Sankei Expressの平成24年3月25日付の記事「消費増税迷走で国債急落戦々恐々」は次のように始まっています。
国内の銀行が日本国債の値下がりリスクへの警戒感を強めている。景気低迷で貸出が伸びず、余剰資金で国債保有を増やし続けてきたが、ギ
リシャよりもひどい日本の財政悪化を受け、いつ急落するか分からないためだ。財政再建に不可欠な消費税率の引き上げが迷走していること
も不安に拍車をかけている。日銀は国債急落で長期金利が2%上昇した場合、国内銀行に約12兆8000億円の損失が発生すると試算。大手銀行は、“Xデー”に備えた「危機管理マニュアル」の策定に乗り出した。
こんな面白くもない記事を取り上げたのには、それなりの理由があります。
いま、民主党内では、社会保障・税一体改革合同会議で、党本部側と増税反対派との間で、連日連夜喧々囂々(けんけんごうごう)の議論が続けられています。議論の焦点は、景気弾力条項(いわゆるトリガー18条)に具体的な数値を盛り込むかどうかです。本部が、「経済状況の好転」という文言を織り込むことで決着をつけようとしているのに対して、反対派は「名目3%のGDP成長率」という具体的な数値を盛り込むことを断固として要求しているのです。本部側は、それでは消費税増税ができないではないかとその要求をはねつけている模様です。(おかしな反論ですね)
どうして私がそんなに詳しいのかといえば、昨年の民主党代表選に出馬して得票数が最低だった馬淵澄夫の最近のツイートをフォローしているからです。彼は、会議の模様の要点を逐次ツイートしてくれるのです。彼は、宮崎岳氏や金子洋一などとともに反増税派の理論的支柱なのです。小沢一郎がゴネて党本部を困らせているなどという大手メディアの報道は、国民を増税に誘導しようとするミス・リードの一貫に他ならないのですね。少なくとも、事の一面にすぎないのです。
当ブログでの最初の投稿で申し上げた通り、私は先の総選挙で民主党に投票しました。そうして、そのことを心の底から悔いています。感情的に言えば、民主党を毛嫌いしてもいます。しかし、だからといって、民主党員すべてを否定しようとは思いません。端的にいえば、自民党の谷垣総裁に比べれば、馬淵議員は、数段高い見識の持ち主であると思います。民主党=民主党員全員=売国奴などとオダを上げるのは、そういう事実を粗雑に塗りつぶしてしまう愚かな振る舞いであると私は思っています。そういう振る舞いこそ、私から言わせれば、最も悪質な売国奴であります。マルクスの「無知が栄えたためしはない」という文言は不滅であるとも思います。
というのは、こういうわけです。
馬淵氏は、増税反対派としての自分たちに対する、党内でのさまざまな圧力に加えて、民主党それ自体の不人気ゆえの国民からの無理解・白眼視を肌身に感じながら党本部との熾烈なつばぜり合いに毎日臨んでいます。その原動力は何なのでしょう。ほかでもありません、それは、自分たちが党本部とのつばぜり合いに負けてしまったら日本は地獄へ落ちてしまうという深い国難の意識、言いかえれば、愛国心であります。つまり、彼らは国のために、瀬戸際で踏ん張っているのです。馬淵氏が大声でそう言わないから、かえってそのことが伝わってきます。彼は、今、孤立無援の愛国者の位置に立っているのです。
そういう手ごわい、そうして頭の良い相手に、党本部はけっこう追いつめられているはずです。そうして、財務官僚にどうしたらいいのか相談をしているはずです。安住財務大臣など、おそらく泣き言たらたらなのではないかと推察します。オレは、君たちが言ったとおりに、G20という国際的な檜舞台で消費税10%を国際公約してきたんだぜ、どうしてくれるんだい、と。(なかなかよく出来た想像でしょう)
財務官僚の手下といえば、真っ先に浮かぶのが、日銀であり、大手銀行であり、大手マスコミですね。どのような手順かは、詳らかにしませんけれど、その合作が冒頭に掲げた記事、というわけです。(「コロンボ君、キミはなかなか想像力が豊かだね」という真犯人のセリフが浮かんできました。オヤジネタですね)
