星くず雑記

日々の出来事は煌めく星くずのように…

令和6年10月 OSKたけふレビュー『DREAM SCAPE』

2024年10月31日 19時25分49秒 | OSK・宝塚(OG含む)


※久々の武生が嬉しくて、チケットと特典ポストカードの写真を撮ったのですが、やはり「特典」であることに配慮しぼかしをかけています。

東京駅始発の新幹線に乗れば、
なんと武生で平日2回OSKが観られる!

の事実に気付き、はるばる都内から実に11年振りに武生に行きました。
かこさとし、いわさきちひろの、著名な童話作家の郷里であり、菊人形会場や周辺エリアが、ファミリー層向けにリニューアルされています。
(お洒落なお店等も出来ましたが、シャッター商店街は相変わらず…)

平日で、後方サイド席はカバーをかけてあるとは言え、明らかにガラガラ、では無く、また満席ではありませんが、万遍なく埋まっていて嬉しい限りです(嬉涙)

初主演の天輝さんを観るのは、ほぼ初。

いや、ちょっとこれは凄いスターさんですよ…

幕開きは男役・娘役ともマントの衣装で
クールで格好いい雰囲気。
闘牛士のようにバサッと翻すのが爽快。

推し活女子5人組の場面は、マイクありでセリフを言う方以外も、客席にそれぞれの推しスターの魅力をPR。
かなりマジな内容で、その男役さんと、近くで演技してくれた娘役さんのどちらも応援したくなります。
やがて推し活女子の妄想が現実になり、最後は天輝さん(金のタキシード)にメロメロに。
ここで天輝さんの客席下りなんですが、
ものすごーく良い香りがしました。

続いてミニスカ紫式部(唯城さん)と光源氏(天輝さん)の場面。
この位デフォルメした方が、子連れファミリー層も含めて、楽しめます。
二人の喧嘩から「動物探偵ゲーム」バトルに。
司会やジェスチャー担当は、毎回違うようです。

さらにミニスカ紫式部は、そのまま「やんしき節」からのラインダンスへ。
唯城さんも武生初ヒロインですから、気合いも入り、出ずっぱりです。

スパニッシュの唯城さんから、総踊りかと期待したのですが、同期同士である唯城さんの歌と、羽那さんのタップダンスのみのシンプルな構成。
羽那さんは、(貶める意図はなく)ご本人の魅力や持ち味として、ふっくらした女性らしい健康的な体型。
この健康美から繰り出される、渾身の激しいタップ、かと思えば小刻みで繊細なタップと、ダンスの魅力が光っていました。
健康美、躍動感、そして温かな雰囲気など「ダンスのOSK」で輝く素敵な娘役さんです。
(華奢なプリンセス系も、ファニーな愛嬌系も、おっとり系、小動物系、姐さん系…etc、様々なタイプの娘役が活躍できるのがOSKの良さだと思っています)

白い衣装の場面は、照明で体のシルエットが透けるのが美しく、
男役4人の場面は、全員が入団3年以内の若手男役で(驚)、歌やダンスのソロをもらって成長著しい。

白眉はピンクの衣装のデュエットダンス。
天輝さんがメイクを変えたかと思うほど、温かく優しく包容力のある印象に。
(私はこういう雰囲気の方が好みです)

再びポスターの黒×紫の衣装で、雪妃さんには餞のシーンも。
羽根扇はかなりスカスカなものもあり、(いつか中太マダムになって)寄贈したくなりました…
羽根扇で決まったあとにフィナーレなのは流れが悪く、一体化させても良かったのでは?と思います。

桜咲く国は1・3番のみのショートバージョン。

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客席下りが多く、ハイタッチや声かけ、やんしき節では一緒にダンスもあり、地方公演ならではのとても楽しい一体感でした。

前述したフィナーレの繋ぎと、
紫式部の鬘(茶ボブではなく、もうちょい長めの姫カット(黒髪)が良かったのでは?唯城さんはツクヨミでのおかっぱボブもあり、既視感があるので)以外は、
特に不満ポイントはありません。

むしろ、これ2000円は破格すぎますね。
北陸方面の方は絶対行って欲しい。

はるばる足を運んだ甲斐ある、大満足なレビューでした!

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で、天輝さんの何が凄いって、
場面ごとに演じる雰囲気が全然違うんです。

クールなのか(プロローグ、フィナーレ)、キザなのか(金タキシード)、軟弱で母性本能をくすぐるのか(光源氏)、怖い系(殺陣)、はたまた包容力があるのか(デュエット)…

初めて観たときは、
えっ、場面ごとに化粧変えてる?
とまで思ってしまいました。
(早変わりが強みのOSKでもさすがに無理です)

故に、「天輝レオらしさ」が掴めず、素顔がミステリアスなのが、さらに興味をそそります。
この公演に際し、他の劇団員と2ショット写真とその方の紹介をSNS更新されているのも好感が持てます。
共演者がいてこそ、スターとして輝けるので、それを理解されているのだと思います。
とんでもない逸材です。

虹架さん、愛瀬さん、そして楊さんの退団に寂寥を感じていたところ、またOSKの男役の層が厚くなったと実感でき、翼さんトップ体制での、皆さんの活躍が楽しみです。

男役は今回天輝さんの他は入団3年以内(=4年目以内)でした。
三座公演とは異なり「その他大勢のモブ」では無いので、皆さんスターとしての魅せ方を工夫されていて、良かったです。

南星さんは、依吹さんの降板があったとは言え、入団3年(=4年目)で二番手としての存在感。殺陣の場面は、天輝さんとしっかり対峙してました。

少し小柄な鳳寿さんは、ブレイクダンス風のしゃがむような振付やダイナミックな動きで体格をカバー。ヒップホップ系など、小柄さを活かしたダンスが強みになるかも、と期待します。

