ということで、OSK南座公演も第2部のレビューです。
幕間に売店のようなところで、スターさんに贈られた花を見る。
宝塚じゃ「誰の花の方が豪華!」とかつまらないところで揉めそうだから
こうやって飾ることも出来ないよなぁ…
技芸員さん(団員に対して親しみを込めこう呼ぶそうです)へのメッセージノートがあり、
ちょっと見ると、ファンの熱いメッセージが。
こうしたファンの想いは宝塚もOSKも変わりませんね。
ノートっていうところが、何ともOSKらしいというか親しみが感じられます。
テーマ曲「桜咲く国」の歌詞カードがあったので一枚もらっておく
後で歌うのかしら…?
<第2部・シャイニングOSK>
娘役さんのダンスの後、いきなり階段でびっくり
「会いたい人に会いたくなる、それは秋のせい」
といった素敵な歌。サビ部分は一発で覚え、ずっと口パクで歌ってしまいました。
それほど、こうした華やかな「レビュー」に飢えていたのかも知れません。
次はニューヨークの場面。
ちょっとストーリー性がある場面。
最前列なので、ちょっとしたセリフ(マイク無し)も聞き取れ感動。
本当にお芝居してるんですね。
その次の若木さん以下娘役の猫ちゃん達。
若木さんは猫顔といった印象(悪い意味ではありませんよ)だったので
チャーミングな表情と、レオタードのようなセクシーな衣装で本当に素敵。
スパニッシュの場面で、OSKのスターさんが全員歌えることに気がつく。
だからスピーカーの前でも辛く感じなかったのか…音は大きいけど(笑)
「歌の宝塚、ダンスのOSK」と言われた、面影はもはや宝塚には無い…
すぐ真横のセリから上がってくる桜花さんの口元にやられた。
何、今の、あのニヤッっていう微笑みは
若手娘役5人のユニット?チェリーガールズ!
ピンクの衣装で例の主題歌を歌う。
みんな可愛いけど、特に瀬乃明日華さんがめちゃくちゃ可愛い
どうしようかと思った。
そしてピンクの衣装を脱ぎ捨て、白いミニスカートに。
こうした演出(歌の途中での早変わり)は宝塚では滅多に見ないので新鮮。
次の場面「ブラック・アンド・ホワイト」は迫力に圧倒される。
ベテランから下級生までほぼ全員が、ほぼ同じ踊りを激しく踊っている姿に感動。
OSK名物とまで言われるロケット(ラインダンス)は間近で見るとスゴいこと。
いや、いろいろと(赤面w)
速いし揃ってるし足もあがってるし、圧巻の一言。
そして男役スター3人(桜花さん、高世さん、桐生さん)が歌います。
「チームワークのOSK」とか「栄光は目の前だ!」とか
OSKへの賛歌。
でも民事再生法適用などで大変な時期に、聞くとなんだか胸が熱くなります。
やっぱりスターが歌える人たちなのは良いですね。
そしてフィナーレに突入。
エトワールの水無月さんは聞かせる。
公式ページの「劇団に無くてはならない存在」というのも分かる。
衣装は奇麗な水色で、スターさんだけがブルー。
桜花さんだけでも、もう一段豪華な衣装でも良かったか?
背負う羽根が無くでも、空間が埋められる力。
これこそOSKの底力をみせてもらった気がする。
何度も手拍子も入れて、(すぐ近くに熱狂的な男性ファンが)
時には歌を口ずさみ(口パクだけど)
本当に楽しいショーでした。
こんなショー、と言うよりレビューが観たかった!
と大満足のうちに幕あー、楽しかった。
…あれ「桜咲く国」は?
と思ったら、まず桜花さんがご挨拶。
上の方の席から「桜花さーん!」という声が。
かけ声OKなんですかね、OSKって。(違うかな?)
