世間では朝日新聞は左翼というイメージがつきまとっているが、
そんなことは全然ない。特に消費税増税については政府の回し者と
言われても仕方がない体たらくっぷりを見せている。
---------------------------------------------------------
将来を見通せば、増税による負担増は避けられない。
そう覚悟を決め、あえて大胆に発想を転換しないことには、
社会保障の基盤を固めて希望社会への道筋を描いていくことはできないだろう。
*
では、その負担増をどの税金でおこなうか。
それはやはり消費税を中心にせざるを得ない、と私たちは考える。
消費税は国民が広く負担する税金だ。
国民みんなが互いの生活を支え合う社会保障の財源に適している。
また、少子高齢化が進むにつれ、所得を稼ぐ現役世代は減っていくので、
現役にばかり負担を負わせるわけにはいかない。
一方で、所得の少ない高齢者のなかにも、現役時代の蓄積で豊かな層がある。
こうした人々にも、消費する金額に応じて
福祉の財源を負担してもらうことは理にかなっている。
所得税や法人税の税収が景気によって大きく変動するのにくらべ、
消費税収は安定しているため、福祉の財源に適しているともいわれている。
安心の財源は消費税を中心にと考えるのは、以上の理由からだ。
http://www.asahi.com/shimbun/teigen/teigen07.html
----------------------------------------------------------
上の文章は2007年12月9日の社説から引用したものだ。
この理論には明らかな嘘が含まれている。
まず、所得税は所得に応じた税であり、勤労世代のみならず
年金世代もその年金額に応じて負担を負っている。
次に、消費税は企業が獲得した利益から政府に対して支払う付加価値税であり、
直接には消費者が支払っているわけではない。そのため、売上が赤字である
中小企業(日本の全企業の7割に相当する)にとって重税となるのだ。
国民が負担を負うというのは部分的な説明であり、
肝心の中小企業への更なる負担という面は無視されている。
最後に、小泉政権以降、福祉費は削減の傾向をたどっており、
増税しても、公共事業や軍需産業に使われるのが関の山だ。
福祉のために消費税が使われる保証などどこにもないのである。
このように大新聞が大ウソをついてまで増税を主張しているのだが、
時期に注目してもらいたい。2007年は安倍晋三の政権の時期である。
では、2013年になって朝日はどうこたえているか?
--------------------------------------------------------
安倍首相が、消費税の増税を決めた。5%の税率は来年4月から8%に上がる。
97年4月に3%から5%になって以来、17年ぶりの消費増税だ。
これまでは所得税などの減税とセットだったが、今回はない。
金額にして8兆円余り。わが国の税制改革史上、例のない大型増税である。
家計への負担は大きい。
■一体改革の原点
それでも、消費増税はやむをえないと考える。
借金漬けの財政を少しでも改善し、
社会保障を持続可能なものにすることは、待ったなしの課題だからだ。
「社会保障と税の一体改革」という原点に立ち返ろう。
国債を中心とする国の借金の総額は国内総生産(GDP)の約2倍、
1千兆円を突破した。今年度の一般会計では、
新たな国債発行が40兆円を超え、予算の半分近くに及ぶ。
最大の原因は、高齢化に伴う社会保障費の伸びだ。
医療や年金、介護の財源は、保険料や窓口負担だけでは足りない。
国や自治体が多額の予算を投じており、国の社会保障費は年に1兆円ほど膨らみ続ける。
将来の世代に借金のツケを回しながら、今の世代の社会保障をやりくりする――。
こんなことをいつまでも続けられるはずがない。
社会保障を安定させ、財政の危機を未然に防ぐには、
今を生きる私たちがもっと負担するしかない。
では数多い税金のうち、なぜ消費税なのか。
社会保障による給付は高齢者向けが中心だ。
お年寄りの割合は上がり続けており、所得税など
働く世代の負担だけに頼るわけにはいかない。
しかも、現役組は賃金が増えないなか、子育てや教育、
住宅など多くの負担を抱える。支援を強化しないと、
人口減少に拍車がかかりかねない。
こうした点を考えれば、国民が幅広く負担し、
税収も安定している消費税が、社会保障の財源に最もふさわしい。
http://d.hatena.ne.jp/oguogu/20131002/1380716457
---------------------------------------------------------
このように全く進歩していない。
朝日新聞は一貫して安倍自民党に対して
忠誠を示してきたメディアなのである。
とはいえ、朝日新聞もこの税の問題点については熟知しており、