鼓珀さんには品の良さ、育ちの良さを感じます。まだ持ち味に悩み中でしょうか?色々チャレンジして欲しい(関東出身なので応援してます👍)。

大胆な赤い髪に染めた奏叶さんは、ブロマイドの素朴な印象と大きく異なり、目を引きました。

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関東からだと、チケ代より交通費が高くつく上、旧北陸本線が第3セクター移行により、鉄道の日きっぷ対象外になったので「安い旅」では行きづらくなりました(T_T)

菊人形や菊花も屋外になった関係や、入れ替えのタイミングで、あまり見応えもなく…

生花を扱う特性上、安定して高いパフォーマンスのOSK公演は、菊人形イベントの核になっていると思います。
これからも武生とのご縁が、末永く続くことを願っています。




しきぶんぶんミュージアム(大河ドラマ館)で唯城さんのメッセージ見つけました😊
天輝さんのは見つけられず…

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令和6年10月ヒューリックホール東京『姿月あさとソロコンサート』

2024年10月06日 20時51分57秒 | OSK・宝塚(OG含む)


「姿月あさとソロコンサート」に行きました。

会場は有楽町駅前の、Men's阪急や、コニカミノルタプラネタリウムのビルの11階にある「ヒューリックホール東京」でした。映画館を改装したとのことで、座席も広々観やすく、ドリンク置きや傘立てが座席に完備されてるのは良いです。ただ、緞帳はないのかも知れません

で…

(以降、ちょい辛口です)


まず、チケット代と別にドリンク代600円が必要なのですが、これが市販のペットボトル(ノンアルコール)やスミノフ・生ビールそのままなんです。ビール以外はカップに注ぐわけでもなくこれは、あまりにも残念です。当たり前だけど、上演中は飲食禁止ですしね。

姿月あさとを生で観るのは、初です。
宝塚退団から24年経ち、ファンもやや年齢層高めな感じ。客席は満員では無いものの後方まで、まあまあの入り具合。

ミュージカルよりはコンサート等の音楽活動多めな印象だったので、歌への期待が高すぎたかも知れません。
男役スター時代の声の明るさや伸びやかさはなく、時間を重ねたのだな、と思いました。

1幕はパリ五輪に因んでシャンソン中心に。
・おおシャンゼリゼ
・パリ野郎
・パリの空の下
・ろくでなし(with上原)
・上原:She
・インシャラー
・ミマンケライ
・愛の賛歌

(帰宅後調べたところ)インシャラーは元々、第三次中東戦争直前に平和を願って発表(その後中立的な歌詞に変更)された曲だそうです。

2幕目はミュージカルを含む様々なジャンルから。
・鑑の中のつばめ
・yo soy maria
・(ミュージカル「シカゴ」の曲)
・(ミュージカル「レベッカ」の曲)
・上原:ラマンチャの男
・愛と死の輪舞曲
・闇が広がる(with上原)
・夜明け ※姿月オリジナル曲
・berangkat-ブランカ-

最後のブランカは、姿月も赤いストールを纏い、ファンクラブの方?も「ブランカ!」の歌詞のたびに赤いスカーフか何かを振っていました。

約50分×2幕で、コンサートとしてはかなりボリュームがあり、飽きさせない構成でした。

髪をとても綺麗にセットしていたのですが、どうやらウィッグで、全体を通じて、美しい衣装と共に約4つのスタイルでした。
(※スタッフのXより、衣装は「HIROKO KOSHINO 2024-2025 AW COLLECTION」とのことです。)

ご本人も言っていた「大阪のおばちゃん」的な天然ぶりと、ゲストの上原理生の掛け合いは面白かったです。

上原理生は、生で観るどころかお名前もはじめて知りました。東京藝大卒で声楽にこだわりもおありらしく、そのとおり見事な迫力あるバリトンで、素晴らしい歌声でした。

客席にマテ・カマラスが来ている中での、上原トート&姿月ルドルフの「闇が広がる」は素晴らしい趣向でした。姿月全盛期に、男性の低音との掛け合いを聞いてみたかったなあ、と思いました。

この他、紹介されていましたが高嶋弘之氏もお見えになっていました。

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観劇を全てブログ等に書いている訳ではありませんが、OG公演で印象深いのは安奈淳さん。
ご年齢もあり曲数こそ多くありませんが、情感のこもった艶のある歌声が今も魅力的です。

こうした大御所が声を維持していることを思うと、姿月さんへの期待度も必然的に高くなってしまいます(^-^;

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令和6年8月新橋演舞場 OSK『夏のおどり』2回目(+大谷盛雄氏のこと)

2024年08月10日 09時21分10秒 | OSK・宝塚(OG含む)

2回目(8/9昼の部)に行きました。
2階の下手側廊下に、楊さんの衣装の展示がありました。
これ皆さん観た方が良いと思いますよ~


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1回目観たとき、『90年誌』の大谷先生の言葉を思い出しました。

一人一人の(特に、スターでは無い)劇団員さんが、
ファンの方やご家族、ご友人に
「〇〇の場面、一瞬だけセンター踊るから観てね」
「妖精が一人ずつ出てくるところのX番目」
「殺陣でトップさんに斬られる時、ピンスポ当たる」
「ラインダンスでソロパート貰った」
「花道で踊る」
「客席下りで、どこにいる」


と劇団員さん一人一人の人生と
無数の「観てね!」があるんだなあ、
と思うと、箱推しの私としては
ジーンと来てしまいました。
民謡メドレーの後半で、まさかの号泣です。
(客席下りで近くに来た某娘役さんに、見えたかも。すごく感動していることが伝われば嬉しい

晴れの大劇場公演で、
身近な人に「観てね」って言えるのが
本当に大切だと思うんです。
OSKの「風通しが良さそう」なイメージも
トップになる、以外の活躍の道が
沢山開かれていることも、その理由だと思います。

(イメージ、だけでなく本当にそうあって欲しい)


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【第1幕】
やはり、日舞のせいらさんが、
精悍で粋で爽やかな日本男児、という感じが
すごく良いです。