まあ、私の想像の部分は、笑ってななめ読みしていただければいいのですが、冒頭の記事が、窮状にある党本部および財務省に対する援護射撃の記事であるのは、間違いないところでしょう。党内の増税反対派がゴネているせいで、銀行が大迷惑を蒙ろうとしている。国際世論も困り顔である。そんな困り者のイメージを広めることで、反対派を孤立させようとしているのですね。そう思うと、瀬戸際でふんばっている一人の強面(こわもて)の愛国者の姿がちらついてくるので、先の記事を取り上げた次第です。彼がこのままむざむざとつぶされるのを座視してはいられない、と。
で、冒頭の記事なのですが、垂れ流し記事にありがちな、いつもながらの粗雑な論理に呆れ果ててしまいます。日銀とか大手銀行とかの権威機関を出せば、国民は黙るとでも思っているのでしょうか。そういう百姓根性が腹立たしい。ひれ伏したと思われるのも癪ですから、ちょっと異論を唱えておきます。
まず、政府の直面する課題にはいろいろありますが、それらを同時には解決できません。優先順位をつける必要があります。私見によれば、記事では明記されていないデフレ不況の克服がその第一番目に来ます。それを成し遂げることができれば、そのほかの課題、すなわち、景気の低迷・投資の低迷・財政悪化・国債急落はドミノ倒し的に順次解決します。ここでは、いちいち説明しませんが、その他のどんな課題を先頭に持ってきても、残余の課題を解決するドミノ倒しは成立しません。だから、正しい優先順位をつけた場合、そこに、消費税を上げなければ国債が暴落するという話が入り込む余地はありません。
デフレ下の消費税増税は、景気の悪化を通じて結局のところ税収減を招きます。で、また増税と、悪循環をもたらすだけなのです。その結果、財政悪化は抜き差しならないところにまで立ち至ることになります。その過程のどこかで、国債に対する信認低下を招くことになり、国債は急落するに至ります。そうなれば、(特に長期ものの)国債の発行はままならないでしょう。IMFなどの国際機関のお世話になるよりほかはありません。つまり、消費税の増税こそが、国債の急落を招く亡国の道筋を作ってしまうのです。記事の主張とは真逆の結論こそが、命題として正しい、というよりほかはありません。
日銀がもっともらしく上げている数値も、デフレ不況の継続が前提となっているのにすぎません。第一、「2%上昇」という仮定そのものもいささか非現実的な気がします。損失額への言及は、長期国債10年もので1%くらいでここ10年間ほど安定的に推移しているのに、何故にそんな3倍(1%+2%)なんていう急激な上昇をあえて想定するのか、その根拠を明示してからの話です。それを明示するなんて、まあ、無理でしょう。
また、銀行が金融のプロとしてあらゆる危機を想定して粛々と「危機管理マニュアル」を作るのは当たり前のことです。それが、彼らの仕事ですから。民主党の増税反対派がゴネるので、やばいと思ってあわてて作りはじめたのだとしたら、その銀行は間抜けすぎます。Xデーだなんて言って、破れかけたヘルメットをかぶって頭を引込めている金融当局がいたら、これは悪い冗談としか思えませんね。頭の悪い記者の、これまた頭の悪い妄想としか評しようがありません。いや、そこまで金融当局は馬鹿ではないでしょう?、実のところ。
さらに、これはまともな論客が口がすっぱくなるほど言っているので、あらためて私なんぞが申し上げるのはためらわれるのですが、日本とギリシャの財政状態を比べるのはナンセンスです。日本の国債のほとんどは円建ての内国債です。それに対してギリシャの国債はすべて外国債です。だから、同様に財政状態がひっ迫してデフォルト(債務不履行)の危機をむかえたとしても、日本は最後の手段としてお札を刷ればすむのに対して、ギリシャは財政主権がないのでお札が刷れません。つまり、日本はデフォルトを十分に自力で回避できるのに対して、ギリシャにはそれができません。これだけちがうものをどうして性懲りもなく並べたがるのか、理解に苦しみます。頭が悪いとしか言いようがないではありませんか。はっきり言って記者失格ですね。人をダマすなら、もうちょっとお勉強をして、ちゃんとだませるようになりましょう。