「では、秋ですけれど、皆さんご一緒に『桜咲く国』」
余談ですが"桜"のイントネーションが語頭上がり(高低低)なのに関西らしさを感じましたw
と再び幕が開いて、ピンクの傘をもった出演者がスタンバイ。
OSKならではの、傘のダンスとテーマ曲を生で観ちゃいました☆
「わが歌ブギウギ」の特別出演時にはほんのちょっと披露されていただけですので、
とても感激本当に「桜咲く国」は名曲だと思います。
直前に観た、「レビュー・オルキス」が普段と違った趣向のショー
ということもあり不完全燃焼だったので、
ショーらしいショー、レビューらしいレビューが見られて良かったです。
宝塚は女性だけの劇団です。
そして、もう一つ。OSK日本歌劇団という劇団が存在します。
宝塚に匹敵する歴史(1922年創設)を持ちながらも、低迷し2003年に解散。
さすがに話題になり、技芸員(団員)さんの
必死の署名活動等が週刊誌にも載りました。
そして2004年にNewOSK日本歌劇団として復活。
松竹座公演の復活など、地道に活動してきましたが
今年2007年秋に民事再生法が適用……と逆境と闘う劇団です。
真琴つばさ様の「我が歌ブギウギ」にOSKの皆さんが外部出演し、
中でも"退団を決意する"スター役の桜花昇さんの好演が印象的でした。
それで気になって、今回宝塚のついでに観に行くことにしました。
…すげぇ楽しかった
「ついで」と思った私が失礼でした。
こんな楽しい舞台は初めて見ました。すっかりOSKに転びかけています。
2等席4000円のつもりが、最前列が取れると言うことで1等席8000円の出費。
金額以上のものをみせてもらったと思います。
<第一部・源氏千年夢絵巻>
まずは琵琶奏者で紫式部役の上原まり(元宝塚トップ娘役)が登場。
源氏の冒頭部分「いづれの おおん時にか…」を語ります。
レビュー×日本物(しかも本格的和化粧)って安っぽい舞台なんじゃ?
と思っていただけに、見事に裏切られました。
(娘役としても全然現役!)上原まり様のおかげ?で格調高く源氏の世界に引き込まれ、
と思いきや、コミカルな場面、幻想的な場面、現代的な場面と
優雅かつ面白い源氏でした。
桜花さんは群を抜いて素晴らしい。
ひたすらに美しい。
そして声が素晴らしい。
宝塚の男役はタバコで声を低くする人もいますが、
そうはしてないんじゃないかと。
「藤壷様!」と言う声の、なんと悲痛で甘美なことか。
藤壷役の若木志帆さんは、への字型の目(日本犬のような目)を潤ませながら
藤壷の複雑な心境を表現。
潤んだ瞳が切なくて美しかった。
とにかく娘役(女役)さんは粒ぞろい。
貴族の女性チームで、私のちょうど向かいにきた方が可憐で愛らしい。
誰だろう。
六条御息所役の北原さんは怖い。
夕顔役の朝香さんはたおやかだけど儚げ。
葵役の春咲さんはいかにも「気位の高いお姫様」
…そして若紫役の牧名ことりさん!
ポスターで見る限り、パッツン前髪がうーん…
と思ったら、
花びらがひらひら舞い落ち、春の精・桜の精が踊る中を
ちょこちょこと動く姿のなんと愛らしいこと。
一時間の芝居(レビュー?)ですから、
藤壷との恋を中心に、若紫との出会いで終わらせるのは適切。
「可憐な少女に救いを見いだした」というのが分かり易いともっと良かったかと。
面白い場面もいっぱいあり、斬新だと思ったのは
まず、夕顔が物の怪に襲われるシーン。
無駄に夕顔が動いたりせず、物の怪役の男役たちが黒い布を持って踊り
恐ろしい物の怪が去った頃には、
舞台中央で光源氏に抱かれたまま、夕顔は息絶える…
そして、車争いの場面
正妻・葵と愛人・六条の、祭りの際に牛車を止める位置での争い。
最高に斬新でスゴかった。
語り部の紫式部が「今も昔も交通渋滞が…」と言う感じで話を進め
交通渋滞の車のクラクションやエンジンの音が。
そのまま激しい曲になり、それぞれの車役が激しいダンス。
車でもあり、従者でもあり
とにかくその振り付け・曲・ダンスの迫力に圧倒されました。
見終わった直後の感想は
「予想以上に素晴らしかった」です。
中には感激して「すごい感動したわ!」と連呼される女性も。
休憩時間に後ろの方に話しかけたら、やはりOSK初観劇の宝塚ファン。
私だけじゃないのね(笑)
<後半・レビュー編に続く>