『深川マンボ』の最後の掛け合いは、
アドリブなんですね。昨日と微妙に違いました。

『河内音頭』は、空耳なんだけど
「空よりOSK」に聞こえて、
青空とOSK讃歌のような気持ちで聞いてます。

【第2幕】
幕開き、椿さんが「背中で語る」
つまり後ろ姿で、お顔も帽子で隠してるけど、
どこから観ても椿さんと分かるんです。
長身でスラッとしていて魅力的です。

椿さんは、ちょっとニヒルな感じを
持ち味にしてるのでしょうか?
違う感じも観てみたいと思いました。

殺陣は、改めて観ると、
沢山の若手男役(モブ)が
楊さんや翼さんと対峙することで、
その一瞬、ピンスポットが当たるんですね。
楊さんへの惜別の意味でも、
皆さん気持ちが入るシーンだと思います。

ラインダンスは手拍子すると分かりますが、
今回も(≒いつも)かなり高速です。
その中でも機敏で長身でスタイルの良い娘役
華蓮さんがよく目立ちます(上手側2番目)。 
他の場面では、ここまで目立たないので、
シンプルな髪形・衣装が似合う方なのかも。
かつての恋羽さんのように、
いつかラインダンスのセンターに立って欲しい
と思いました。

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と、ここまで書いて、荻田先生や桜花さんSNSより
大谷盛雄先生のご逝去の報に接し、大変驚きました(8/9夜)。

私が初めて観たOSK公演も、
大谷先生の手によるものでした。
(→2007年当時の感想
「商業演劇と違う優しさ」が 
これからもOSKに残ることを願います。
素敵な作品をありがとうございました。

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以下『90年誌』大谷盛雄氏インタビュー
p81より引用

初舞台の子とか、普段は後ろの方で全然顔が見えないことが多いですからね。歌劇なんだから、顔が見えないというのはおかしい。一生懸命踊っていても、客席から「いてた?」なんて言われたら⋯。
「あ、あそこにいてたから素敵やった⋯」とか、お母さんが「見てよ、うちの娘があそこにいてる〜」とか言ってもらうことも大事やと思います。ほかの商業演劇とは違って、歌劇はそれが絶対大事。その優しさが、僕はあったらいいと思うんですよね。若い女の子が「ここで仕事したい」と憧れて入ってくるというのは、ものすごく夢のあることですから。

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令和6年6月新橋演舞場 OSK『夏のおどり』eプラス貸切

2024年08月09日 15時33分09秒 | OSK・宝塚(OG含む)

この日の感想はこちら

(※メモしていないので、うろ覚え&ニュアンスです)

トークショーは、左から

椿、翼、華月千咲舞美、白藤、城月壱弥

と司会の唯城さん(小旗を持っていて可愛い)。

 

【自己紹介】

名前と「ごほうび御飯」

楊:白いご飯、舞美:母の手作り牛しぐれ煮、千咲:フルーツタルト、白藤:アフタヌーンティー、華月:お寿司、城月:お肉、翼:ニンニク料理と激辛カレー、壱弥:焼肉、椿:ラーメン。

最後に唯城さんは、苺タルト。

 

【見所、感想】

椿、翼舞美、白藤、城月壱弥

印象的な方のみ

壱弥「松竹座・南座とは違う角度で、ジャングルブギウーの楊さんが「危ない」格好良さ」

城月「中堅~若手のラインダンスで、横一線で皆の顔が見えるところ」

白藤「パレードで舞美ちゃんが楊くんを迎えるところ」

舞美「南座は一本立てなので、また日舞・洋舞の二幕に戻り、劇場が変わると新鮮な気持ち」

 

【ドラマ『ブギウギ』劇中劇風キャッチコピー】

華月「いつも元気に!」楽屋も賑やか

千咲「勇ましく!」娘役の殺陣など強さ

舞美「粘り強く!」稽古熱心さ

「そして~」

「感謝の気持ちを忘れずに!」

 

抽選会は劇団員さんがくじを引き、

当選者が全員席番を呼ばれ、場内は温かい雰囲気に。

最後は楽しく写真撮影タイムでした。

 

eプラス貸切は初めて行きましたが、

独自価格のお値引きに、

このアフターはお得すぎます。

素晴らしい企画をありがとうございました。

 

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令和6年8月新橋演舞場 OSK『夏のおどり』1回目

2024年08月08日 23時07分50秒 | OSK・宝塚(OG含む)

eプラス貸切『夏のおどり』を観劇しました。
すごく良かったです!
こんな前の良い席で、堪能しました。
(※OSKは箱推しで、全員好き。贔屓はいません)

-----
【第1部:日舞レビュー】
いつもの「〇〇のおどりは~♪」ソロはなし。
幕開きは、客席下りもあり華やか。
 
たけのこ、は大阪っぽく、
翼さんの客席下りがたっぷり。
 
民謡メドレーが楽しい。
 
爽やかなイケメンがいる!と思ったら
せいらさん。洋舞メイクと印象が違って素敵。

 
男役オンリーの殺陣は、ストーリー性が謎だけど、
楊&翼の「男の絆」がグッときました。
 
蝶の舞踊も、娘役のみである点等、OSKらしさ満載。
ただ、上位娘役も日本髪(の鬘)にして欲しかったなあ…
 
ちょっとコスト削減な感じが気になりますが
女性歌劇の日舞レビューが、
定期的に観られるのはOSKだけなので
本当に大切な文化として、守り受け継いで欲しいです。
 
【第2部:洋舞レビュー】
幕開き、千咲さんの鍛え抜かれた背中が美しい。
ショートヘアの鬘で、どことなく恋羽さんの面影を感じる。

そして男女ペアで各々踊る中、
白藤さん&千咲さん
麗しい百合デュエットに感嘆

 
極楽鳥の唯城さんが、総スパンダルマに
OSKでは珍しい背負い羽ありのゴージャス衣裳なのに、
立ち位置がスターと横並び。 
トップより派手な衣裳なのに、おかしいでしょ(苦笑)
(※似合っていて可愛いのだけど、
独立した役ならともかく、OSKなりのスター序列は守るべき)
 
『ブギウギ』場面は、ドラマが懐かしく、
それをリアルで観られた嬉しさに
黒と白の蝶の衣裳は、想像を超える美しさ。
(事前にドラマ再現シーンのみ予習しましたが)
映像にないのが「大きなしずく」の桐生さんが、
花道で見守るように踊るところ。
 
続く笠置シヅ子メドレーは、
千咲さん「ジャングルブギ」が圧巻。
娘役の高めのキーではなく、ドスの聞いた低めで迫力がある歌い方が合うのかも。
歌唱力に嬉しい驚きでしたし、
彼女が表現する激しさや熱さを、
優しく包み込む楊さんがいい。
 
中国風の場面は、時代設定が謎。(架空の近現代?)
 
