鳥とパイプと日本酒のおっさんメモ

おっさんの日々の散歩における鳥たちの写真と、好きなパイプタバコの感想
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G. L. Pease - Laurel Heights (Fog City Selection)

2021年09月27日 | パイプタバコ
2021年 9月

今回は G. L. Pease - Laurel Heights(ローレルハイツ) (Fog City Selection)

サンフランシスコシリーズとも言えるこのFog City Selection ですが 今回で6ブレンド目のレビューとなります
このシリーズの名所を埋め込んだ地図

何度も登場してくるこの地図になりますが サンフランシスコの北西に位置するこの地区は
サンフランシスコのアッパーミドル層の住宅があるところになり
サンフランシスコ大学もあってサンフランシスコの閑静な住宅街というところでしょうか
観光案内を見ても ゴールデンゲートやアルカトラズ島のツアーがある程度で 観光としてはほかの地域と
比べてもさして目を見張るものはありません 
ただ大学のキャンパスやメディカルセンターなどがありますので Greg Pease さんはそういった
閑静なイメージをもってこのブレンドを作ったのかと思われます


このシリーズはよくよく見てみると バージニアに特化したブレンドが多いようです
GLPの Fog City Selectionについて気づいたこと(今更ですが…)

ストレートバージニアあり VaPer Oriental VaBur Balkan と種類はまちまちですが 
どのブレンドもバージニアが幅を利かせる バージニアの美味さを味わうがためのブレンドになっているようです バルカンにしてもバージニアの存在は目立ちます
当ブレンドにしてもラタキアが入ってはいますが 喫ってみた感じではその存在は微妙であり
この私もラタキア自体の存在ははっきりと感知できず 結果的に入っているのだと感じる程度のブレンドとなっております


Greg Pease さんはこのシリーズで温めていたバージニアの可能性を探ったのだと思われます…

2006年の3月のリリースとなりますが このようなことが書かれております
Rich, ripe, red leaf forms the base of this wonderful Virginia blend. The flavors are deep and round, with a smooth, natural sweetness, and subtle notes of orange peel, roasted oats, leather and peat. The smoke develops richness as it progresses, delivering a long, clean finish, that is never cloying or syrupy, with hints of malt and grapefruit. For lovers of darker, natural, unstoved Virginias.

レッドバージニアが中心のブレンドになりますが
オレンジの皮の風味と 焼いた小麦  そして 皮革とピートの風味があるように書かれており
最後には麦芽とグレープフルーツの香りがすると書かれております

オレンジの皮の部分と書かれた味わいはわかりますし 焼いた小麦というかクッキーのような
香ばしいクルミのような風味もしっかり感じますが
レザーとピートの香りは(多分ラタキアがらみの風味だと思われます)あまりはっきりはしません
そして麦芽(ビールのような味)はおそらくあるのだと思うのですが グレープフルーツはよくわからない風味になります
しかし何度も味わううちに 中盤過ぎからラタキアによるレザーとピートの風味を感じるようになり
最後に喫い終えた時には少し軽い苦みのあるまさにビールを飲み終えた後のような感じがしますので
この記述が的を得ていることを感じましたね

しかし上記の記述で一番気になったのは最後の
darker, natural, unstoved Virginias の部分になります

その前にこのブレンドを見てみると
 


ややブラウンに傾いた小さ目のリボンカットが出てきますが
思いのほかサラッとした感じの出来上がりとなっており 火付きもとても良いです
葉組の方は
Latakia, Virginia ということになりますが
ラタキアはほとんど感じません



何故にこの部分の記述が気になるかと言えば
当初のこのブレンドのバージニアの印象からになります
GH のバージニアとは違って 甘さは強いのだけれど軽いというか厚みがないように感じました
やたら喫いやすいのですが少し物足らなさを感じたものです

しかし 何度も喫ううちにこのブレンドの良さがわかりよく手が伸びる実に美味いブレンドであること
を感じるようになりましたね
あまり知られていませんがこのブレンドは常喫にはもってこいのなかなかのブレンドでした
(もちろんこのおっさんの私的感想になります)

その原因というか このブレンドの構成を考えるに
上記の記述が大きく関与しているのかと考えた次第になります


darker, natural, unstoved Virginias というのが問題になります

収穫したバージニアを乾燥させるには以下の方法があります
① flue cured(熱風乾燥)
② air cured(自然乾燥)
③ sun cured(天日乾燥)
④ dark fire cured(火力乾燥)


