韓国映画を4連続で観賞しました。
パクリ・捏造・ゴリ押しがなければ、
外国映画の一ジャンルとして悪いものじゃありません。
韓国映画・ドラマが興味深いのは、
軍事政権時代&北との不安定な対立があるため、
アクションでもサスペンスでも近代史ものでも、ネタの宝庫な点です。
甘ったるいロマンスや捏造時代劇で韓国(+朝鮮半島)に幻想を抱くより、
脚色や演出(や捏造)が入りながらも
こうした軍事政権や南北分断を題材にした作品が、
日本でもっと注目されて欲しいなと思う次第。
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そんな今回のセレクトはこちら。
観賞順でもあり、物語の時代順でもあります
シルミド(2003年)
(あらすじ)
1968年、北朝鮮軍工作員による、韓国大統領:朴正煕の暗殺未遂事件が発生。
韓国政府は報復に金日成暗殺ためだけの部隊を
極秘裏に創設し、実尾(シルミ)島で過酷な訓練を行う。
しかし1971年、情勢の変化から金日成暗殺の必要がなくなり、
部隊の必要も「なくなって」しまった……
光州5・18(2008年、原題:華麗なる休暇)
(あらすじ)
1979年10月、朴正煕が暗殺され、
同年12月、軍人の全斗煥が粛軍クーデターにより軍の実権を握る。
1980年、韓国全土で民主化要求運動が広がる。
光州(クァンジュ)市のタクシー運転手:カン・ミヌは
高校生の弟:ジヌ、憧れの看護婦:パク・シネと平凡な生活を送っていた。
しかし、全南(チョンナム)大学の学生デモが弾圧され、
市民vs戒厳軍の構図が鮮明となる。
5月17日、全斗煥は非常戒厳令を全国へ拡大させ、
翌18日、光州で大規模な弾圧が発生する……
JSA(2000年)
(あらすじ)
38度線上にある共同警備区域(JSA)で、
韓国兵:イ・スヒョクが朝鮮人民軍兵を射殺する事件が発生。
「北に拉致された」「南のテロ」と双方の主張が対立する中、
中立国として韓国系スイス人のソフィー・ジャンが派遣され調査にあたる。
スヒョクは、訓練中に38度線を超え、
地雷を踏んで身動きが取れなくなっていた所を
北朝鮮軍のオ・キョンピル、チョン・ウジンに救われる。
スヒョクの後輩:ナム・ソンシクも加わり
4人は「同じ民族として」友情を深めていたが、
ついに破局が訪れる……
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まず、「シルミド」ですが、
相当に脚色が入っているものの、
「祖国統一」という目標がはっきりしています。
私は、民主化された韓国・貧困国の北朝鮮しか知らない世代なので、
統一という言葉に現実見があるのが興味深かったです。
時系列ではそれから10年後の「光州5・18」。
あくまで人間ドラマがメインです。
5/18の虐殺の場面が秀逸。
ところで「シルミド」では、韓国国歌が"蛍の光"の旋律
「光州5・18」では、現行の"愛国歌"の旋律でした。
いつごろ、変わったんでしょうか?
さて、最後の「JSA」。
こちらは1999年(=現代)の物語で、
もはや「統一」に現実味はありません。
その中で産まれた、南北双方の兵士達の友情、誤解、
そしてヒロインのかざす「正義」のあり方…
単なるサスペンスではなく、様々なことを考えさせられる映画です。
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で、もう一本は
カンナさん大成功です!(2006年、原題:美女はつらいの)
(あらすじ)
デブスのカンナは、美しい声を活かして、
セクシーな歌手:アミの吹替えをしていた。
アミの嫌がらせから、憧れのプロデューサー:サンジュンの真意を知り
自殺を図るが、テレクラの顧客の整形外科医から電話があり
大掛かりな整形手術を決意する。
1年を経て、美しくなったカンナは、歌手としてデビュー。
しかし新たな悩み・悲しみは尽きることなく……
(感想)
原作「カンナさん大成功です!」の面影は全くないが、
こんなに整形が盛んなのに、整形外科医が尊敬を受けない等、
整形大国の姿が垣間見ることができ、大変興味深い。
後にこの映画はミュージカル化されましたが、日本上演に際し
原作者側と著作権でトラブルになり、
東京地裁では「舞台の原作は映画版で、原作の面影がないから別作品」なる
( ゚д゚)ポカーンな判決が出ています。
著作権問題の観点からも、とても興味深いです(笑)
パクリ・捏造・ゴリ押しがなければ、