フィナーレまでのダンスは、ちょっとずつ、
沢山の劇団員さんに見せ場があり
『90年誌』の大谷先生(振付家)インタビューどおり
「一人一人の顔が見える【優しさ】」が、
劇団員さんのモチベーション上も重要だと思います。
約40名の小規模だからこそできる、
大切&必要なことだと思います。
 
ラインダンス、フェッテの方は誰かしら?
そして、華妃さんの「私を見て!」という気迫がすごい。
 
近年、(遥花さん、実花さん等)上位娘役が抜けたので
羽那さんが要所要所で、目立つ。
表情豊かで温かみのある、素敵な女役に。
男役では、知颯さんの美形ぶりや、
碧さん・鼓珀さんから溢れる、
男役として舞台に立つ嬉しさが印象的でした。
 
デュエットダンスは壮大で、
二人の集大成に相応しく。
フィナーレは様式美では無く、
花道から楊さんを迎える、また新しいスタイル。
 
-----
OSKは短い公演期間に全てをぶつけるので、
完成度が高く、劇団員さんは涼やかな笑顔だけど、
汗を額に光らせながら踊り、
青筋を立てながら熱唱し、
とにかく誰もが全力です。
 
高校野球のごとく
果たして自分は今全力で生きているだろうか?
と自省すると、涙が出てきました。
 
改めて、一人一人のお顔を観ながら、
それぞれの歌劇への情熱に敬意を表します。
 
-----
ちょっとしたことですが(たぶん100均アイテム…)
OSKに合わせた装飾が嬉しかったです。
新橋演舞場さんの細やかな心遣いに感謝します。

満員御礼!

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令和6年7月明治座『松平健芸能生活50周年記念公演』暴れん坊将軍&ショー

2024年07月06日 19時37分17秒 | 文化・芸能・スポーツ



まず代役公演のニュースに驚き、

テレビの歌番組で見る市川さんと、

北翔みっちゃん、

そしてWキャストの音波さんも

三人とも持ち味が違うので、はて?どうなるかと思ってました。


とまれ、急遽チケットを買って、

初日に観に行くことができました。

(と言うか、北翔出演日で土日が今週末くらいなので

必然的に初日を選ばざるを得ないです…)

明治座入口には目安箱があり

開演前の注意事項も「上様からお客様に申し上げます

~以上のこと守れない方は、成敗いたします」と、

雰囲気を盛り上げます。


冒頭、テレビドラマ版のイメージそのままに

上様こと松平健が登場。

観客席からは感嘆の声が漏れ出します。


ドラマ版の「お約束」通り、街に繰り出すと

田舎娘:おちか(伊藤純奈)が狼藉に遭い、

それを町娘:お佳代が助け………


あれ?


(以下ネタバレを含みます)



『蘭』で見覚えのある、

男装の麗人(若侍)スタイルじゃないですか!!!


これは驚きました。

スチール写真もポスターも、町娘スタイルだったのに。

ストーリー的には、当初から(市川さん出演)

こういう役だったと思われます。


はたして音波さんならどう演じるか、

も気になってしまいました。

(『愛と青春の旅立ち』の訓練生役が印象深い方です)


…さて、お佳代は部下を引き連れ

吉宗に思い入れ深く、なにやら執念深く付け狙います。

敵か味方か終盤まで確定せず、

ハラハラしながら観ていました。


「お約束」の展開、曲、さらにはテロップを、

舞台に落とし込むと、こうなるのかー

という工夫と、プロジェクションマッピングの妙で

誰もが期待する『暴れん坊将軍』🐴

になっていました。

中盤の馬を走らせるシーンは、ちゃんと疾走感があり

歌舞伎でも応用できそうです。

(プロジェクションマッピングを

古典歌舞伎としてどこまで許容するか、

の問題はありますが)

お佳代は、立ち回りあり、

娘姿あり、コメディタッチあり、

と大活躍のヒロイン格でした。


第2部は、冒頭マハラジャから。

エキゾチックな女性ダンサーの中央が

迫力ある長身の美女…あ!

この姿のみっちゃんだけで大満足です。

男役イメージが残るパンツスタイルで

『ハナミズキ』一青窈

(白×赤花模様の燕尾服風)

『奇跡』さだまさし

(ミントグリーンのジャケットに↑と同じ白パンツ)

の二曲をソロで。

(私のような)ファンが爆竹拍手で先導しなくても

どちらも間奏で自然な拍手が起きていて

感動しました。嬉しかったです。

代役という立場からMCはなし。

フィナーレのマツケンサンバIIでは

真っ赤な総スパンのお着物で、トップ娘役ポジションでした。


辰巳ゆうとさんの二曲のソロも大盛り上がり。

私も「ゆうと」コールしましたよ。

宝塚OGも何人も出演されてます。

愛田・夢咲は芸名変わらず。

みそ乃=風人夕真、明理=久路あかり、ですね。

皆さん懐かしい(^^)


1・2部とも

言うまでも無く、歌、踊り、芝居に殺陣と

松平健さんは圧巻でした。

目安箱の読み上げに、

女装あり、過去の振り返りありと

ファンの方は大満足なのでは?


