6/2 中村浩子 And then 第17話
雄二は外してくれた。
それからパンティをはかせてくれて、白いワンピースを前から差し出した。
浩子は腕を通すと、雄二は後ろでボタンをはめてくれた。
それからベルトをした。
ちょっと浩子の後ろ側に行って、それからカサコソ音がしていたけど
浩子の前に来たときは白い長いチュニックを着て、
その手に飲み物を持っていた。
水、こっちはオレンジジュース、と浩子に渡し
彼自身も水を飲み始めた。
浩ちゃん、僕は電車に乗ってきたあなたを見て無条件で
愛し続けてしまった。
でも、こんなに似ているのに、あなたは彼女ではなかった。
彼女は僕に命令口調で話すようなことはなかった。
浩子は水とオレンジジュースを交互にに飲んでいた。
でも雄二を聞いているうちに、ずっとモヤモヤしていた
彼女の疑問がはっきりしてきた。
雄二、浩子は雄二をさえぎって話しだした。
なんかおかしいと思っていたことが今、はっきりしたの。
あなたは私を愛していない。
私を見つめながら、あなたがどこか他のほうを見ているって
ずっと感じていたの。
私は彼女じゃないわ。
雄二の目に涙がうかんだ。
それはやっぱり彼女は生きていなかったという落胆と悲しみからだった。
でも私は雄二を愛したつもりだった。
ただ、なんかあなたのやることなすことがイライラして・・・・・
でも今聞いていてわかったのお。
あなたは私を愛していない。
私は彼女の生まれ変わりじゃないし、
浩子の口に運んだ水のボトルから水がこぼれた。
湧き上がったおえつで水を飲みこめなかった。
それから浩子は立ち上がろうとした。
でも引っ張られたように崩れおちた。
浩子のベルトの後ろには頑丈な綱がついていた。、
それは立ち上がれるほど長くなかった。
雄二は言った。
僕のじゃじゃ馬は繋がれているんだ。
浩子はトイレ、おしっこ、もれちゃうっといっきに言った。
漏らしていいよ、僕の赤ちゃん。
それはおしめだからね。
そして浩子を抱き寄せると、耳もとっでささやいた。
僕は僕のやりかたで浩ちゃんを愛することにしたんだ。
僕は僕の赤ちゃんを育てることにした。
浩ちゃんは僕の赤ちゃん。
大丈夫よ、オシッコしても。