やれ所得税も増やせだの法人税の減税は疑問だなどと書いているが、
消費税よりも先に富裕税を導入せよなどとは主張していない。
要するに、「自民党の信頼を失わない程度に増税しろ」と言っているのである。
口先ではNoと言いながら実際にはGoと主張している点が
反共左翼の特徴だと何度も言ってきたが、朝日新聞はその典型だ。
こういう連中がどれだけ民衆の目を濁らせ、体制に協力してきたことか。
私はこのような反対者の仮面を被った裏切り者を激しく嫌悪する。
最後に、メディアの犬っぷりを批判した赤旗の記事を紹介して終わるとしよう。
-------------------------------------------------
「世界も注目」「“歴史的”会見」―テレビ各局は、
安倍晋三首相が来年4月から消費税を8%に引き上げると表明した
1日の記者会見を大々的に報じ、その後の生出演を含めて、
まさに“安倍演説”を垂れ流しました。
消費税増税法を強力に後押ししてきた全国紙も翌日の社説で、
首相への“支援”を表明。巨大メディアがあげて増税を支援する異常ぶりです。
権力の監視というジャーナリズムの使命はどこにいったのか―。
消費税を8%に上げると宣言した1日、安倍首相のテレビ対応は二段構えでした。
まず夕方6時に増税表明の記者会見を設定。NHKと民放全局がいっせいに生中継し、
「“歴史的”会見」(日本テレビ)と銘打って、増税をアピールする
首相の姿がテレビを占拠しました。
これに先立つ時間帯には、各局ともニュース・情報番組が並んでいます。
これらの番組で、記者会見への前宣伝が仕掛けられていったのも見逃せません。
「消費税増税について世界も注目」(日本テレビ)、
「総理は重要な政策は、自ら説明する形をとってきた」(TBS)と持ち上げ、
フジテレビは「ついに決断!」と特集を組みました。
安倍政権の二つ目の策は、夜のニュースへの満遍ない対応です。
NHKの「ニュースウオッチ9」に続いて、10時からは
BS日テレ「深層NEWS」に生出演。11時台のTBS
「NEWS23」とテレビ東京「WBS」には収録した単独インタビューで応じ、
日本テレビ「ニュースゼロ」はBS日テレ分を借用して放送しました。
いずれも番組の基調は、申し合わせたように「首相の決断と5兆円の経済対策」。
そこには消費税増税への批判的検証はありません。
首相は、復興特別法人税減税で企業に活力が戻れば賃金が上がる、
法人対個人という考え方はナンセンス(ばかげている)と繰り返しました。
来年4月から消費税増税をすることについては依然、
国民の多くが反対・慎重の態度です。各局の番組が伝えた街の声は、
増税の負担がのしかかることへの「不安」「やっていかれない」
という切実なものがほとんど。
とくに被災地からは
「生活必需品もいる。消費税増税は絶対に反対」(宮城県石巻市)
と強い叫びが届きました。この声に立った報道がなぜできないのか。
国民の気持ちに耳を傾けず、政権にコントロールされ、
増税を後押しする大手メディアの異様さが際立っています。
異常な消費税増税垂れ流し報道の裏で、
巨大メディア幹部と安倍首相の密接な会合が続いています。
参院選が終わるやいなや、7月22日には、
「朝日」の木村伊量(ただかず)社長や
日本テレビの大久保好男社長らが首相と会食。
首相の夏休み中には、日枝久フジテレビ会長や
杉田亮毅前日経新聞会長らが首相とゴルフを楽しみ、その後に会食しています。
消費税増税法の旗振り役だった「読売」も渡辺恒雄会長が、
国際オリンピック委員会(IOC)総会から帰国した首相と会食しています。
会食はいずれも2時間から3時間をかけており、
高額な料金で知られている高級店ばかりです。
こうした会合を続けているトップに、
消費税増税に悲鳴をあげる庶民の痛みや不安、怒りがわかるのか―。
首相の消費税増税表明の翌2日、全国紙は国民への負担増を
解説する記事を載せたものもありましたが、社説ではこぞって支持。
「日経」「産経」は1面で礼賛論評も載せました。
「読売」や「朝日」も、「受け止める」「やむを得ない」などとしました。
全国紙には、参院選の結果を踏まえた国会での審議も
抜きに首相が消費税増税を「決断」したことへの批判も皆無で、
権力監視の役割は消し去られたかにみえます。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-10-05/2013100501_01_1.html
----------------------------------------------------
これまでの私の記事を読めば理解していただけると思うが、
こう見えて私は共産党に対してシンパではない。
天皇制と共産主義国への評価、領土問題については
対立していると言ってもよいぐらいだ。だが、そうであっても
日本で最も有力な情報を発信しているのもまた共産党なのである。
共産党を超える情報組織が存在しないこと。