外国映画の一ジャンルとして悪いものじゃありません。
韓国映画・ドラマが興味深いのは、
軍事政権時代&北との不安定な対立があるため、
アクションでもサスペンスでも近代史ものでも、ネタの宝庫な点です。
甘ったるいロマンスや捏造時代劇で韓国(+朝鮮半島)に幻想を抱くより、
脚色や演出(や捏造)が入りながらも
こうした軍事政権や南北分断を題材にした作品が、
日本でもっと注目されて欲しいなと思う次第。
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そんな今回のセレクトはこちら。
観賞順でもあり、物語の時代順でもあります
シルミド(2003年)
(あらすじ)
1968年、北朝鮮軍工作員による、韓国大統領:朴正煕の暗殺未遂事件が発生。
韓国政府は報復に金日成暗殺ためだけの部隊を
極秘裏に創設し、実尾(シルミ)島で過酷な訓練を行う。
しかし1971年、情勢の変化から金日成暗殺の必要がなくなり、
部隊の必要も「なくなって」しまった……
光州5・18(2008年、原題:華麗なる休暇)
(あらすじ)
1979年10月、朴正煕が暗殺され、
同年12月、軍人の全斗煥が粛軍クーデターにより軍の実権を握る。
1980年、韓国全土で民主化要求運動が広がる。
光州(クァンジュ)市のタクシー運転手:カン・ミヌは
高校生の弟:ジヌ、憧れの看護婦:パク・シネと平凡な生活を送っていた。
しかし、全南(チョンナム)大学の学生デモが弾圧され、
市民vs戒厳軍の構図が鮮明となる。
5月17日、全斗煥は非常戒厳令を全国へ拡大させ、
翌18日、光州で大規模な弾圧が発生する……
JSA(2000年)
(あらすじ)
38度線上にある共同警備区域(JSA)で、
韓国兵:イ・スヒョクが朝鮮人民軍兵を射殺する事件が発生。
「北に拉致された」「南のテロ」と双方の主張が対立する中、
中立国として韓国系スイス人のソフィー・ジャンが派遣され調査にあたる。
スヒョクは、訓練中に38度線を超え、
地雷を踏んで身動きが取れなくなっていた所を
北朝鮮軍のオ・キョンピル、チョン・ウジンに救われる。
スヒョクの後輩:ナム・ソンシクも加わり
4人は「同じ民族として」友情を深めていたが、
ついに破局が訪れる……
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まず、「シルミド」ですが、
相当に脚色が入っているものの、
「祖国統一」という目標がはっきりしています。
私は、民主化された韓国・貧困国の北朝鮮しか知らない世代なので、
統一という言葉に現実見があるのが興味深かったです。
時系列ではそれから10年後の「光州5・18」。
あくまで人間ドラマがメインです。
5/18の虐殺の場面が秀逸。
ところで「シルミド」では、韓国国歌が"蛍の光"の旋律
「光州5・18」では、現行の"愛国歌"の旋律でした。
いつごろ、変わったんでしょうか?
さて、最後の「JSA」。
こちらは1999年(=現代)の物語で、
もはや「統一」に現実味はありません。
その中で産まれた、南北双方の兵士達の友情、誤解、
そしてヒロインのかざす「正義」のあり方…
単なるサスペンスではなく、様々なことを考えさせられる映画です。
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で、もう一本は
カンナさん大成功です!(2006年、原題:美女はつらいの)
(あらすじ)
デブスのカンナは、美しい声を活かして、
セクシーな歌手:アミの吹替えをしていた。
アミの嫌がらせから、憧れのプロデューサー:サンジュンの真意を知り
自殺を図るが、テレクラの顧客の整形外科医から電話があり
大掛かりな整形手術を決意する。
1年を経て、美しくなったカンナは、歌手としてデビュー。
しかし新たな悩み・悲しみは尽きることなく……
(感想)
原作「カンナさん大成功です!」の面影は全くないが、
こんなに整形が盛んなのに、整形外科医が尊敬を受けない等、
整形大国の姿が垣間見ることができ、大変興味深い。
後にこの映画はミュージカル化されましたが、日本上演に際し
原作者側と著作権でトラブルになり、
東京地裁では「舞台の原作は映画版で、原作の面影がないから別作品」なる
( ゚д゚)ポカーンな判決が出ています。
著作権問題の観点からも、とても興味深いです(笑)
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