これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

世襲議員を減らす特効薬

2021-10-16 12:08:56 | 政治
【はじめに】
 もう直ぐ衆議院選挙が始まります。今回も沢山の世襲の候補者が出る様です。 私は昔から「政治を家業とするのは良くない事だ!」と考えて来ました。 世襲政治家を侮蔑的な意味を込めて『家業政治家』と呼ぶ事にしています。

 「家業政治家が多くなると、こんな問題が発生する!」と認識して、投票して頂きたいです。少しずつでも、家業政治家が減って来る事を期待しています。

【イギリス】
 昔・読んだ記事に「イギリスでは、引退したり亡くなった議員の親族は同一の選挙区から立候補出来ないので、世襲議員が少ない」と有りました。ほんとか?と疑問に思ったので調べて見ました。全くの嘘でした。

 イギリスは貴族院(上院)が800年前に出来て、以来議会制度が綿々と続いて来ました。 イギリスでは世襲議員が少ないのは事実でした。 日本ではこのまま対策を講じ無かったら、100年後には世襲議員ばっかりになってしまいそうです。 何故?イギリスでは少ないのか? 日本の政治と何処が違うのか?  色々調査して、私なりの結論に達したので、本稿を書きました。

【日本の実情】
 マックス・ヴェーバーの『職業としての政治』には、世襲議員が増えるてくる可能性、問題点、対策については書いていません。 欧米諸国にも世襲政治家がいますが、日本の様に異常な増殖はしていない様に見えます。

 日本の世襲議員は1960年頃には3%程でしたが、現在は20%~30%程もいる様です。 次で検索すると、世襲政治家が実名で記載されています。 野党にも沢山の世襲政治家がいるので、多分ビックリされるでしょう!

★ ウイキペディア :親族関係にある政治家一覧

【世襲政治の何が問題なのか?】
 インターネットに色々な方が「世襲議員が増える事は良くない」と投稿しています。「政治家の世襲制は良い」と言う記事を見た事が有りませんから、多くの国民は『良し』と考えていないと思われます。然し、何故か?世襲の候補者に投票しています。

 良く引き合いに出されるのが、㋐中小企業の社長、㋑医者、㋒俳優/歌手/芸人です。 お金が沢山得られて、生活が安定していて、周囲から一目置かれる職業は世襲化し易いのです。医者の場合は世襲するには国家試験に合格する必要があり、努力が必要です。俳優などの場合は『親の七光り』でなっても才能が無ければ人気が出ないでしょう!

 世襲議員の場合は、ボンクラだとスキャンダルを起こしたり、問題発言をしない限りマスコミは取り上げないので、馬脚を露す事無く連続当選します。現在の自民党の慣例では、五、六回当選すると全く勉強しないボンクラが大臣になる事が出来ます。 「こんなボンクラがよく大臣になれたものだ!」と私は思いますが、大臣を経験するとマスコミは『大物の政治家』として取り扱います。

 プロの写真家が如何にも立派な人間に見える写真を撮って→ポスターを作り、ウグイス嬢が名前を連呼する現在の選挙のやり方では、有権者は「ボンクラかどうか?」判断出来ません。現状のままでは、政治家が魅力的な職業で無くなるまで、世襲議員が増え続く事になります。

【豆知識 :陳情と請願】
 日本に住んでいる人間は、国会と地方議会に「○○して欲しい!」と申し出る権利が有ります。 申し出る事を『陳情』と『請願』と呼びます。 (日本在住の外国人にもこの権利は有ります。)

❶ 陳情  :個人や民間企業の陳情権についての法律は無い様です。 地方自治法第99条の規定で、地方公共団体の議会は国会に陳情する事が出来ます。

❷ 請願 : 日本在住者の請願する権利は、憲法第16条で保障されています。 請願には議員の紹介が必要です。

日本国憲法・第16条 :何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。

【陳情の実態】
  厳密な意味での陳情と請願は、国会と地方議会に対して行うものです。陳情や請願をしても議会で審議して貰える可能性は殆ど有りません。 一々真面目に全ての陳情や請願を取り上げていたら、国会や地方議会は麻痺してしまいます。

 地方公共団体や業界団体が「○○して欲しい!」と陳情する場合は、(国会では無く)その問題を所轄する『省庁』か大臣にお願いしています。これが実際に行われている(広義の)陳情です。

【陳情制度】
 地方公共団体が国会に陳情する場合は、国会議員の紹介は必要有りませんが、省庁や大臣に広義の陳情する場合は地元出身の与党の国会議員に、事前に電話してもらうか、陳情に同席してもらうのです。 この慣例は、イギリスを始めとした欧米先進国には無い、日本独特の物では?と私は考えています。

(豆知識 :ロビー活動) アメリカでは、上院、下院、政府、州政府、地方政府さらに裁判所に自分達の主張を聞いて貰う為に『ロビー活動』を行います。 請け負ってロビー活動する人を『ロビイスト』と呼びます。ロビストは登録が必要です。 (アメリカには現在、ロビイストは3万人ほどいる様です。)

 優秀なロビストは高給が得られる様で、在籍中に顔が広かった議員が退職後にロビストになって大金を稼ぐ例も多いい様です。 一匹狼では無くて事務所を設けているケースが多々有ります。

