ヨノナカ儘ならぬものである。ビデオ会議アプリとして一躍世界に名が知れ渡ったZoomであるが、これまでの方針を転換し最低週2日の出社を要請したそうである。リモートワークの本家本元であっても、不便なものは不便らしい。コロナ禍の収束(と言うより行動制限の断念)によって需要が萎んだ上に、Microsoft Teams等の競合にシェアを奪われつつあり、定常業務を恙無く回していれば済む状況では無くなったと云う環境の変化も根底には有る様である。ワークライフバランスをリモート前提にシフトした従業員には不評だそうだが、ある程度は仕方ない面もあろう。ただ「通勤は業務(拘束時間)に含まれるのか」と云う課題を顕在化させた功績は大きいと言えるだろう。出社を強要するならその分の対価を支払え、と云う主張には一定の合理性が有る。昔ながらの慣習を覆すのは容易な事では無いが、会社の都合を押し付けられっぱなしにしないヨノナカの変化に期待を寄せているのである。