①は管を張り巡らしスチームをそこに通して 30~60℃の熱風で乾燥させるやり方で
一般的にはバージニアはこのやり方で乾燥させます GH の基本バージニアもみなこのやり方になります

②は倉庫の中に熱源を作り その温度で対流を起こして乾燥させます いわゆる自然乾燥で空気の温度はあまり高くなくバーレィなどがこのやり方で乾燥させられます

③はいわゆるヘイタイプの乾燥法でタバコを外に吊るして日光で乾燥させます

④はラタキアやケンタッキーなどのように 小さな灯部屋で木をくべその熱と煙で乾燥させるやり方になりますが 真っ黒くなり燻製臭も残ります



④は特徴的であり 味わいも随分と変わりますが

①にかんしては厚みのあるバージニアの甘さが出て本来のバージニアの美味さを引き出すようです
このやり方が いわゆる stoved Virginia ということ
なので記述にある darker, natural, unstoved Virginias というのはこのバージニアではないと考えました

記述の様に当ブレンドのバージニアは
②と③のバージニアが考えられますがおそらく色合いからして②がほとんどなのかと思います
味わい的には ①と③の中間の特徴になるかと思われ 鋭い透き通った甘さは存分にありますが
甘さには厚みがなく それよりもグラスの風味を残しているような感じでしょうか
私は当ブレンドにバーレィのような野草の風味を少し感じましたが それが自然乾燥されたバージニアの 香りのあるグラスの風味を残した味わいになるかと思いましたしそれがバーレィの野趣あふれる風味を少し感じさせたのだと思います



そんなで
感想 

当初は腰の軽い頼りなさを感じたこのブレンドですが
何度も喫い進むうちにその本来の良さを感じ実に美味い実に喫いやすいブレンドであることを知ります
厚みはないのだけれど甘さは強く感じられ 熟成したグリーングラスのようなイヤミのない風味と
クルミのようなあるいは小麦を焼いたような香ばしさが実に心地良いブレンドでした
常喫にはもってこいのブレンドかと思います




点火とともに立ち上がるのは
抜けるようなバージニアの甘さになります
まるで甘味料でも入っているのではないかと思うほどにあからさまなその甘みですが
砂糖のようなその甘さは鋭さはあるのだけれど線が細く実にカラッとしています
これがこのバージニアの特徴であり 自然乾燥 あるいは天日乾燥されたバージニアの特徴かと思います

オレンジの皮と書かれている味わいも感じるような甘さになりますが
オレンジというよりも干しブドウのようなそういった風味があるようです いい味わいです

パフると香ばしさのある小麦を焼いたような 私はクルミのようなナッティさを感じるのですが
この感覚は質の良いバーレィに感じるそれと似ていますね

同時にグラスというかグリーングラスの野草のような風味も感じるのですが
熟成の進んでいないグラスの青臭さとは違って もっとよく熟成された野草の風味を感じます
この点でもバーレィに似た風味と言えますが バーレィと比べもっとクリーミィでありなめらかな喫煙になりますので格上と言えるかもしれません
この部分の味わいも当ブレンドの特徴になりそれがバージニアの乾燥の違いによるものかと考えました

素晴らしい喫煙が進んでゆきますが中盤過ぎから少し別の味わいがやって来ます
それがおそらくラタキアによるものかと思うのですが
それまでどこにいるのかバージニアの甘さに隠れてよくわからなかったラタキアですが
軽くて甘いバージニアだけで終わってしまいそうなこのブレンドの喫い味に落ち着きとスパイス
そして軽い酸味を伴う味の濃さを与えるようです
ようやくここでラタキアの存在を知ることになるのですがいたってそれは軽い風味になります

質の良い濁りのない甘さのカラっとして爽やかな喫煙は進んでゆくのですが
最終盤に来て少しだけ苦みを伴う味わいが来るようです
この味わいがmalt(麦芽)のようなと表現されたビールを飲み終えた後の苦みになります

う~ん 美味いですねこのブレンドは
バージニア自体にコクはないのだけれど 強く感じる甘さとカラッとした喫い味が
ナッツと野草の風味と混じり合ってラタキアが味を〆ます
次の一杯を誘うようなブレンドかと思います


バージニア自体のコクはありませんが
甘さも強く雑なところもなくよく出来たブレンドだと思います
気軽に喫える 何度喫っても飽きないブレンドかと思いました

このシリーズの中で このブレンドもまたそういった意味で素晴らしいブレンドかと思いました
ワンランク上のバーレィ感覚で喫えるブレンドかと思います
この手のバージニアブレンドではお勧めの一品ですね


それでは また

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