6/9 中村浩子 And then 第22話
浩子は目に涙をいっぱいためて益田を見つめた。
それから益田の部屋を出て行った。
浩子は雄二のところに行くとメソメソ泣きながら
益田が言ったことを雄二に全部話した。
浩ちゃん、先生の言うことももっともだと僕は思うよ。
その浩子がウキウキと益田先生が病院に来ていいって言ったのと
ある日曜日の朝、雄二に報告した。
今日かい?
そうよ、日曜宿直が終わってから病院で会って、夕飯に行くの。
あまりにうれしそうな浩子に雄二は申し訳なさそうに言った。
今日は送ってあげられないよ。浩ちゃん、一人で行ける?
行けるわ、 地下鉄の駅出てすぐだもの。
と何の不安もなさそうだった。
午前中に雄二は家を出て、浩子は午後2時すぎに家を出た。
午後雄二が帰宅したときは家の中には誰もいなかった。
4時過ぎ、電話がなった。
あの、浩子さんは? 今日はキャンセルですか?と益田がそろそろ言った。
エーまだ着いていないのですか?
僕は浩子が家を出たときはいなかったのでわかりませんが、
地下鉄で一人で行ったはずなんですが。
守衛にも言ってあるのですが、これまで着いた気配がなくて
ひょっとして、浩子さんのことだから気が変わったかと思いまして、・・・・
雄二はパニくった。
浩ちゃんに何かあった。
どうしたらいいんだろう?
こちらでも探してみます。
浩子がついたらご連絡ください。
承知しました。
益田先生はスマホを着ると車のエンジンを入れ暗い道を走り始めた。
道の両側に熊 出没 注意の看板がいくつも見える。
ちょうど10分か15分前、益田は暗い山道の熊・出没注意の看板の下に浩子の遺体を
捨てたばかりだった。
そろそろ着くころだと、益田先生は病院の裏門あたりをうかがっていた。
内側から外が見えるところだった。
浩子が歩いているのが見えた。
益田先生は木戸をなにげない風に開けた。
そして頭を出したところに浩子が着いた。
先生、浩子は喜びの声をあげた。
浩子さん、迎えに行こうか迷っていたところです。
問題なく来れましたか?
浩子を木戸の中に入れ、こっちの通路が近いから、ちょっとむさくるしいですが
どうぞ。 と浩子の肩に手をまわして導いた。
そして病院の別館についた。
僕らの休憩室は地下なんです、と言ってから浩子を抱き上げた。
階段で、暗いからこうして降りましょう。
こんな階段で浩子さんが落ちたなんてことになったら
ご主人に申し訳が立たない。
ここは病院の解剖室があったところですが、もう使っていません。
突き当りで浩子を下ろすと部屋のドアを開けた。
薄暗い部屋だった。
隅にいくつか机が見える。
それからもうひとうドアを開けた。
消毒薬臭がした。
こちらの部屋は明るかった。
中央にブルーシートのかかった台があった。
先日階段を落ちたとき、体を障って気がついたのですが
もしかしたら子宮に問題があるかもしれません。
浩子さんはお子さんは?
いません。
出産したことないのですね。
益田は適当に言った。
骨盤と子宮の関係にあるのです。
そう言いながら、益田は浩子を脱がせた。
浩子が気が付いたときには、益田は浩子のパンティを脱がせたところだった。
お若いですね、と浩子の体を支えながら、浩子の体を目で舐めるように見た。
そして浩子を抱き上げると、中央にあった細い台に寝かせた。
なに、なにと浩子が心細げな声を出した。
浩子の臀部の下に白い給血布を差し入れた。
ちょっと見てみます。
異常があれば専門医に紹介状を書きます。
来週早々には病院に行ってください。
益田は浩子のひざにコードを回し、ここは婦人科ではないので
診察台がありません。
ちょっと窮屈ですけど、これで臀部・陰部が見られます。
失礼しますよと言うと益田は片手を浩子の膣内に入れ、
もうひとつの手で腹部を押しなら子宮の場所を確認した。
平均的サイズの子宮です。
それから膣内拡張器を入れるとそのままにして
浩子の横に行った。
そして乳房を一つづつチェックした。
そして足元に戻ると横に準備していた益田の手術用のメスをとった。
そしてそのメスを膣内奥に入れ、卵管の途中にメスを入れ、子宮を切り離した。
浩子は何か鋭い痛みを感じたけど、それは一瞬だった。
何か熱いものが流れるのを感じがした。
それから益田が浩子の左を乳房を持つと、上部を180度メスをまわした。
それから乳房を持ち上げ、下のほうを180度カットした。
メスは鋭く、浩子はすぐに痛みを感じなかった。
しかし、血がドバーと吹き流れた。
今度は益田は右の乳房に回って、乳首をつまんだ。
それから乳輪にそってメスをまわして乳首の外側だけ外した。
それから浩子さんと呼ぶと、これがあなたの乳首よと言って
見えるように目の前につるした。
血が垂れ、浩子の顔に落ちた。
浩子は声もでないほど恐怖におののいていた。
益田は切り取ったその乳首の先端を液体の入った小さい小瓶に入れた。
そして、左の乳房の表皮をもうひとつの瓶に入れた。
ちゃんと保存しておくからね。
と、浩子を見ながら笑った。
そして、浩子の足の間に立つと、膣内に手を入れ、取り外した子宮を
つかみ出した。
それをつかむと血のしたたる子宮を浩子に見せた。
これがあなたのいやらしさの根源、子宮よ。
もう何もできない・・・・
その子宮をもう1本のホルマリンの入ったボトルに入れた。
浩子はかろうじてまだ息があった。