これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

ウクライナの問題と橋下徹氏の主張

2022-03-19 09:25:44 | 国際問題
【はじめに】
 私はウクライナ問題について、2月26日に『ウクライナへの侵攻』、3月12日に『ロシアを常任理事国から外しましょう!』、2回投稿しました。

 外国で日本の有名人(橋下徹氏)が、「人命が最優先だから、ウクライナはロシアに妥協して戦闘を停止すべきである!」と言う様な発言をしたと報道していました。 私は橋下氏の主張に違和感を感じたので、どこが私の考えと違うのか?ジックリ考えて見ました。

【ウクライナの基本データ】
 大昔のウクライナは現在よりも広い地域を支配していましたが、西側がポーランドに編入され、現在のウクライナは昔・ロシア帝国の一部になりました。ロシア革命後に1917年~20年・短期間独立国家でした。 その後、ソビエト連邦に吸収され、ソビエト連邦が崩壊した91年に独立しました。

 ソビエト連邦時代には農業が盛んで、工業地帯でもあり、ソビエトにとっては重要な地域だったと思います。

① 1917年 :独立→→ウクライナ人民共和国
② 1920年 :人民共和国政府が亡命して→→ソビエト連邦に併合された。
③ 1991年 :ソビエト連邦が崩壊→→ウクライナが独立

★ 人口 :4,373万人 (ロシア人≒17.3%)
★ 面積 :60.4万km2・・・日本の1.6倍
★ 一人当たりのGDP(MER)(2020年) :3,741USドル・・・日本≒40,089USドル
★ 一人当たりのGDP(PPP)(2020年) :13,128USドル・・・日本≒42,212USドル
★ 国境を接する国:ロシア、ベラルーシ、ポーランド(NATO)、スロバキア、ハンガリー(NATO)、ルーマニア(NATO)、モルドバ

【プーチン氏の要求】
 現時点で、プーチン氏がウクライナに要求している内容は以下の❶~➍の4点です。

 私は、4項目全てを認め無かったらプーチン氏は侵攻を終了させない腹積だと想像します。 4項目全てを認めても、ゼレンスキー政権の存続は認めない→→傀儡政権を樹立すると見ています。 そして、民主的な選挙による国会議員の選出も認めないでしょう! これは、ウクライナの植民地化です。

 更に要求をエスカレートさせて、ウクライナ全体をロシアが併合する恐れも有ります。

・・・ プーチン氏の要求 ・・・
❶ ウクライナの非武装化
❷ 北大西洋条約機構(NATO)に参加しては駄目だ!
❸ クリミア半島の併合を認めろ!
❹ ウクライナの東部の2州を独立国家として認めろ!

【堀江貴文氏】
 2011年に堀江貴文氏が、「戦争するくらいなら、尖閣をあげちゃえば!」と発言して、バッシングされました。 尖閣諸島は現在無人になっており、堀江氏の考えに賛同された方がいたのでは?と思います。 然し、中国は「かって朝貢していた国は、中国の領土だ!」と主張しているので、尖閣を簡単に渡したら、「沖縄をよこせ!」と要求してくる恐れが有ります。

 プーチン氏は「4,373万人も住んでいる国全体をよこせ!」と主張しているのです。 堀江氏は多分、中国が日本全体を要求したら「戦争するくらいなら、あげちゃえば!」とは言わないと思います。

【橋下徹氏の主張に対する反論】
 橋下徹氏は、「人命が大切だから、ロシアと交渉して、妥協点を見付けて、ウクライナ人は停戦すべきである!」と連日のように主張しています。見方によっては、「今回の問題はウクライナ側に責任が有る」と主張されている様に思えます。 私は、プーチン氏のエゴで起こした戦争だから、橋下氏はプーチン氏に対して、「人命が大切だから、ウクライナと交渉して、妥協点を見付けて、停戦すべきである!」と言うべきだと思います。

 橋下氏を支持する方は多いい様なので、「ウクライナに関する発言にも賛同されているのでは?」と想像します。 然し、橋下氏は前述のプーチン氏の不埒千万な要求については言及されません。橋下氏の主張は、プーチン氏の要求が常識的な内容で有る時のみ受け入れる事が出来ます。

 前述の❸と❹の要求だけならウクライナは呑めるかも知れません。然し、莫大な戦費を使って、それだけしか成果が得られ無かった時、プーチン政権が存続出来ると思われますか?