記事はさらにIMFまで繰り出す。百姓根性とドレイ根性の極地です。
国際通貨基金(IMF)も金融システムに与える影響を問題視。金利が2.5%上昇した場合の損害額などについて、金融庁を通じて各行に報告を要請した。メガバンク幹部は「突然のことで驚いた」とし、国際金融当局の危機意識を実感させられたという。
「(条件が)一つ一つ崩れるとどうなるか、気をつける必要がある」。全国銀行協会の永易(ながやす)克(かつ)典(のり)会長(64)=三菱東京UFJ銀行頭取=も、警戒感を隠さない。
日本人は、アメリカに占領された経験を持つせいなのだろうか、IMFがこう言ったという報道に接すると、世界中がそう言ったような気分になってしまうところがある。そこを付け狙っているわけです、この記事は。自分に、権威にひれ伏す百姓根性とアメリカ=世界という、被占領期につちかわれたドレイ根性的な感性のDNAとがあるので、一般読者にもそれがあるものと当て込んでいるわけです。そういう気分を振り切って冷静に考えてみましょう。
IMFはアメリカ財務省の裏庭である、というのは周知の事実ですね。とするならば、われわれは、アメリカの意向をこそそこに読み取るべきでしょう。つまり、アメリカ財務省は、日本が消費税増税によってデフレ状況と円高とを継続し、アメリカの輸出が有利な状況を展開しつづけたがっているのではないか、と。まちがっても、IMFが国際世論を代表しているなどと思いこんでひれ伏してはなりませんね。IMFは十分にうさんくさいのです。IMFの陰にアメリカありです。また、IMFには、財務官僚が出向して、財務省の意向に添った日本向けの情報を発信していることは、つとに知られています。日本の一般国民をダマすくらいのことは、彼らにとって、赤子の手をひねるよりも簡単なことなのです。
今回はこんなところで。
国内の銀行が日本国債の値下がりリスクへの警戒感を強めている。景気低迷で貸出が伸びず、余剰資金で国債保有を増やし続けてきたが、ギ
リシャよりもひどい日本の財政悪化を受け、いつ急落するか分からないためだ。財政再建に不可欠な消費税率の引き上げが迷走していること
も不安に拍車をかけている。日銀は国債急落で長期金利が2%上昇した場合、国内銀行に約12兆8000億円の損失が発生すると試算。大手銀行は、“Xデー”に備えた「危機管理マニュアル」の策定に乗り出した。
こんな面白くもない記事を取り上げたのには、それなりの理由があります。
いま、民主党内では、社会保障・税一体改革合同会議で、党本部側と増税反対派との間で、連日連夜喧々囂々(けんけんごうごう)の議論が続けられています。議論の焦点は、景気弾力条項(いわゆるトリガー18条)に具体的な数値を盛り込むかどうかです。本部が、「経済状況の好転」という文言を織り込むことで決着をつけようとしているのに対して、反対派は「名目3%のGDP成長率」という具体的な数値を盛り込むことを断固として要求しているのです。本部側は、それでは消費税増税ができないではないかとその要求をはねつけている模様です。(おかしな反論ですね)
どうして私がそんなに詳しいのかといえば、昨年の民主党代表選に出馬して得票数が最低だった馬淵澄夫の最近のツイートをフォローしているからです。彼は、会議の模様の要点を逐次ツイートしてくれるのです。彼は、宮崎岳氏や金子洋一などとともに反増税派の理論的支柱なのです。小沢一郎がゴネて党本部を困らせているなどという大手メディアの報道は、国民を増税に誘導しようとするミス・リードの一貫に他ならないのですね。少なくとも、事の一面にすぎないのです。
