メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

続…謎のエンジンO/H

2016-04-22 23:39:49 | 整備
前回の続きですが…


相変わらず何のエンジンか分からずに作業しています…

前回はタイミングギヤの嵌合があまりにも固く外れなかったんですが…
その後エンジンの構成図を見てると、もしかしてタイミングギヤを抜かなくてもバラせるんじゃない⁉︎…って事で作業を再開。

インジェクションポンプとガバナーを取り外していきます…

なかなか変わった造りです…
インジェクションポンプのハウジングがシリンダーブロックと一体構造になっており、そこにプランジャー、インジェクションカム、ガバナーがそれぞれ別々に取り付けられてます。
パーツリストを見てると複数箇所にアジャストシムがあり、どうやら組み付け時は噴射タイミングなどの調整が必要のようです…
現車に合わせて調整出来る…という意味では良いかもしれませんね…


で、予想通りタイミングギヤを抜かなくてもインジェクションカムが抜けてきました…

初めからもう少し考えてれば…と反省。
無駄に炙ってしまったギヤは後で歪みの点検もする事に…

カムシャフトも普通に抜けてきました…



オイルポンプも取り外します…



ピストンを外す前にシリンダー上部のカーボンをスコッチブライトにて除去しておきます…
ピストンの状態を正しく判断するには必要な作業です…


ここからはエンジンを180度ひっくり返してオイルパンを外していきます。



コンロッドキャップを取り外してピストンを抜きとり…
1、2番のピストンは特に問題無さそうです…



問題の3番…

変形してます…
コンロッドは見た感じでは曲がりは無さそうです…


クランクシャフトも取り外していきます。



シリンダーを点検。
3番も特に気になる傷はありませんがサビが目立ちますね…
明らかに水分が混入した跡です。

他のシリンダーはクロスハッチも残っており全く問題無さそうです。


シリンダーの内径は3箇所ともほぼ同じ数値なのでホーニングで問題無さそうです。

各部のメタルの当たり具合もまずまずです…




カムシャフトギヤとインジェクションカムのギヤの振れや歪み…などの点検も。


炙ったギヤも問題無し…
良かった…笑

ブロックの歪みも無し。


シリンダーヘッドもバラしていきます…






やっぱり3番は錆びてます…


原因を探る為各部を点検してると予想してた通り、ヘッドガスケットが飛んでおりました。


激しく抜けてます…
コレで納得ですね…

やはり原因はヘッドガスケットが抜けてシリンダー内にクーラントが混入してウォーターハンマー…といった感じでしょう…
幸いにも見た目ではコンロッドは曲がってませんでしたが、オーバーヒートの可能性もあるのでヘッドも歪みの点検後、水圧テストに出す事にします…


なのでシリンダーブロックはホーニング、クロスハッチ加工…
シリンダーヘッドは水圧テスト…必要なら修正研磨…といった感じ。

ピストンやリングはこの際全部交換…メタル関係も全数交換してクランクシャフトはラッピングを…

バルブシートやガイドはまた明日点検してからどうするか決める事にします。




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