教育も駄目!医療も駄目!農業も駄目!
自分たちが悪いのにアメリカの経済制裁のせいにする!国民は金の亡者!
これが新藤氏の見解なのだが、これだけを読むと、氏は
さぞかしガチガチの反共の右翼学者なのだろうなと思うに違いない。
否。彼は赤旗にも書評を載せるぐらい、わりと左翼的な研究者なのである。
その証拠にキューバ研究室ではベネズエラへのアメリカの制裁を非難する記事もある。
私は2年ほど前から、日本の右傾化は左翼が右傾化しているのだと主張してきた。
意外かも知れないが、日本の右翼は中立派にも支持されるように近年左傾化すらしているのである。
キューバを絶賛する本が、あの新潮社から発売されているのも、その証左の一つだ。
(同社は、新書から在日コリアンや日本共産党を攻撃する本を売りだしている)
遠藤氏をはじめとして、今の左翼・リベラルの東側へ対する態度は、
かつてのフルシチョフやゴルバチョフ、エリツィンに向けたそれと同じものだと思う。
スターリン時代は最悪だった、でもこれからはフルシチョフをはじめとする
国内の改革者が良い方向へと導いてくれるだろうし、導いていかなければならない。
これがスターリン批判直後のほとんどの左翼の態度だったが、
それが次第にブレジネフ政権までソ連は最悪だった、しかし~から
共産主義時代のロシアは最悪だった、しかし~へと変化したのである。
ソ連が自発的に改革を行うことを望む連中が今では、どういう態度を示しているのか。
これは言うまでもあるまい。ウクライナ問題しかり、ばっちりロシアの敵になっている。
こういう連中が東欧やソ連が欧米化した(新自由主義の餌食となった)ことによる
甚大なる人的・経済的被害について真剣に語っているかどうかはすこぶる怪しいものだ。
この種の国内の改革派による自発的な民主化を望む連中が
アラブの春やウクライナのクーデターを支持・絶賛したのは何ら不思議なことではない。
イスラム国が問題視されるまで、シリアを徹底的に攻撃していたのも当然の反応だ。
それだけに、彼ら研究者の意見は批判的に読まなければならないのだろう。
欧米による中東・アフリカのモンスター化(蔑視)をいち早く指摘したのが、
政治学者でも歴史学者でもなく、悲しいことに文学者だったというのはあまりにも皮肉だ。
(エドワード・サイードの『オリエンタリズム』)
真っ先に先進諸国の欺瞞を告発しなければならないはずの地域研究者が、
逆に先進諸国が喜ぶであろう言説を声高に叫ぶという凄まじい現象はよくある。
悪い点も知っているだけに、余計にそうなるのかもしれない。
だからこそ、サイードしかりチョムスキーしかり、そして藤永茂しかり、
研究者ではなく、評論家がこの問題に対処する必要性が生じてくるのだろう。
以上、5回にわけて語ってきたが、少なくとも一部の研究者は
アレイダ・ゲバラと一緒になり、キューバの味方として戦えはしないと思う。
次のような記事を読めば、「アレイダは体制派の人間だから信じるな」とでも言うだろう。
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/latin_america/viva_cuba_osaka.htm
http://www.liveinpeace925.com/latin_america/aleida101018.htm
そういう国内の反体制派を支持して先進諸国に都合の良い政府が民主的に樹立されるのを望むのは、
アメリカの考えと全く同じなのだが、それに気づかない限り、研究者は評論家にはなれない気がする。
最後に、キューバの有機農業に関する最近の英語記事を紹介したい。
機会があれば、翻訳なり要約文を書くなりするが、とりあえず今回はここで筆を置きたいと思う。
The Paradox of Cuban Agriculture
Cuban Urban Agriculture as a Strategy for Food Sovereignty
自分たちが悪いのにアメリカの経済制裁のせいにする!国民は金の亡者!
これが新藤氏の見解なのだが、これだけを読むと、氏は
さぞかしガチガチの反共の右翼学者なのだろうなと思うに違いない。
否。彼は赤旗にも書評を載せるぐらい、わりと左翼的な研究者なのである。
その証拠にキューバ研究室ではベネズエラへのアメリカの制裁を非難する記事もある。
私は2年ほど前から、日本の右傾化は左翼が右傾化しているのだと主張してきた。
意外かも知れないが、日本の右翼は中立派にも支持されるように近年左傾化すらしているのである。
キューバを絶賛する本が、あの新潮社から発売されているのも、その証左の一つだ。
(同社は、新書から在日コリアンや日本共産党を攻撃する本を売りだしている)
遠藤氏をはじめとして、今の左翼・リベラルの東側へ対する態度は、
かつてのフルシチョフやゴルバチョフ、エリツィンに向けたそれと同じものだと思う。
スターリン時代は最悪だった、でもこれからはフルシチョフをはじめとする
国内の改革者が良い方向へと導いてくれるだろうし、導いていかなければならない。
これがスターリン批判直後のほとんどの左翼の態度だったが、
それが次第にブレジネフ政権までソ連は最悪だった、しかし~から
共産主義時代のロシアは最悪だった、しかし~へと変化したのである。
ソ連が自発的に改革を行うことを望む連中が今では、どういう態度を示しているのか。
これは言うまでもあるまい。ウクライナ問題しかり、ばっちりロシアの敵になっている。
こういう連中が東欧やソ連が欧米化した(新自由主義の餌食となった)ことによる
甚大なる人的・経済的被害について真剣に語っているかどうかはすこぶる怪しいものだ。
この種の国内の改革派による自発的な民主化を望む連中が
アラブの春やウクライナのクーデターを支持・絶賛したのは何ら不思議なことではない。
イスラム国が問題視されるまで、シリアを徹底的に攻撃していたのも当然の反応だ。
それだけに、彼ら研究者の意見は批判的に読まなければならないのだろう。
欧米による中東・アフリカのモンスター化(蔑視)をいち早く指摘したのが、
政治学者でも歴史学者でもなく、悲しいことに文学者だったというのはあまりにも皮肉だ。
(エドワード・サイードの『オリエンタリズム』)
真っ先に先進諸国の欺瞞を告発しなければならないはずの地域研究者が、
逆に先進諸国が喜ぶであろう言説を声高に叫ぶという凄まじい現象はよくある。
悪い点も知っているだけに、余計にそうなるのかもしれない。
だからこそ、サイードしかりチョムスキーしかり、そして藤永茂しかり、
研究者ではなく、評論家がこの問題に対処する必要性が生じてくるのだろう。
以上、5回にわけて語ってきたが、少なくとも一部の研究者は
アレイダ・ゲバラと一緒になり、キューバの味方として戦えはしないと思う。
次のような記事を読めば、「アレイダは体制派の人間だから信じるな」とでも言うだろう。
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/latin_america/viva_cuba_osaka.htm
http://www.liveinpeace925.com/latin_america/aleida101018.htm
そういう国内の反体制派を支持して先進諸国に都合の良い政府が民主的に樹立されるのを望むのは、
アメリカの考えと全く同じなのだが、それに気づかない限り、研究者は評論家にはなれない気がする。
最後に、キューバの有機農業に関する最近の英語記事を紹介したい。
機会があれば、翻訳なり要約文を書くなりするが、とりあえず今回はここで筆を置きたいと思う。
The Paradox of Cuban Agriculture
Cuban Urban Agriculture as a Strategy for Food Sovereignty