当ブログでの最初の投稿で申し上げた通り、私は先の総選挙で民主党に投票しました。そうして、そのことを心の底から悔いています。感情的に言えば、民主党を毛嫌いしてもいます。しかし、だからといって、民主党員すべてを否定しようとは思いません。端的にいえば、自民党の谷垣総裁に比べれば、馬淵議員は、数段高い見識の持ち主であると思います。民主党=民主党員全員=売国奴などとオダを上げるのは、そういう事実を粗雑に塗りつぶしてしまう愚かな振る舞いであると私は思っています。そういう振る舞いこそ、私から言わせれば、最も悪質な売国奴であります。マルクスの「無知が栄えたためしはない」という文言は不滅であるとも思います。
というのは、こういうわけです。
馬淵氏は、増税反対派としての自分たちに対する、党内でのさまざまな圧力に加えて、民主党それ自体の不人気ゆえの国民からの無理解・白眼視を肌身に感じながら党本部との熾烈なつばぜり合いに毎日臨んでいます。その原動力は何なのでしょう。ほかでもありません、それは、自分たちが党本部とのつばぜり合いに負けてしまったら日本は地獄へ落ちてしまうという深い国難の意識、言いかえれば、愛国心であります。つまり、彼らは国のために、瀬戸際で踏ん張っているのです。馬淵氏が大声でそう言わないから、かえってそのことが伝わってきます。彼は、今、孤立無援の愛国者の位置に立っているのです。
そういう手ごわい、そうして頭の良い相手に、党本部はけっこう追いつめられているはずです。そうして、財務官僚にどうしたらいいのか相談をしているはずです。安住財務大臣など、おそらく泣き言たらたらなのではないかと推察します。オレは、君たちが言ったとおりに、G20という国際的な檜舞台で消費税10%を国際公約してきたんだぜ、どうしてくれるんだい、と。(なかなかよく出来た想像でしょう)
財務官僚の手下といえば、真っ先に浮かぶのが、日銀であり、大手銀行であり、大手マスコミですね。どのような手順かは、詳らかにしませんけれど、その合作が冒頭に掲げた記事、というわけです。(「コロンボ君、キミはなかなか想像力が豊かだね」という真犯人のセリフが浮かんできました。オヤジネタですね)
まあ、私の想像の部分は、笑ってななめ読みしていただければいいのですが、冒頭の記事が、窮状にある党本部および財務省に対する援護射撃の記事であるのは、間違いないところでしょう。党内の増税反対派がゴネているせいで、銀行が大迷惑を蒙ろうとしている。国際世論も困り顔である。そんな困り者のイメージを広めることで、反対派を孤立させようとしているのですね。そう思うと、瀬戸際でふんばっている一人の強面(こわもて)の愛国者の姿がちらついてくるので、先の記事を取り上げた次第です。彼がこのままむざむざとつぶされるのを座視してはいられない、と。
で、冒頭の記事なのですが、垂れ流し記事にありがちな、いつもながらの粗雑な論理に呆れ果ててしまいます。日銀とか大手銀行とかの権威機関を出せば、国民は黙るとでも思っているのでしょうか。そういう百姓根性が腹立たしい。ひれ伏したと思われるのも癪ですから、ちょっと異論を唱えておきます。
まず、政府の直面する課題にはいろいろありますが、それらを同時には解決できません。優先順位をつける必要があります。私見によれば、記事では明記されていないデフレ不況の克服がその第一番目に来ます。それを成し遂げることができれば、そのほかの課題、すなわち、景気の低迷・投資の低迷・財政悪化・国債急落はドミノ倒し的に順次解決します。ここでは、いちいち説明しませんが、その他のどんな課題を先頭に持ってきても、残余の課題を解決するドミノ倒しは成立しません。だから、正しい優先順位をつけた場合、そこに、消費税を上げなければ国債が暴落するという話が入り込む余地はありません。
デフレ下の消費税増税は、景気の悪化を通じて結局のところ税収減を招きます。で、また増税と、悪循環をもたらすだけなのです。その結果、財政悪化は抜き差しならないところにまで立ち至ることになります。その過程のどこかで、国債に対する信認低下を招くことになり、国債は急落するに至ります。そうなれば、(特に長期ものの)国債の発行はままならないでしょう。IMFなどの国際機関のお世話になるよりほかはありません。つまり、消費税の増税こそが、国債の急落を招く亡国の道筋を作ってしまうのです。記事の主張とは真逆の結論こそが、命題として正しい、というよりほかはありません。
