これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

日本の活性化❸ー1 :直面している政治/経済問題

2022-05-28 09:32:17 | 国際問題
【はじめに】
 最近、コロナ患者(?)が急拡大した北朝鮮で、金正恩氏が「建国以来の大動乱」と言いました。 私は、日本の政治/経済も『大動乱の状態』になっていると思います。

 日本の政治/経済の問題を列挙してみます。 解決には多額の『金』が必要な大きな問題がゴロゴロ転がっています。首相の周りに(官僚では無い)若手の優秀な人材を集めない限り、問題は解決しないと思います。

【岸田首相】
 岸田氏は、首相に就任する一ヶ月前(2021年9月)に一衆議院議員として『新しい日本型資本主義 ~新自由主義から転換』と題する文章を発表しました。(インターネットで検索してみて下さい。) 昨年末に顕在化していた問題点に対するザックとした考え方を表明しています。

 その後、ウクライナ戦争が勃発して問題が多数発生し、各問題が錯綜して複雑怪奇の状態になってしまいました。各問題の解決には兆円単位の金が必要です。 日本は戦時体制が必要な状況になってしまいました。

 岸田首相は5月5日にロンドンで「インベスト イン キシダ(Invest in Kishida)」と発言しました。「僕を信頼して日本に投資して下さい」と言いたかったのだと思います。自信過剰です! やる事をやってから言って下さい!

 麻生太郎氏は『緊縮財政』を、安倍晋三氏は『積極財政』を主張しています。政権運営の為には両派を立てる必要が有るのでしょうが、『大動乱の状態』を乗り切るためには、『積極財政』が不可欠だと考えます。国家と民間企業が一体となって、日本を再生する必要が有ります。

 来日したバイデン大統領と、日本が国連の常任理事国になる件について話し合った様です。私の持論は、「常任理事国の拒否権を廃止すべき!」です。常任理事国が拒否権を持たなかったら、国連は正常に機能すると思います。

・・・ 岸田政権の実績 ・・・
★ こども家庭庁の創設 :準備中で、2023年4月発足予定
★ 経済安全保障推進法 :5月成立 

【課題❶ :従来からの問題】
 最近、あまりマスコミが取り上げませんが、安倍政権時代から放置されてる問題が多数有ります。

★ マイナンバーカードの普及
★ 女性活躍社会
★ 少子化問題
★ 高齢者の増加→→福祉関連費の増加
★ 大和堆での違法操業問題
★ 皇室の継承問題

【課題❷ :ウイズコロナ】
 新型コロナは変化して感染力は高くなりましたが、重症化の恐れは低下しました。インフルエンザとほぼ同程度の疾患として、私たちは新型コロナと付き合える状況になったと思います。 経済活動に関する規制を全面的に撤廃して、経済活動を2019年の状態に早急に戻しましょう!

【課題❸ :米中貿易戦争】
 2016年頃から問題になり始めた米中貿易不均衡問題は、アメリカの考え方がドンドン・エスカレーションして現在は『米中貿易戦争』と呼ばれる状況になっています。(現在は貿易不均衡が問題では無く、中国の経済発展を阻止する事が目的の様に見えます。)

 2016年以降のアメリカの経常収支の推移を下に整理しました。赤字額が年々増加しています。ドルが世界の基軸通貨で無かったら、アメリカは破産国と呼ばれても可笑しく無い状況です。

① クワッド(日米豪印戦略対話:Quadrilateral Security Dialogue) :対中国政策の一環として、日米豪印の四カ国が参加する「外交・安全保障の協力体制」です。
② インド太平洋経済枠組み(IPEF) :13ヵ国が参加して経済発展に取り組む組織です。

(補足説明) クワッドとIPEFは、インドを中国に近づけ無いための協力体制です。インドは、非常に特殊な国です。 中国とパキスタンと国境問題を抱えています。ロシアは、(互いの通貨を使用する事を認めて)インドに多量の兵器を売って来ました。インドとロシアは親密な関係に有ると見るべきです。従って、クワッドとIPEFの会合で、ロシアを批判すると、インドが脱退する恐れが有ります。