観客層は30代以上で上は青天井。

ペンライト(サンバ棒)※を二本持ちしている方も多く

2部のショーではカラフルな客席でした。

大盛り上がりで、本当に楽しい公演でした。

※公演公式グッズではなく、松平健公式グッズの位置付け


気になったのは、所作で、草履を脱ぐ向き。

城中で振り向いて脱いだ武士がいたので、

ちょっと驚いてしまいました。

(進行方向に向いたまま脱ぎ、

振り向くか使用人が直すのが正式なはず。

そのようにしてる場面もありましたので、

↑をラフなシチュエーションの表現として、

敢えてやってるなら流石です)

-----

時代劇は、古典歌舞伎はもちろん


歴史考証が重視される大河ドラマとも違い

「現代ナイズしたエンタメ」として

また復興して欲しいなあ、何て思います。

美化されているとは言え、

古き良き日本の秩序、情愛、仁義に

分かりやすい勧善懲悪の様式美は、貴重です。


末筆ながら、市川さんのご快復をお祈りします。

また素敵な歌声をお待ちしています。


【追記】

『マツケン・マハラジャ』が強く印象に残っているので

歌詞を調べたら、(近鉄時代の)OSKの座付演出家で

マツケンサンバIIの作詞家の

吉峯暁子先生でしたわ…

OSKと宝塚がマツケンで結びつくとは…


【追記2】

曲を覚えてる限り調べました(順番は大体です)

『マツケンマハラジャ』

?健様と女優さんのデュエット

『下町殉情』辰巳ゆうと

『迷宮のマリア』辰巳ゆうと

『マツケンAWA踊り』

『ハナミズキ』北翔海莉

?健様と女優さんの舞踊

『夜明け(暴れん坊将軍挿入歌)』

『奇跡』北翔海莉

『マツケンサンバIII』

『マツケンサンバII』




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ルース・ランガン ハイランドシリーズまとめ

2024年06月09日 22時00分54秒 | 小説・漫画・アニメ

何だか色々と疲れてしまい、

結末がハッピーエンドで、内容が

ある程度パターン化されているロマンス小説

にハマっています。

 

再燃のきっかけは、板東いるか作画『囚われたレディ』。

キャラの描き分けが見事で、
他のキャラが気になってたまりません。

関連する作品の現代と邦題が違ってストレスなので、

自分のためにもまとめてみます。
(全て読んだわけではないので、あらすじ概説と表紙絵が頼りです)
 

Highlander Series

 

One Christmas Night (1999) also in omnibus One Christmas Night

『ハイランドの勇者』(『愛は深き森に息づく』に収録)

Highland Barbarian (1990) also in omnibus Ransomed Bride

『誇り高き花嫁』

Highland Heather (1991)

→『華やかな陰謀』

Highland Fire (1991)

→『たったひとつの愛』

Highland Heart (1992)

→『非情の戦士にキスを』

The Highlander (1994)

→『囚われたレディ』

Highland Heaven (1995)

→『月下に紡ぐ愛』
 
-----
時系列順まとめ
『囚われたレディ』『月下に紡ぐ愛』
13世紀のスコットランドとイングランドが舞台。
実在人物のロバート・ザ・ブルースの時代であり
『囚われ~』のヒーロー:ディランは、その信任厚いという設定。
 
ディランはキャンベル氏族の長であり、キンロックハウスに住む。
 
↓時は流れて
 
『誇り高き花嫁』『華やかな陰謀』『たったひとつの愛』
『非情の戦士にキスを』
1560年代のスコットランドとイングランドが舞台。
ヒロインやヒーロー縁の人物として、
イングランドのエリザベス1世女王や
スコットランドのメアリー女王が登場。
 
『誇り高き~』なる三部作のヒロインは
マカルピン氏族のメレディス、ブレンナ、メガンの三姉妹。
 
『非情の~』は、キャンベル氏族の長ブライスが、(実在の事件である)リッチオ殺害事件に関連して重傷を負った所から始まります。
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令和6年3月スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』

2024年03月20日 11時26分21秒 | 歌舞伎
歌舞伎を観続けて幾星霜…
スーパー歌舞伎の初観劇でした。

思えば、一昨年春
團子の若武者ぶりに、澤瀉屋の将来を期待したもの。
現代的な長身でスタイルが良く
三代目猿之助と浜木綿子の容姿(華やかさ)、
父の聡明さを受け継ぎ、
従伯父の四代目猿之助に学んだならば、
どれほど素晴らしい俳優になるか、と。
(一般人の方なので写真は分かりませんが、
元CAのお母様も、スラリとした端正な方なのでしょう)

昨年の事件の直後、
代役を引き受けた彼の姿は鮮烈でした。
旦那二人(猿翁・段四郞)を一挙に失い、
若旦那一人は(四代目猿之助)長期的に舞台に立てず
もう一人の若旦那(中車)も事情あり、となった澤瀉屋を
潰さない、潰れないという存在感を示したのは、
天性のカリスマ性、華やかさを感じさせるものでした。

スーパー歌舞伎は、三代目猿之助が46歳で創始し、
・養成所出身者の活躍の場を開いた
・演劇の新ジャンルを築いた
・歌舞伎鑑賞の間口、ファン層を広げた
ものと認識しています。

とは言え、私のような保守的なファンにとっては
「三代目猿之助が新橋演舞場の方でやってる
古典歌舞伎とは違うもの」
という認識で、三代目が健在な当時から
今まで観たことはありませんでした。

一昨年になって初めて、
スーパー要素を排した、歌舞伎座『三国志』で
四代目猿之助の姿に涙を流して感動し、
やっとスーパー歌舞伎を観てみようかなと思った次第です。

私個人として仕事上の大失敗があり、
世界的にもウクライナ紛争開戦で辛く悲しい時期でしたから
「平和な国をつくる」というメッセージが、強く心に刺さりました。

三代目猿之助の映像を集めて観るようになり
もちろん『ヤマトタケル』も観ました。

その上で、新たな看板俳優である團子が主演となり
澤瀉屋が再スタートする本公演に足を運ぶことにしました。
本来、この時期の新作『鬼滅の刃』で主演となるはず、でした…

