長崎に旅行で行くとたいていの人は「ちゃんぽん」か「皿うどん」を食べようと思うだろう。
しかし、これは素人のやることだ。
昔は皿うどんは長崎でしか食べられなかったけど、今では全国チェーン店になった「リンガーハット」の影響か、
全国どこでも、少なくともそれらしいものは、食べられる。
そこで長崎を知ってる振りをしたいなら、トルコライスをお勧めしたい。
これはドライカレー(またはピラフ)とトンカツと焼きそばとハンバーグとを盛り合わせた長崎では普通に食べられるランチメニューで、これをさりげなく注文しよう。
回りの客からきっと「うむ、知ってる。おぬしやるな!」と思われることだろう。
さらにこのあと、ミルクセーキを食べると完璧だ。
えっ、ミルクセーキを食べる?
そう、長崎ではミルクセーキは飲むのでなく食べるものなのだ。
それはかき氷とミルクをよく混ぜてシャーベット状にしたもので、スプーンですくって食べる。
これを注文すると回りの客からきっと「負けた!」と尊敬の目を向けられるに違いない。
そうそう大切なこと忘れていた。
それはシースケーキだ。
ここまで来るともう素人ではない。
まさに長崎のプロというべきだろう。
このシースケーキはショートケーキの上に缶詰の桃がのっている。
えっ、それだけ?
と思われるかも知れないが、これこそ長崎ならではのケーキで他所では食べられない。
あっ、いかん。
吉宗の茶碗蒸しも忘れてはいけない。
~「吉宗」をヨシムネとよんではいけない、ヨッソウと読む~
ここの茶碗蒸しと蒸し寿司を落とすわけには行かないだろう。
というわけでトルコライスを食べて、さらに茶碗蒸しを食べてデザートにミルクセーキとシースケーキを食べる、
これこそ長崎のプロのわざと言うべきだろう。
ところで長崎の人はこれを一度に食べる?
もちろん誰もそんなことはしない。
これを一度に食べると、「ははん、ガイドブックをみてきたな」というのがばればれで、
きっと「アホか!」と思われるだろう。