この点が非常に危機的であると私は思うのである。
そんなことは全然ない。特に消費税増税については政府の回し者と
言われても仕方がない体たらくっぷりを見せている。
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将来を見通せば、増税による負担増は避けられない。
そう覚悟を決め、あえて大胆に発想を転換しないことには、
社会保障の基盤を固めて希望社会への道筋を描いていくことはできないだろう。
*
では、その負担増をどの税金でおこなうか。
それはやはり消費税を中心にせざるを得ない、と私たちは考える。
消費税は国民が広く負担する税金だ。
国民みんなが互いの生活を支え合う社会保障の財源に適している。
また、少子高齢化が進むにつれ、所得を稼ぐ現役世代は減っていくので、
現役にばかり負担を負わせるわけにはいかない。
一方で、所得の少ない高齢者のなかにも、現役時代の蓄積で豊かな層がある。
こうした人々にも、消費する金額に応じて
福祉の財源を負担してもらうことは理にかなっている。
所得税や法人税の税収が景気によって大きく変動するのにくらべ、
消費税収は安定しているため、福祉の財源に適しているともいわれている。
安心の財源は消費税を中心にと考えるのは、以上の理由からだ。
http://www.asahi.com/shimbun/teigen/teigen07.html
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上の文章は2007年12月9日の社説から引用したものだ。
この理論には明らかな嘘が含まれている。
まず、所得税は所得に応じた税であり、勤労世代のみならず
年金世代もその年金額に応じて負担を負っている。
次に、消費税は企業が獲得した利益から政府に対して支払う付加価値税であり、
直接には消費者が支払っているわけではない。そのため、売上が赤字である
中小企業(日本の全企業の7割に相当する)にとって重税となるのだ。
国民が負担を負うというのは部分的な説明であり、
肝心の中小企業への更なる負担という面は無視されている。
最後に、小泉政権以降、福祉費は削減の傾向をたどっており、
増税しても、公共事業や軍需産業に使われるのが関の山だ。
福祉のために消費税が使われる保証などどこにもないのである。
このように大新聞が大ウソをついてまで増税を主張しているのだが、
時期に注目してもらいたい。2007年は安倍晋三の政権の時期である。
では、2013年になって朝日はどうこたえているか?
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安倍首相が、消費税の増税を決めた。5%の税率は来年4月から8%に上がる。
97年4月に3%から5%になって以来、17年ぶりの消費増税だ。
これまでは所得税などの減税とセットだったが、今回はない。
金額にして8兆円余り。わが国の税制改革史上、例のない大型増税である。
家計への負担は大きい。
■一体改革の原点
それでも、消費増税はやむをえないと考える。
借金漬けの財政を少しでも改善し、
社会保障を持続可能なものにすることは、待ったなしの課題だからだ。
「社会保障と税の一体改革」という原点に立ち返ろう。
国債を中心とする国の借金の総額は国内総生産(GDP)の約2倍、
1千兆円を突破した。今年度の一般会計では、
新たな国債発行が40兆円を超え、予算の半分近くに及ぶ。
最大の原因は、高齢化に伴う社会保障費の伸びだ。
医療や年金、介護の財源は、保険料や窓口負担だけでは足りない。
国や自治体が多額の予算を投じており、国の社会保障費は年に1兆円ほど膨らみ続ける。
将来の世代に借金のツケを回しながら、今の世代の社会保障をやりくりする――。
こんなことをいつまでも続けられるはずがない。
社会保障を安定させ、財政の危機を未然に防ぐには、
今を生きる私たちがもっと負担するしかない。
では数多い税金のうち、なぜ消費税なのか。
社会保障による給付は高齢者向けが中心だ。
お年寄りの割合は上がり続けており、所得税など
働く世代の負担だけに頼るわけにはいかない。
しかも、現役組は賃金が増えないなか、子育てや教育、
住宅など多くの負担を抱える。支援を強化しないと、
人口減少に拍車がかかりかねない。
こうした点を考えれば、国民が幅広く負担し、
税収も安定している消費税が、社会保障の財源に最もふさわしい。
http://d.hatena.ne.jp/oguogu/20131002/1380716457
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このように全く進歩していない。
朝日新聞は一貫して安倍自民党に対して
忠誠を示してきたメディアなのである。
とはいえ、朝日新聞もこの税の問題点については熟知しており、
やれ所得税も増やせだの法人税の減税は疑問だなどと書いているが、
