ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

「南総里見八犬傳」

2019年10月07日 17時33分44秒 | 田舎暮らし
「南総里見八犬傳」を読んでいる。
全10冊のうち、まだ2冊目だけどとっても面白い!
でも大長編なので日本文学全集に載せられることはない。
それに200年以上も前に書かれた作品。
今さら読む人も少ないだろう。

でもこれってきっと日本が誇れる国民文学ではないだろうか?
たいていの国にはきっと世界に誇れる国民文学がある・・・はず。
フランス人は、あまり本を読まない人でもきっと「ダルタニアン物語」は大好きだろう。
イギリスだと・・・ディケンズかな?
それともフィールディング?
アメリカだとマークトウェイン?

18世紀から19世紀にかけて江戸文化が盛りのころ、
洒落本・滑稽本などが盛りのころ、
もちろん馬琴もいろいろそんな本を書いたけど、
でも馬琴の本領はやっぱり読本。
日本の国民文学と言うと、吉川英治の「宮本武蔵」や司馬遼太郎の「竜馬が行く」を誰でもすぐに思い浮かべるだろう。
でもそのずっとずっと前に「南総里見八犬傳」がある。
これはとっても自慢していいこと。
当時、洒落本・滑稽本などは庶民が、女が読む本として、とっても軽く扱われていた。
でも馬琴の本は当時のインテリにも好まれて読まれていた。
それは洒落本・滑稽本などと違って、儒教的な、勧善懲悪的な世界、それに馬琴の博識。
馬琴はどうやら、やたら博識を振り回す癖があるらしい。
刀で切られ瀕死の状態なのに、やたら長々と博識を振り回す、
これってジョーク?と思ってしまうけど、それがきっと当時のインテリを喜ばせたのだろう。
というわけで、江戸時代の「・・・の改革」と称する3大改革、その実、経済を知らぬあほな指導者による3大改悪。
その結果は洒落本・滑稽本などへも及ぶ。
でもそんな弾圧にもかかわらず、馬琴の本は読まれ続けた。
そして馬琴は日本最初の職業作家になった。

でもまあこんなことはどうでもいい。
「南総里見八犬傳」を、馬琴が生涯をかけて書いた作品を、日本初の国民文学を楽しんだらいいのだ。
その後多くの時代小説が生まれた。
そしてそのほとんどは舞台は江戸時代、
それはきっと馬琴の影響なのだろう。
こんな楽しい小説、日本人として、もっと誇っていいんじゃない?

コメント
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