 ソビエトのアフガニスタン侵攻の時の様に戦争が膠着状態になったら、❸と➍の要求だけでプーチン氏が矛を収める可能性が有ります。 然し、そんな状況になりそうになったらプーチン氏は化学兵器や生物兵器を使用して、ウクライナ人の多量虐殺を行う恐れが有ります。 数十万人の市民が虐殺されたら、NATO諸国は軍事行動に出ざるを得ないと予想します。→→第三次世界大戦になる恐れが有ります。

 プーチン氏が核兵器の使用を仄めかせているのは、NATO諸国の軍事介入を防ぐ為の牽制球だと思われますが、膠着状態が続いたらキエフ等に小型の核爆弾を打ち込む可能性が有ります。→→NATOが軍事行動を起こして、→→第三次世界大戦に突入するかも知れません。

 ❷のNATOに参加しないと言う要求については、ウクライナが今・約束しても、ウクライナが軍隊を持った民主主義国家のままだったら、「永遠にウクライナが約束を守る」とプーチン氏は考えないでしょう。 ❷は❶とセットの要求なんだと思います。

 ❶の武装解除の要求は、「ウクライナが軍隊を解散したら、ロシア軍を撤退させる」と言っているのでは無いと思われます。 武装解除したゼレンスキー政権を存続させて、ウクライナが民主主義国家のままで、外交権を維持したら、将来・ロシアの覇権主義に異を唱える可能性が有ります。

 要するに、❶の「武装解除をしろ!」と言う要求は「ウクライナにロシアの傀儡政権を樹立する」と主張しているのです。 「無条件降伏しろ!」と言っているのと同じです。

【橋下氏の別の主張】
 橋下氏は、NATOがウクライナに「NATOに参加しませんか!」と誘った事が、事の始まりだから、「NATOはプーチン氏に譲歩して戦闘を終わらせるべきである!」と言う様な主張をされています。

 A家に息子(AA君)がいて、B家に眉目秀麗なお嬢さん(BBさん)がいて、BBさんに片思いしているストーカーのCC君がいたとします。AA君がBBさんにプロポーズしました。 それを聞いたCC君が自動小銃を持ってB家に乗り込み「俺の言う事を聞け!」と脅しています。

 第三者のH氏が割り込んできてA家の主人(A氏)に、「お前の息子がBBさんにプロポーズなんかするから、CC君が怒ったのだ! 責任を取って仲裁しろ!」と言いました。 H氏は、A氏に「息子AAには諦めさせて、一億円あげるから銃を収めてくれ!」と言わせようとしているのか? A氏をB家に行かせて「殺されるよりはマシだから、CC君の言う様にすべきだ!」とでも言わせるつもりでしょうか?!

【他山の火事では有りません!】
 岸田政権は欧米諸国に追随して、ロシアに対する経済制裁を行っています。 従って、日本はロシアの敵国の仲間になったのです。 ロシアとの貿易が難しい状態になりますから、不況下でのインフレ(スタグフレーション)になる恐れが有ります。 早急に、『しっかり』対策を練って実行する必要が有ります。

 プーチン氏が化学兵器や生物兵器を使用して多量虐殺をしたら、第三次世界大戦になる恐れが有ります。→→プーチン氏が日本に先制攻撃してくるかも知れません。 「岸田政権が対応出来るのか?」私は心配しています。

【橋下氏は弁護士です!】
 プーチン氏は、非合法な事をやってでも目的を達成する様に、厳しい訓練を受けた元KGBのスパイです。 国際ルールや人道主義なんか全く気にしない冷血漢だと見るべきです。

 橋下氏は、犯罪者の味方になって、理屈をこねまわして無罪を獲得したり、刑を軽減したりする事を生業にしています。 (今回は多分ボランティアで)プーチン氏の立場に立って発言しているのだと思われます。 偏見と言われるかも知れませんが、「この犯罪者は極悪人だから、無罪になったら、また重罪を犯すだろう!」、「もっと酷い事をするだろう」と気付いても弁護を止める分けにはいかないのが弁護士と言う職業です。

 日本は言論の自由の国ですから、橋下氏が自説を主張しても良いと思います。 然し、彼は大阪府知事と大阪市長を務めた有名人です。 テレビ等で彼が度々発言すると、日本人の多くが彼と同じ考え方だと誤解されそうなのが心配です。 私は断じて彼の考え方を支持しません!