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あらすじに関しては多くを割きませんが、
古代史ファンとしては、
劇中の固有名詞や、歴史人物の描かれ方に不満もあります。
(例えば帝(みかど)ではなく、大王(おおきみ)か
天皇(すめらみこと)であるべきでは?等)

それを圧倒的な迫力で、
独特の世界観に引き込む魅力のある
脚本であるとも思います。

三幕は明らかに加筆されていましたが、
ワカタケルの場面は、かなり冗長になり、
余韻を損なうものでした。

最後のラインナップで、
帝とヤマトタケルが手を取り合って和解する演出、
帝は手を握り直していました。

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三代目猿之助がスーパー歌舞伎を演じていたのが
40-50代であったことを思えば、
20歳になったばかりの團子は、
圧倒的な若さと華やかさで、目を引きます

激しい立ち回りでも息を切らすことがなく、
(当時の)三代目猿之助が持ち得なかった
若さと長身は、圧倒的なアドバンテージであり
幸先の良い初主演だと思いました。

今回の團子の姿に、
歌舞伎のテクニックと、現代劇風の演出や
洋舞風の群舞を取り入れた、スーパー歌舞伎を
ゼロから創始した三代目猿之助の偉大さを
改めて感じました。

※ただし、もともと世襲や門閥によらない抜擢をしてきただけに、
事情が事情(三代目の病気療養が発端)とは言え、
結局世襲に落ち着かざるを得なかった、
いまの澤瀉屋を残念に思うファンの方がいるのも分かります。

いつまでも祖父や従伯父のコピー、
では無いと思いますが、歌舞伎界において
やはり先達の面影を感じさせる姿は
ファンにはたまらないものです。

また、この作品が世に現れたときの、
作り手(出演者やスタッフ)、
観客の熱狂を想像させます。
邦楽をベースにしたオリジナル音楽の情感に、
豪華な衣装は、古代日本というよりは
より広くオリエンタル・ファンタジー風で独創的。
また二幕の炎(焼津)や、荒波(走水)の、
フラッグや布を使った表現は、ミュージカル的であり、
これを歌舞伎と融合させるアイデアの斬新さ。

そして、俳優を志していた大学生、
香川照之青年が、どのような心境だったか…

また、その名を継いだ四代目猿之助の
葛藤にも思い至ります。

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日舞を始めたのも、歌舞伎界入りもやや遅く、
また学業との両立を家風とするだけに、
先に歌舞伎座主演を果たした
成駒屋の次男三男(中村福之助・歌之助)や
高麗屋の市川染五郎の後ろにいた團子ですが、
思いがけず主演と一門を「背負わねばならず」、
しかも圧倒的な光輝を放つのですから、
ショービジネスの一寸先は分かりません。

成駒屋の三兄弟(&児太郎)は
もっと活躍の場が開かれて欲しいものです。

また團子におかれても、
コストがかかり、ロングランしなければならない欠点を持つスーパー歌舞伎だけでなく
古典の舞台に立つ機会が失われないことを願います。

いつの時代の誰とは言いませんが、
実力が欠ける、と評される俳優、
それもビッグネームであればあるほど
情けないものはありませんから。

今回のヤマトタケルを観ながら、いずれ團子で
『双生隅田川』の最後の激しい舞踊など
観てみたいなあと思いました。

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團子に三代目の面影を重ねながら
スーパー歌舞伎が、
まるで(三代目猿之助の血を引く)團子の登場
待っていたかのような作品・ジャンル、と言いたいのですが
ここに至るまで、大勢の俳優たちが
スーパー歌舞伎文化を繋ぎ発展させてきた功績を忘れることはありません。

受け継がれて、上演を重ねたからこそ、
「三代目猿之助のやってる新しい何か」ではなく
(一過性のサブカルではなく)文化としての普遍性を持ち、
演劇の一ジャンルとしての地位を確立できたのです。

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昨年の四代目猿之助の事件は、
最終的に自殺幇助での判決となりました。

発端となったハラスメント疑惑はうやむやなまま。

本来、ハラスメントは、それぞれの組織・集団の中で解決すべきことで、
週刊誌の刺激的な記事で世に訴えるのは、
最終手段であるべきでした。

四代目猿之助が、演出やキャスティング、そして主演まで果たす八面六臂の活躍振りで、
彼に負担、そしてパワーが集中しているのは明らかでした。
(歌舞伎に限らない、芸能そのものの特質とも言えます)
外部の舞踊家や俳優を積極的に受け入れる澤瀉屋、場合により松竹において、
ハラスメント対策や相談・解決の仕組みが構築されていたか、
この点は検証や改善が必要でしょう。

一方、明らかに誇張した記事(※)や
彼がオープンにしていない性的指向のアウティング(※※)は、
適正な「報道」の枠を超えたものとして、憤りを感じています。
※一例として、
・四代目猿之助が團子を厳しく指導したことを妬みや嫌がらせとした記事
(後継者候補の弟子に熱心な指導をするのは至極当然であり、その動機を曲解)
・歌舞伎界の改革として、男女混成に言及
(「前進座」歌舞伎が顕在であることを知らない、低質なライターによる記事。男女混成の東宝・前進座等は松竹より興行的に成功していない)
※※香川照之父子の歌舞伎入りに際し、未来の段四郎・猿之助になる「團子」の名が与えられたことで、四代目猿之助が実子又は養子の「後継者を作らない」意思は多分に推測可能でした。
とは言え、そこから類推される彼の性的指向をスキャンダラスに噂するのは、人格の尊重に反する行為です。

ところで私は、裁判の中で、四代目猿之助が
舞台復帰の可能性に言及したことに驚きました。
自殺、と言う道を選んでしまった以上、
世を捨て、舞台人を辞める決意をされたかと思いました。

四代目猿之助の舞台に大きな感動をもらった身として
彼の優れた才能が、永久に失われるのはあまりに惜しい。
一方、当然のことながら、
事件の発端であるハラスメント疑惑に対し、
被害を申し出た方との和解や、再発防止策がなされることが絶対に必要です。
未来に続くクリーンな業界であるべく
・師弟関係(親子、養子を含む、愛情と信頼が担保される関係)での厳しい指導と
・ハラスメント
の別は、きちんとつけるべきです。