 インドは、昔から欧米諸国の言いなりにはならない、独自の外交をして来ました。安倍政権の時は、インドの考え方/主張を理解した外交を進めて来ました。今回、クワッドとIPEFが出来たのは、「安倍氏の粘り強い努力の成果だったのでは?!」と私は見ています。

 インドは、昔から科学技術の大学教育に力を入れて来ました。優秀な学者や技術者を沢山輩出して来ましたが、(インド国内に製造企業が育っていない為)その多くは欧米諸国で活躍しています。(1972年・技術提携していたノールウェーの企業に優秀なインド人がいました。)

・・・ アメリカの経常収支の推移 ・・・
★ 22年≒―8,780億ドル  (中国≒2,130億ドル、日本≒1,170億ドル)・・・IMFの予想値
★ 21年≒―8,070億ドル (中国≒3,170億ドル、日本≒1,420億ドル)
★ 20年≒―6,160億ドル (中国≒2,490億ドル、日本≒1,490億ドル)
★ 19年≒―4,720億ドル (中国≒1,030億ドル、日本≒1,760億ドル)
★ 18年≒―4,380億ドル (中国≒ 240億ドル、日本≒1,780億ドル)
★ 17年≒―3,620億ドル (中国≒1,890億ドル、日本≒2,040億ドル)
★ 16年≒―3,980億ドル (中国≒1,910億ドル、日本≒1,980億ドル)
★ 15年≒―4,090億ドル (中国≒2,930億ドル、日本≒1,360億ドル)
出典 :世界経済のネタ帳「アメリカの経常収支の推移」

【課題❹ :原子力発電所】
 アメリカを除いた先進諸国では、「原油と天然ガスの価格高騰と入手が難しくなった」と言う難題に直面しています。差し当たっての問題は、電力不足が懸念されることです。 昨日(5月27日)政府は、「今年の冬季、大企業に罰則付きの『電気使用制限』を発令する事を検討する」と発表しました。

 日本には定期検査中で休止している原子力発電所が多数有ります。安全性審査を早急に進めて、再稼働させるべきです。

エレクトリカル・ジャパン(国立情報学研究所・北本朝展教授) :「リアルタイム電力使用状況」をインターネット上に無料で公開しています。各電力会社毎に、電力使用量と供給能力が表示されています。 「供給能力に休止中の原子力発電所の定格出力が含まれていない」と仮定して考えてみました。

 私が住んでいる関西電力の今日の発電能力は「14,840MW=1,484万kW」です。関西電力の休止中の原子力発電所の定格出力の合計は「452.8万kW」です。 1,484万kW+452.8万kW=1,936.8万kW 休止中の原子力発電所の一部を再稼働させたら冬季の需要を賄えると思います。

運転中の原子力発電所 :関西・大飯3号=118万kW、高浜4号=87万kW、四国・伊方3号=89万kW、九州・川内1号=89万kW  ・・・(出典=原子力規制委員会の2022年5月27日の資料)

・・・ 現在定期検査中の原子力発電所 ・・・
★ 北海道 :泊1号=57.9万kW、2号=57.9万kW、3号=91.2万kW
★ 東北  :東通1号=110万kW、女川2号=82.5万kW、女川3号=82.5万kW
★ 東京  :柏崎1号=110万kW、2号=110万kW、3号=110万kW、4号=110万kW、5号=110万kW、6号=135.6万kW、7号=135.6万kW
★ 日本原子力 :東海第二=110万kW、敦賀2号=116万kW
★ 中部  :浜岡3号=110万kW、4号=113.7万kW、5号=138万kW
★ 北陸  :志賀1号=54万kW、2号=135.8万kW
★ 関西  :美浜3号=82.6万kW、大飯4号=118万kW、高浜1号=82.6万kW、高浜2号=82.6万kW、高浜3号=87万kW
★ 中国  :島根2号=82万kW
★ 九州  :玄海3号=118万kW、4号=118万kW、川内2号=89万kW