 日本の国民の多くが、ロビー活動を嫌悪する傾向が有ります。その為にロビストの登録制度は有りません。 従って、誰でもロビストになれます。 外国政府や企業が、自分たちに有利な政策/決断を引き出そうとしたら、日本の有力政治家を味方に引き入れる必要が有ります。ロッキード事件における小佐野賢治は、ロビストだったと言えます。 ダグラス・グラマン事件の海部八郎も一種のロビストです。今世紀では、韓国の通貨危機の時に活躍した(元駐日大使の)権哲賢はロビストでした。

【利益誘導型政治】
 政治家が、地元や支援業界(又は利益団体)の利益になる様に政治活動をする事を『利益誘導型政治』と呼びます。 議員は選挙で選ばれるのですから、何処の国でも地元の票をより多く獲得する必要があり、政治家が利益誘導に走るのは自然な事です。 然し、国民全体から徴収した国税を、地元や一部の利益団体の為に使うのは、一種の犯罪です。

 支援業界、利益団体及び企業の為に走り回るのが、『族議員』です。族議員は、一種のロビストだと言えます。 現職の議員が、ロビストの様な活動を許容している事が、日本の政治を駄目にしている要因の一つだと私は思っています。

 日本の政治は『度が過ぎた利益誘導型政治』だと私は考えています。

【旧民主党が検討した内規】
 旧民主党が政権を握っていた2009年に、世襲制を制限する内規を検討しました。 「以下の①②③の全てに該当する場合は、公認しない」と言う案でした。多分、党内で反対が多くて内規化出来なかった様です。 

 政党の内規では大した効果は期待出来ませんが、この内容で法律が制定出来たらら、世襲議員は激減すると思います。 然し、世襲議員が有利だと言われる『三バン(地盤、看板、鞄)』の内、『鞄(金)』の問題を解決する事が出来ません。資金管理団体の世襲を禁止することが重要だと考えます。

① 現職議員の配偶者及び三親等内の親族であること。
② 当該議員の引退、転出に伴って連続立候補をすること。
③ 同一選挙区から立候補すること。

【世襲議員を減らす特効薬】
 ❶~➍を骨子とする、重い罰則付きの『陳情規定法』を新たに制定したら、単に世襲議員を減らせる効果だけで無く、①~⑤の効果が有り、日本は政治の面で世界に誇れる国になれると思います。

★★★ 提案の骨子 ★★★
❶ 各省庁、地方公共団体に陳情の窓口になる部署を一つだけ設ける。この部署の電話には録音装置を取り付けて、記録を保管する。 裁判所や検察から要求が有ったら、改竄する事無く提出する。

❷ 各省庁、地方公共団体に陳情面談室を設ける。カメラを設置して音声と画像を記録して、保管を義務付ける。役人が紛失したり、改竄した場合は懲戒免職だけで無く、禁固刑を課す。

➌ 陳情部署に政治家が電話したり、陳情に同行した場合は、氏名を公表して議員資格を剥奪する。 この様な事実を役人が隠蔽した場合は、❷と同様の重刑を課す。

➍ 陳情内容を公開して、国会や議会に専門の委員会を設ける。(現在の様に無視を基本とする事無く、)陳情内容を真面目に検討する。

★★★ 期待出来る効果 ★★★
① 利益誘導型の政治では無くなるので、国会議員は「国家全体をどうするか?」と言う視点で考え/行動する様になるでしょう。 現在よりも、種々勉強せざるを得なくなると思います。

② 現在は地方公共団体の陳情活動に地元選出の自民党議員の協力が不可欠になっており、首長の大半は自民党の候補者を応援しています。 陳情活動に地元選出の議員が参加しなくて良くなったら、首長が国会議員選挙に積極的に関与する必要が無くなります。 私の案は、野党にとって大きなメリットが有ります。

③ 私の案が実現すると、族議員が現在の様に利益誘導で動くと、犯罪になります。 族議員達は専門知識をより深めて、積極的に発言/行動する様になるでしょう! 例えば、防衛族議員だったら、「日本の防衛装備をどう更新すべきか?」考えて、テレビなどで発言する様になると思います。 現在は、「特定のメーカの兵器を防衛省に買ってもらう!」等、秘密裏に活動しているのでは?と想像しています。従って、現在は「貴方は族議員だ!」と言うのはタブーです。 将来は、族議員では無くて『精通議員』と呼ばれる様になるでしょう。 胸を張って、「私は防衛精通議員です!」と言って、自分をアピールする時代になります。

④ 現在、国会議員には公費が支給される三人の秘書(政策担当秘書、第一秘書、第二秘書)が付いています。 与党議員には、地方公共団体や支援業界等々からの協力依頼だけで無く、個人からの依頼も沢山有って、私設秘書を抱える必要が有ります。有力議員は沢山私設秘書を抱えていますが、秘書達は多忙な日々を送っています。その為に沢山金が必要になり→族議員になってアルバイトする事になります。

 私の案が実現すると、裏の仕事は激減して秘書は本来の仕事が出来る様になると予想します。 (マスコミの諸君へのアドバイス :与野党の国会議員が個人から依頼される内容を調査したら、面白い記事が書けますよ! バカ息子の裏口入学、就職口依頼・・・)

⑤ 私の案が実現すると、世襲政治家は少しずつ減って来るでしょう! 国会答弁を満足に出来ないボンクラ政治家は消えていくでしょう! 国会議員は国政に専念出来る様になって、『国家百年の大計』を熱く議論する様になるでしょう! 日本の政治は、大きく変化して来ると私は思います。


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