その上で、ひとり生き残った四代目猿之助こと喜熨斗孝彦氏が、
心穏やかに、徐々に現実に向き合われ、またいつの日か、
(表舞台とは限らず、脚本、振付、指導など様々な形で)
芸事の才能を発揮されることを願っています。

ただし、観客やスポンサーの支持を受けるかは、また別の話です。

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三代目猿之助の発病以来、約20年間の澤瀉屋の歩みが
「無かったこと」にならないよう、
この間に澤瀉屋や、あるいは歌舞伎界から
距離を置いた方々に思いいたしつつ
新たな「ヤマトタケル様の時代」の到来に大きな期待を寄せます。





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宝塚の事件とOSK

2023年10月14日 16時57分30秒 | OSK・宝塚(OG含む)

まずは、満月の夜に自ら命を絶たれた

宙組の生徒さんの御冥福を心よりお祈りいたします。

ご遺族はもちろん、現役生徒さんらに

適切な対応が行き届くことや、組織改革を願っています。

(※亡くなられた直接の原因等は、今は分かりませんので

個別案件としては、本記事でも触れておりません。)

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宝塚歌劇団は様々な問題を内包してきました。

①中の人(劇団員、保護者、スタッフ)同士

②「ファン」同士

③中の人と「ファン」の関係

に大別できると思います。

加えて、歴史的に「宝塚は学校である」との

建前の元、プロとして相応しい技量⇔待遇

では無いと認識しています。

(その分、人材育成の功績も大きい)

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様々な諸問題に対し、

「学校」としては、①や②の行き過ぎた競争や

悪しき慣行に歯止めをかけるべきですし、

必要な手当金などの金銭面でのサポートも必要です。

プロ舞台人に対しては、「素人」の付き人(会の代表)

ではくマネージャーや、公式個人ファンクラブを作るとか

やりようはあったはずなのです。

 

長年、タカラジェンヌがプロかアマチュアかを曖昧にし、

内包する問題に向き合ってこなかった。

宝塚の持つ「清く、正しく、美しく」や

「高級」「お嬢様」等の正のイメージ

胡座をかき「金、コネ、いじめ」や「お金がかかる(何に?)」

「不祥事はスルー」の負のイメージ

長年向き合ってこなかったのが、現状だと思います。

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OSKは一時解散騒動があったことで、

かなりリセットされたのでは、と思います。

(近鉄時代のことは断片にしか分かりませんが)

まず、受験の年齢上限が23歳未満まで上がった。

近鉄時代のさくら寮は無くなった。

しかし給与待遇がかなり悪い時期(2007年の民事再生手続の頃)もあった。

 

宝塚は、10代の子供ばかりで社会経験に乏しく、

恵まれた家庭から一発合格を果たし挫折を知らない子や

宝塚以外の目標や価値観を持たない子もいる。

 

それに対し、OSKでは

最大7歳差の多様なバックボーンの研究生たちが

それでも歌劇をやりたい!

と言う共通の強い目標を持っている。

全員ではありませんが、「宝塚落ち」という

大きな挫折を経験している人も少なくない。

近鉄時代から、劇団員の人数も半減近く減った上、

寮が無いので、指導者の目が届かない場所も少ない。

宝塚ほどの、ガチガチのファンコミュニティもない。

スポンサーの冠公演や貸切もない。

数年前にテレビ取材で、給与システム(固定給+チケット売上の歩合給)や

チケット売上に応じたキャスティングの事情が公表されており、

(芸事以外の部分での)競争にも一定の透明性がある。

ファンは応援する劇団員名義でチケットを買えば、

金銭面でも、チケットや配役面でも、

その方を支援することが出来る、単純明快なルールです。

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歌劇ファンとしてOSKやSKDを知ってから、

親会社や設備・スポンサーが盤石な

宝塚がいかに恵まれているか知りました。

しかし、自死に至る生徒さんが出た以上、

宝塚の在り方が「正しかった」とは、

もはや言えません。

様々なしがらみで、硬直化していたのでしょう。

夢の世界、とは言え、そこに生きる

タカラジェンヌは生身の女性です。

宝塚退団後の方が、人生長いのです。

 

比べてみたとき、長年のOSKの苦難は、その度に

組織改革をせざるを得ない契機にはなったのだと思います。

-----

宙組は元々、東京通年公演を実施するために必要な存在でした。

しかし、宝塚も今一度、劇団員数や公演回数を減らし

管理や指導が行き届く規模となり、

宝塚「ムラ」として、関西ローカルで

伸び伸びと、創意工夫に満ちた劇団に戻っても

良いのでは無いでしょうか?

 

亡くなられたジェンヌさんを思うと、

当面『うたかたの恋』『心中 恋の大和路』等の心中物や、

『ベルばら』を含む、メインキャストの死を扱う演目は

演ずるのも観るのも、かなり辛いのではないでしょうか?

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OSKにおいても、朝ドラ効果で大きな追い風の中

100年誌にある、毎年の規則の見直しや、

生徒監によるケアはこれからも続け、

必要な、そして愛のある厳しさの中で芸を磨き

一人一人が心身とも健やかに、

活気ある舞台姿を魅せて欲しいです。

宝塚も同様であって欲しかった。

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改めて亡くなられた宝塚の生徒さんに対し

心より御冥福をお祈りいたします。

御家族や、彼女と心からの友愛で結ばれた仲間やファンの方々のお心が

少しでも安らかであることを願っております。

 

両劇団におかれましては、

未婚の若い女性を多数預かる組織である

女性歌劇の特性を理解し、劇団員を大切にして下さい。

 

特に、最大手である宝塚歌劇団が、過去の様々な不祥事と合わせ

大きな組織改革を図ることを期待しております。

(でも無理なんだろうな…(-ω-;))

 