日銀がもっともらしく上げている数値も、デフレ不況の継続が前提となっているのにすぎません。第一、「2%上昇」という仮定そのものもいささか非現実的な気がします。損失額への言及は、長期国債10年もので1%くらいでここ10年間ほど安定的に推移しているのに、何故にそんな3倍(1%+2%)なんていう急激な上昇をあえて想定するのか、その根拠を明示してからの話です。それを明示するなんて、まあ、無理でしょう。
また、銀行が金融のプロとしてあらゆる危機を想定して粛々と「危機管理マニュアル」を作るのは当たり前のことです。それが、彼らの仕事ですから。民主党の増税反対派がゴネるので、やばいと思ってあわてて作りはじめたのだとしたら、その銀行は間抜けすぎます。Xデーだなんて言って、破れかけたヘルメットをかぶって頭を引込めている金融当局がいたら、これは悪い冗談としか思えませんね。頭の悪い記者の、これまた頭の悪い妄想としか評しようがありません。いや、そこまで金融当局は馬鹿ではないでしょう?、実のところ。
さらに、これはまともな論客が口がすっぱくなるほど言っているので、あらためて私なんぞが申し上げるのはためらわれるのですが、日本とギリシャの財政状態を比べるのはナンセンスです。日本の国債のほとんどは円建ての内国債です。それに対してギリシャの国債はすべて外国債です。だから、同様に財政状態がひっ迫してデフォルト(債務不履行)の危機をむかえたとしても、日本は最後の手段としてお札を刷ればすむのに対して、ギリシャは財政主権がないのでお札が刷れません。つまり、日本はデフォルトを十分に自力で回避できるのに対して、ギリシャにはそれができません。これだけちがうものをどうして性懲りもなく並べたがるのか、理解に苦しみます。頭が悪いとしか言いようがないではありませんか。はっきり言って記者失格ですね。人をダマすなら、もうちょっとお勉強をして、ちゃんとだませるようになりましょう。
記事はさらにIMFまで繰り出す。百姓根性とドレイ根性の極地です。
国際通貨基金(IMF)も金融システムに与える影響を問題視。金利が2.5%上昇した場合の損害額などについて、金融庁を通じて各行に報告を要請した。メガバンク幹部は「突然のことで驚いた」とし、国際金融当局の危機意識を実感させられたという。
「(条件が)一つ一つ崩れるとどうなるか、気をつける必要がある」。全国銀行協会の永易(ながやす)克(かつ)典(のり)会長(64)=三菱東京UFJ銀行頭取=も、警戒感を隠さない。
日本人は、アメリカに占領された経験を持つせいなのだろうか、IMFがこう言ったという報道に接すると、世界中がそう言ったような気分になってしまうところがある。そこを付け狙っているわけです、この記事は。自分に、権威にひれ伏す百姓根性とアメリカ=世界という、被占領期につちかわれたドレイ根性的な感性のDNAとがあるので、一般読者にもそれがあるものと当て込んでいるわけです。そういう気分を振り切って冷静に考えてみましょう。
IMFはアメリカ財務省の裏庭である、というのは周知の事実ですね。とするならば、われわれは、アメリカの意向をこそそこに読み取るべきでしょう。つまり、アメリカ財務省は、日本が消費税増税によってデフレ状況と円高とを継続し、アメリカの輸出が有利な状況を展開しつづけたがっているのではないか、と。まちがっても、IMFが国際世論を代表しているなどと思いこんでひれ伏してはなりませんね。IMFは十分にうさんくさいのです。IMFの陰にアメリカありです。また、IMFには、財務官僚が出向して、財務省の意向に添った日本向けの情報を発信していることは、つとに知られています。日本の一般国民をダマすくらいのことは、彼らにとって、赤子の手をひねるよりも簡単なことなのです。
今回はこんなところで。