高橋まゆみ・創作人形「まゆみの気まぐれ日記」

農道をかっぽして歩く笑顔のおじいちゃん。姿が見えなくなるまで手を振るおばあちゃん。やさしさはいつもそばにいた。

2006-07-18 09:17:04 | まゆみのつぶやき室
15日二度目の水戸の人形展に出向いた。友部駅で降り、イオンジャスコ店にタクシーで向かう。どういう訳かいつもパンチパーマの恐持て系である。しかし声かけようかと迷う前から、運転士さんの茨城弁が始まる。
語尾を流すようなあの独特の話し方。
「どうして、パンチパーマなの?」「楽なんだぁ~・・・」
思わず、見かけと裏腹な言葉のト~ンに顔も緩んでしまう。
そうこうしている間に、あのでかいイオンに着いた。
今回は、連休と言う事もあり旦那が車で迎えに来てくれたのだが、やはり管内で迷子になったらしい。
サイン会ではたくさんの行列ができた。へたくそな私の文字でも人形を見た余韻を抱え、大事そうに作品集を差し出す。
作品集は本物の人形を振り返る思い出記録なんだろうと私は思う。

そんな思い出記録的な役目を果たす作品集について、少し書いて見よう。
私の初版本は「まなざし」と言う本であるが、作っても売ってしまう人形達を何かで残したい。証が欲しい・・・そんな想いで、たまたま新聞広告で目に止まった新風舎の「出す気があれば、相談にのります」みたいな言葉であった。
電話で逢う約束をした。
その時、たまたま地元でやっていた作品展で見てもらうのがいいだろうと、その会場に出版社の方と出向き話し合いをした。
写真集というのはそんなに売れる本ではない。本屋に行っても棚のどこかに一冊あればありがたいくらいだ。彼女は言った。「共同出版と言う形で2000部創りましょう。1000部を本人の買取り、1000部は会社で・・・」と言う事である。
へそくりを全て叩いての決心をした。
写真は今まで撮ったものの中から好きなものを選んだ。その中には自分で撮った物もある。構成や言葉も自分なりに関わって2001年9月  証が出来た。
前に書いたブログの「畑田さん」の中で、まず自分の作品を知ってもらうための資料的な役割をこの「まなざし」はしてくれたのだ。子供で言えば初子。だからかわいい。そして全国展を皮切りに図録ができた。1000円という価格と気軽さは病院のお見舞いに・・・また出向けない人のお土産にと喜ばれている。
そして、2005年6月永久保存版にして欲しい「草の道」講談社ができた。

今「本」を出したいと思っている人はたくさんいると思う。
ありがたいことに私は3冊の写真集を出させていただいたが、今の時代、雲の上の物では無いと思っている。
どんな手段でも、形に残す事は可能だ。
そして、それをするか、しないかは自分次第。

水戸で、ある方に新聞に投稿した物をまとめました・・・と一冊の本をいただいた。初めて逢った人なのに、その人の深い想いを知り、生き様を見せていただいた気がする。人を知るのは一生かかる。でも本というのは凝縮されていて、本当にその人自身の証であると私は思う。