メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

トレーラーABS…チェックランプ点灯

2015-11-17 23:27:46 | トレーラー
10年程前からだと思うんですが、トレーラーにもABSの装着が義務化されました…

現在では新たに製作するトレーラーにはABSと併せてEBSの装着も義務化が検討されてます。


国産トレーラーが採用してるABSメーカーは2種類…
1つはWABCO製で…

もう1つはBOSCH製…こちらは日本ではNABCO(現NabtescoJAPAN)が代理店となり取り扱ってましたが…現在はトレーラーABSからは撤退しております…


このトレーラーABSですが、メーカーは2社ですがその種類は年代別にバージョンが変わってきているので結構な種類があります…
そんなトレーラーABSにも結構トラブルとか不具合が多いんです…

最近ではトラクター側に必ずトレーラーに接続するABS用のジャンパーケーブルが付いてますが、トラクター側はあくまでも電源とウォーニング回路のみで実際の制御はトレーラー側に付いてるECUで行います。

自己診断機能があり、連結状態で走行してトレーラーABSに異常があればトラクターのメーター内にウォーニングランプを点灯させます…


で、今回車検で入庫したトレーラーが引取り時にトレーラーABSのチェックランプが点灯しており自己診断をすると左PCVの異常…と出ます…

ただこの自己診断はかなりざっくりなもので、PCV異常…といっても配線なのかECUなのかPCV本体の異常なのかを調べる必要があります。

ここでお客様である運送会社の担当者には修理しないと車検には受かりません…という事を説明するとその担当者は『他の整備会社はそのまま車検に通してくれますけど…』と
この運送会社様は当社の他に2つの整備会社と取引があるんですが、その2社共チェックランプが点灯した状態で車検に通すみたい…

その担当者の方には『それは整備不良であり違法行為でもあります…チェックランプが点灯してる場合ABSは作動しないので非常に危険です…』という事を説明をしてご理解頂きました。



その問題のABS…
BOSCHのミニカッパーというタイプのABS。
故障コードは2-8で左PCV異常…


実はこのタイプのABSでこのPCVの故障コードはよくある症状なんです…
配線を調べても断線やショートも無し…PCVの単体点検でも異常無し…結果ECUと判断して治らなかった…という話もチラホラ聞きます…


自分の今までの経験から言えば原因は…単なる接触不良がほとんどです…
ECU側のPCVのコネクター…この平端子が接触不良を起こします…

このコネクターを外して…


コネクターから端子を外すと…

メス端子の口が広がってます…
ここの接触不良が多いです。



その端子をペンチなどで締め直し、再度組み付けて故障コードの消去を行います。
試運転してチェックランプが消えた事を確認します。



実際、コレで直るパターンがほとんどです…

まあ稀に電源不良の場合もあります…
トレーラーABSはECUとPCVの電源が別なのでトラブルシュートには注意が必要ですが…




にしても…チェックランプが点灯したまま車検に通す整備会社…事故が起きてからでは遅いです…
ちゃんと責任を持って整備して下さい…



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