになっています。マンナンバーが導入され、情報化が急激に進んで来ていますので、憲法に個人情報保護に関する規定を設けた方が良いと考えます。

【スパイ罪の新設】
 日本はスパイ罪の無い、非常に珍しい国だそうです。国家機密だけで無く、企業秘密を探る、日本人のスパイ組織が存在します。『スパイに関する法律を制定しなくても、現行の法律で処罰出来る』と主張される方がおられましたが、私はその意見には賛成しません。

(余談) 私は、研究/開発部署に長く勤務したのですが、若手の部下に産業スパイが2回接触してきました。1回目は実在の専務の名前を騙って、「○○の開発はどうなっているのか?」と言う電話でした。若い社員は専務に会ったことも、声を聞いた事も有りませんから簡単に騙せます。その時は、私が席にいたので、電話に代わって出たら切れてしまいました。

 2回目は、帝国データバンクの社員と名乗る男性が、若手社員に面談を申し込んできました。重要でない顧客との面談は広い社員食堂のテーブルを活用していました。事前に話しても良い範囲を指示しておき、私は別の社員と近くの席で打合せをしている振りをして、二人の様子を観察しました。偽社員(スパイ)だと事前に分かっていましたが、若手の勉強になると思ったのです。

【フェイクニュースによる世論操作】
 匿名で、殆ど金を掛けずに、簡単に情報/意見を発信出来る時代になっています。敵を陥れる為に、噓の情報を流す事件が世界的に蔓延しています。民主主義を覆す可能性の有る、重大な問題です。早急に、個人の自由とのバランスを考慮した対策を検討する必要が有ります。

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