 ウクライナの多くの国民が、生命の危険を恐れずに、ロシア軍に抵抗されている事に敬意を表します。

【停戦交渉】
 今週に入って、ウクライナとロシアが、以下の様な条件で停戦交渉しているとの報道が有りました。 ロシアは既に数兆円規模の戦費を使っていると予想している専門家がいます。 こんなに莫大な金を使ってしまったのに、得られた戦果が『ウクライナの非武装化』だけで、プーチン氏が満足するとは思えません。

 ウクライナと西側諸国にとっては、この条件で停戦出来れば『万々歳』です。 戦後の日本の様に軍隊を持たなかったら、軍事費が必要無いので、ウクライナはその費用を破壊されたインフラの復旧と経済発展に活用出来ます。アメリカとイギリスがウクライナを守るので有れば、西側諸国とその企業はウクライナを支援し/投資するので、短期間にウクライナは復興し→→発展すると予想します。

 この条件で停戦したら、プーチン政権が維持できるか?甚だ疑問です。 プーチン政権が存続出来たとしても、(私が恐れている)バルト三国への侵攻をロシア国民は許さない→→世界は少し平和になるでしょう! ウクライナが短期間で復興し、経済発展を始めたら、今回・プーチン氏に加担したベラルーシ共和国が西側諸国に接近してくるかも知れません。

 一方、「ロシアがいかに非道な国であるか!」を世界に知られてしまったので、西側諸国の企業からの投資は、戦争が終わっても激減すると予想します。 ロシアは中国ベッタリにならざるを得ません。 中国にしか頼れない国に対する、中国のやり方は(北朝鮮でやっている様に)「生かさず殺さず」です。 ロシアは、経済安全保障を中国に握られてしまいます。

漏れ聞こえてきた停戦条件 :ウクライナが軍隊を解散する(非武装化する)、その代わりウクライナの安全保障はアメリカとイギリスが保障する。

【余談 :ロシア人の領土拡大願望】
 ロシアは、ツアリーの時代から領土拡大主義を進めてきました。17世紀後半までに、ロシアは東方に進出して中国(清国)と国境を接するまでになっていました。1689年にピヨトル1世と康熙帝の間で国境を画定する条約(ネルチンスク条約)を締結しましたが、ロシアはその後も少しずつ東方に進出し、清国から樺太やカムチャッカ半島まで奪い取りました。 朝鮮半島も奪おうとし始めたので、日露戦争(1904年~05年)になったのです。

 ロシアは、18世紀ころから温暖な南方方面への領土拡大政策(南下政策)を少しずつ/根気よく続けました。 ロシア帝国の領土は寒冷地でしたから、ロシア人達は国境を越えて、より良い土地に移住しました。ロシア人が定着すると、ロシア帝国がその土地を「我が領土である」と奪っていったのです。→→バルカン半島や中央ウアジアに進出しました。

 領土拡大願望はソビエト連邦になっても持ち続け、→→第二次世界大戦で日本が降伏した後に攻めてきて、北方四島を奪いました。

 1991年にソビエト連邦は崩壊しましたが、ロシア人の多くは今でも領土拡大願望を持ち続けているのだと思います。ソビエト連邦崩壊時に独立した国は、ロシア連邦が「取り戻すべきだ!」と考えている様に思います。 (ロシア国民の多くは、過去三、四百年間も領土拡大願望を持ち続けているのです。)

 高等教育を受けて西側諸国からの情報に接することの出来る若者達が、プーチン氏の覇権主義を批判しているかも知れませんが、ロシアの大半の国民はプーチン氏の考え方を支持していると見るべきです。

 日本は、敗戦で生活に困窮し、日本国憲法を押し付けられたので、「覇権主義は悪だ!」、「民主主義は善だ!」と考える国民が少しずつ、長い年月を掛けて増えてきました。 ウクライナへの侵攻でロシア国民が痛い目に合わないと、覇権主義を捨てて、民主主義的な考え方を持つ様にはならないでしょう!


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