消費税よりも先に富裕税を導入せよなどとは主張していない。
要するに、「自民党の信頼を失わない程度に増税しろ」と言っているのである。
口先ではNoと言いながら実際にはGoと主張している点が
反共左翼の特徴だと何度も言ってきたが、朝日新聞はその典型だ。
こういう連中がどれだけ民衆の目を濁らせ、体制に協力してきたことか。
私はこのような反対者の仮面を被った裏切り者を激しく嫌悪する。
最後に、メディアの犬っぷりを批判した赤旗の記事を紹介して終わるとしよう。
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「世界も注目」「“歴史的”会見」―テレビ各局は、
安倍晋三首相が来年4月から消費税を8%に引き上げると表明した
1日の記者会見を大々的に報じ、その後の生出演を含めて、
まさに“安倍演説”を垂れ流しました。
消費税増税法を強力に後押ししてきた全国紙も翌日の社説で、
首相への“支援”を表明。巨大メディアがあげて増税を支援する異常ぶりです。
権力の監視というジャーナリズムの使命はどこにいったのか―。
消費税を8%に上げると宣言した1日、安倍首相のテレビ対応は二段構えでした。
まず夕方6時に増税表明の記者会見を設定。NHKと民放全局がいっせいに生中継し、
「“歴史的”会見」(日本テレビ)と銘打って、増税をアピールする
首相の姿がテレビを占拠しました。
これに先立つ時間帯には、各局ともニュース・情報番組が並んでいます。
これらの番組で、記者会見への前宣伝が仕掛けられていったのも見逃せません。
「消費税増税について世界も注目」(日本テレビ)、
「総理は重要な政策は、自ら説明する形をとってきた」(TBS)と持ち上げ、
フジテレビは「ついに決断!」と特集を組みました。
安倍政権の二つ目の策は、夜のニュースへの満遍ない対応です。
NHKの「ニュースウオッチ9」に続いて、10時からは
BS日テレ「深層NEWS」に生出演。11時台のTBS
「NEWS23」とテレビ東京「WBS」には収録した単独インタビューで応じ、
日本テレビ「ニュースゼロ」はBS日テレ分を借用して放送しました。
いずれも番組の基調は、申し合わせたように「首相の決断と5兆円の経済対策」。
そこには消費税増税への批判的検証はありません。
首相は、復興特別法人税減税で企業に活力が戻れば賃金が上がる、
法人対個人という考え方はナンセンス(ばかげている)と繰り返しました。
来年4月から消費税増税をすることについては依然、
国民の多くが反対・慎重の態度です。各局の番組が伝えた街の声は、
増税の負担がのしかかることへの「不安」「やっていかれない」
という切実なものがほとんど。
とくに被災地からは
「生活必需品もいる。消費税増税は絶対に反対」(宮城県石巻市)
と強い叫びが届きました。この声に立った報道がなぜできないのか。
国民の気持ちに耳を傾けず、政権にコントロールされ、
増税を後押しする大手メディアの異様さが際立っています。
異常な消費税増税垂れ流し報道の裏で、
巨大メディア幹部と安倍首相の密接な会合が続いています。
参院選が終わるやいなや、7月22日には、
「朝日」の木村伊量(ただかず)社長や
日本テレビの大久保好男社長らが首相と会食。
首相の夏休み中には、日枝久フジテレビ会長や
杉田亮毅前日経新聞会長らが首相とゴルフを楽しみ、その後に会食しています。
消費税増税法の旗振り役だった「読売」も渡辺恒雄会長が、
国際オリンピック委員会(IOC)総会から帰国した首相と会食しています。
会食はいずれも2時間から3時間をかけており、
高額な料金で知られている高級店ばかりです。
こうした会合を続けているトップに、
消費税増税に悲鳴をあげる庶民の痛みや不安、怒りがわかるのか―。
首相の消費税増税表明の翌2日、全国紙は国民への負担増を
解説する記事を載せたものもありましたが、社説ではこぞって支持。
「日経」「産経」は1面で礼賛論評も載せました。
「読売」や「朝日」も、「受け止める」「やむを得ない」などとしました。
全国紙には、参院選の結果を踏まえた国会での審議も
抜きに首相が消費税増税を「決断」したことへの批判も皆無で、
権力監視の役割は消し去られたかにみえます。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-10-05/2013100501_01_1.html
----------------------------------------------------
これまでの私の記事を読めば理解していただけると思うが、
こう見えて私は共産党に対してシンパではない。
天皇制と共産主義国への評価、領土問題については
対立していると言ってもよいぐらいだ。だが、そうであっても
日本で最も有力な情報を発信しているのもまた共産党なのである。
共産党を超える情報組織が存在しないこと。
この点が非常に危機的であると私は思うのである。