悲報から2週間余り、モヤモヤした気持を整理すべく

書き綴ってみました。

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令和6年9月浅草公会堂『The 北翔まつり』

2023年09月24日 22時02分32秒 | OSK・宝塚(OG含む)

北翔海莉25周年公演に行ってきました。

2018年の『蘭』での共演のご縁で、

俳優の藤山扇治郎さんとご結婚。

お二人には長男:美治ちゃんが2020年にご誕生になってます。

…で、この藤山扇治郎氏は、藤山寛美さんの孫であり、

松竹新喜劇の重要な俳優さんです。

ただ、近年は松竹新喜劇も芳しくない中、

出自や話題性で申し分ない美治ちゃんの

将来に期待がかかるところ。

北翔海莉自身も、実力派とは言え

個人事務所であり、松竹・東宝系ミュージカルは

すでに宝塚OGで大混雑しているので、

違う路線、すなわち「和」で頑張っている所。

このような中、ご自身のメモリアルとして

松竹新喜劇ゆかりの演目を、

松竹ゆかりの国立文楽劇場や浅草公会堂で演じ

息子さんのお披露目の場も作るという

絶妙なバランスのもとに企画された(と思われる)公演です。

加えて、「今の」彼女の集客力とかも含め

ファンや出演者の方も含めた「内輪向け」の公演でした。

さて第1部『先づ健康』。

いやー、元トップが高齢者役って、

北翔海莉以外には出来ないよなあ、と言う

彼女のセンスが炸裂。

扇治郎さんは次男役ですが、

ジャケットがどうもサイズが大きすぎる。

もしかしたら藤山寛美ゆかりの衣装かも知れませんね。

美治ちゃんは場面は短いながら、等身大の子供役。

第2幕は和物ショー。

幕開きが、「清く、正しく、美しく」で始まる

あの初舞台口上でお馴染みの曲。

北翔海莉のソプラノを初めて聴いたかも知れない…

凄く良かったし、宝塚では口上の間はピアノ演奏なので

フルバージョンの歌としても初めて聴きました。

『JAZZYな妖精たち』のピクシー役で、高い裏声だったことはありました。

ほんの一節だけでしたが。

次に扇治郎さんにより、北翔実父(海自OB )が

合格発表の一日を振り返った『いちばん長い日』

の朗読。お馴染みのエピソードなんですが、

初めて聞くキーワードもあり、興味深かったです。

最近指摘されつつありますが、合格発表が4月だと

必然的に大学や高校の入学手続き・費用がかかり

クラス編成や学用品準備などで、学校側にも迷惑がかかります。

宝塚音楽学校の入試スケジュールも改革が必要な時期に来ていると思います。

そして、宝塚時代の和物メドレー

新人公演の『飛鳥夕映え』や、バウ単独初主演『想夫恋』

から『風の次郎吉』『桜花に舞え』、さらに『蘭』まで、思い出が蘇ります。

宝塚OGや松竹新喜劇系の俳優さんも

みなさん日舞の素養があるので、一緒に踊り、華やかでした。

バウWS初主演『恋天狗』は和物なのに無かった気がします。

退団後の『ふたり阿国』も。

また2014年当時、公演ラインアップ(公演予定)で

当て書きの「大江戸夜飛翔」の文字を見たたとき、いよいよ退団かと思ったのですが、

まさかの星組トップ就任で、本当に驚き、嬉しかったです…

美治ちゃんの日舞「桃太郎」は独りで踊りきれず、

傍らの扇治郎さんは冷や汗(途中から一緒に踊る)。

扇治郎さんと美治ちゃんの「パパとあそぼう」は

微笑ましいものの、美治ちゃんの動きはフリーダム。

私は歌舞伎も観ますので、その子役達と比較すると

お目見えは時期尚早だったと思いました。

ただ、「内輪向け」とは言え、

舞台出演が、楽しく、やり甲斐あるものだと

幼いなりに幸せな記憶として残って欲しいです。

ペンライト禁止タイムになり、

再登場の北翔海莉による、棒術の演舞。

ライトセーバーみたいで格好良かったです。

北翔・扇治郎夫妻で「深川マンボ」を踊ると

風莉じんの歌で共演の皆様「お祭りマンボ」

『蘭』から「大阪ラプソディ」のフィナーレで幕。

宝塚時代からずっとそうですが

北翔海莉は口元が「ありがとうございました」

とはっきり言っているのが分かります。

幕が開いて、ご挨拶。

美治ちゃんがフリーダムに動いても、

母北翔海莉は動ぜず、父扇治郎が冷や汗。

-----

ところで、宝塚OGのセカンドキャリアは

長年の大きな課題です。

特定の方を指すわけではありませんが、

退団後、年々ファンが減っていく中で

元スターが宝塚時代の栄光を引きずり続け、

「落ち目」になっていくのは、残念な姿です。

また宝塚時代の若々しいイメージを引きずり

年齢相応では無い姿(言動、ファッション)も痛々しいです。

取り巻きの「ファン」も、疑似恋愛的にチヤホヤするにもかかわらず

OGジェンヌの人生にまで責任を持たないので

お花畑を作り出してはいけないと思います。

永遠に若く美しく大人気のスター、等あり得ないのですから…

潔く芸能活動から距離を置き、スター時代のイメージを大切にするのも、

また一つのセカンドキャリアの有り様だと思います。

その点、北翔海莉は「身の丈」「持ち味」や

扇治郎さんを含めた「周りの状況」を理解しながらも

公私共に充実し、実に楽しそうに活動していて、

安心して観ていられます。

コロナ禍で、副業として?

美容サロン経営・エステティシャンも始めましたしね。

もともと多趣味で努力家の方なので

ご本人の興味関心と実益が両立できてるんだろうなと思います。

今回は冒頭から何度も書いたとおり「内輪向け」で、

共演の方々も含め、実力があるものの

上手く肩の力を抜いていて、程よく楽しかったです。

北翔海莉さんが、今後も手堅く、楽しみながら

「天職」である舞台人として活躍なさることを

期待しています。

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