【課題❺ :2024年の物流問題】
 『働き方改革』の一環として、2024年4月以降、自動車のドライバーの年間残業時間を960時間以内にする事が義務化されます。 遠距離トラックの運転手一人が一日に運転出来る距離が、250km程になる様です。

 ドライバー不足、輸送費のアップ、・・・等々の問題が発生しそうです。 「最大で10兆円を超える経済損失が発生する」と言う予想が有ります。

(余談 :ドライバーの給与) 私が管理している賃貸マンションに70歳過ぎの女性が一人で住んでいます。国民年金しかなく、(7万円ほどの)家賃は遠距離トラックの運転手をしている(妻と子供がいる)息子さんが支払っている様です。去年(21年)は遠距離トラックの仕事が減ったので、家賃は遅れ気味でした。「24年には家賃が払えなくなるのでは?」と心配しています。

 息子さんは月に一、二度、レジ袋に土産を入れて様子を見に来ます。「感心な息子さんですね」と言ったら、「苦労して育てたんだから、当り前よ!」と言いました。

【課題❻ :燃料の高騰】
 原油価格は2020年4月に底値を打って、その後は急激に高騰しています。 一方、ロシアは原油(石油)の世界第2位、天然ガスの第1位の輸出国です。日本を含む欧米諸国はロシアからの輸入を制限しようとしています。 一方、中国とインドは、最近・ロシアから原油を多量に輸入しています。「ロシアのウクライナへの侵攻を支援する行為のため、許し難い」と私は思います。

 西欧諸国は、ロシア以外の産油国からの輸入を拡大する必要が有りますから、当分の間・燃料価格は更に上昇すると予想されます。

★ WTI原油価格の推移 :2020年4月≒16.5$/バレル→→21年4月≒61.7$/バレル→→22年3月≒108.5$/バレル  2020年4月の原油価格は、コロナの影響などで、投げ売り状態だった(異常に低かった)ので参考にするには問題が有ります。

(豆知識 :WTI) WTIは「ウェスト・テキサス・インターミディエイト」の略称です。テキサス州とメキシコの一部で産出される原油のことです。硫黄分が少ないので、ガソリンや石油製品の製造に適しています。産出量は非常に少ない(世界で産出される原油の1%~2%しか無い)のですが、産出量の100倍も取引される不思議な原油です。

 若い人達は知らないと思いますが、1990年代から黒豚の価格が高騰し、店頭で販売される量が生産量の2倍以上にも達しました。要するに白豚を黒豚と誤魔化したのです。WTIの場合は、他の油田の原油をブレンドなどして、硫黄含有量をWTIと同等に調節したら、WTIと認められます。

(豆知識 :バレル) 1石油バレル(barrel)≒159リットル。 バレルは樽のことです。 アメリカとイギリスでは、ビールやウイスキーなどで『液バレルと』言う単位を使いますが、石油バレルとは大幅に異なります。

【課題❼ :穀物の高騰】
 世界の穀物価格は2020年以来、急激に上昇しています。もはや、企業努力で吸収できる状況では有りません。パン、麺類や菓子類の値上げが避けられいと予想します。

 家畜の飼料も高騰しますから、牛肉、豚肉、鶏肉が値上がりするでしょう!玉子も同様かも知れません。

 ロシアとウクライナは穀物輸出国です。 米国農務省が3月に公表したデータによると、ロシアとウクライナが20/21年度に輸出した量は、(世界全体の)小麦≒30%、トウモロコシ≒20%でした。日本は両国から穀物は殆ど輸入していませんが、戦争が長期化して両国からの輸出が減少すれば、世界の穀物価格は更に高騰して、日本の輸入価格も高騰すると思われます。

★ 小麦価格の推移 :2020年4月≒219$/トン(100%)→→21年4月≒281$/トン(128%)→→22年4月≒495$/トン(227%)

★ トウモロコシ価格の推移 :2020年4月≒147$/トン(100%)→→21年4月≒281$/トン(191%)→→22年4月≒348$/トン(237%)

出典 :世界経済のネタ帳『穀物価格の推移』


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