時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

アメリカ人の強制連行被害者にはペコペコ平謝りする誇り高き日本人(笑)

2015-07-23 00:06:37 | 国際政治
三菱マテリアル株式会社(もと三菱鉱業)が
米ロサンゼルスで19日、第二次世界大戦中に日本軍の捕虜となった後、
鉱山で強制労働を強いられた約900人の元米兵捕虜に対し、謝罪の言葉を伝えた。

元米兵捕虜900人を代表して謝罪を受けたジェームズ・マーフィー氏(94)は、
強制労働を強いられた元米兵捕虜の中で、今も健在である2人のうちのひとり。新華網が伝えた。

http://japanese.beijingreview.com.cn/zxnew/txt/2015-07/21/content_696898.htm

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あまり話題になっていないが、先日、三菱マテリアルが
強制労働の責任を認め、元アメリカ兵にし対して謝罪の意を伝えた。



これは、戦前の日本が過酷な奴隷労働を強いたことを三菱マテリアルが認めた
ことになるのだから、さぞかし大騒ぎになるだろうと思った。


「ついにアメリカまで反日に走ったぞ、ウガァアアア!!!」という声が聞こえるはずと。


ところが、19日から数日経っても、これといった大ニュースにならず、
保守速報などの極右サイトでも、全く取り上げていない。まるでなかったかのようだ。



どうして誇り高き日本人(笑)は、
アメリカが相手だと急に弱気になるのだろう?


なっさけねーなー


http://www.sankei.com/world/news/150715/wor1507150038-n1.html

産経も共同通信の記事を転載するに留まり、
アメリカ兵や三菱マテリアルの反日行為(笑)に対して抗議していない。


スネ夫でさえジャイアンに逆らうことがあるのに、
この犬っぷり、お見事だ。




そもそも、日本が侵略戦争を行ったという歴史観は、何も中国や韓国だけでなく、
日本と戦ったアメリカ・イギリス・フランス等の欧米列強が共有しているものだ。




よって、本来なら欧米に対しても極右は牙を向けなければならないはずなのだが、
白人が相手だと急に弱々しくなる。この負け犬根性、どうにかならないのだろうか?



実際、アメリカ政府は「常にアメリカは民主主義のための戦争をしてきた」とみなしている。
第二次大戦も朝鮮戦争もベトナムもアフガンもイラクも正しい戦争ということになっている。


つまり、日本との戦争も悪しき日本を正しきアメリカが成敗してやった歴史として
伝えられている
のだが、極右&保守は、なぜか決して怒ろうとしない。



連中にはプライドがないのだろうか?


白人には「仰るとおりです!許してくだせぇえええ!!!」と土下座し、
黄色人には「疑わしい!反日め!」とぬかすこの小物っぷりよ



連中の頭の中では、日本人というのはもっとこう、高潔な人物を
イメージしているはずなのだが、実際はサル以下のペット民族になり下がっている。



アメリカの世論でさえ「原爆をおいて、謝罪を求めるのか」という声があるのに(汗



これとは別に、中国人の強制連行を巡っての裁判は今も続いている。

これらの裁判には敗訴になっているものも少なくないが、
それは「強制連行の事実は認めるが、支払いの義務は無い」というもので、
強制連行の事実そのものは言い逃れできない事実として認められていたりする。


これは、戦後まもなく日本政府が実施した調査報告書をはじめとして、
強制連行を証明する物的証拠が多々あるためである。

極右お得意の「証拠を見せろぉおお!」はこの件に関しては通用しない。
それでも「中国に都合の良い史料しか選んでいない(キリッ)」とほざくのだろうけど(溜息)


特に問題の三菱マテリアルとの間では、未だ裁判が継続中で、
最新の状況は去年の12月に出版された『日中和解への道』に詳しく書かれている。


これを読むと、本当に往生際が悪いというかセコいというか、
卑怯くさいなと思わざるを得ない。その点は、向こうの人間も感じたようである。
記事の続きを読んでみよう。


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1944年9月、マーフィー氏を含む米兵捕虜は、
秋田県花輪にあった三菱鉱業尾去沢鉱山に強制連行され、
まるで奴隷のような過酷な労働を強いられ、そのような悲惨な状況は終戦まで続いた。



三菱マテリアルの木村光常務執行役員が、マーフィー氏に対して謝罪の言葉を述べ、
「三菱鉱業の事業を引き継いだ企業として、我々は、過去の悲劇に対する
 道義的責任を重く受け止めている」と話した。


しかし、木村氏と三菱マテリアルの謝罪は、これで終わった訳ではない。

むしろ、この謝罪は、マーフィー氏を利用して、
世間に対する自らの立場を有利にしようとするものだ。




実のところ、日本軍国主義と三菱鉱業など日本企業が侵害した対象は、
マーフィー氏ら米兵捕虜だけにとどまらない。


日本側の資料によると、少なくとも493人の中国人労働者が、
マーフィー氏と同じように、尾去沢鉱山に連行され過酷な労働を強いられた。



中国人労働者の境遇は、米兵捕虜より更に悲惨だった。


日本政府が戦後発表した報告書によると
三菱鉱業は戦時中、日本国内にある12カ所の工業拠点や鉱山において、
計3765人の中国人労働者を奴隷のように酷使、うち約720人が死亡した。


尾去沢鉱山では、86人の中国人労働者が死亡した。


第二次世界大戦が終わり70年が経過したたが、
元中国人労働者は、いまだに三菱マテリアルからの謝罪の言葉を耳にしていない。




1997年以降、元中国人労働者の生存者と遺族は、
東京、北海道、福岡、長崎、宮崎の各地で続々と三菱マテリアルを
相手に訴訟を起こしたが、いずれも敗訴した。


昨年、第二次大戦中に日本で強制労働を強いられた
一部の元中国人労働者と遺族が、三菱マテリアルと別の日本企業を相手に訴訟を起こし、
日本側からの陳謝と損害賠償を求めたが、今もなお、2社からは積極的な反応は得られていない。


三菱鉱業は、第二次世界戦争中に
日本が中国人を連行して労働を強いた史実の、ひとつの縮図と言えよう。


戦時中、約4万人の中国人が日本に強制連行され、
日本軍国主義と日本企業から、悲惨極まりない搾取や酷使の被害に遭い、
それによって約7千人の中国人労働者が命を落とした。



マーフィー氏は、
「戦後70年が経ち、ついに日本人から謝罪の言葉を聴くことができた。
非常にへりくだった謙虚な態度で陳謝した木村氏に誠意を感じた」と語った。


しかし、日本政府と企業は、米国に対しては「へりくだった」顔を見せているが、
被害がより深刻だったアジア諸国に対しては、「横暴な」態度を取り続けている



与党・自民党からは、安倍政権に対し、
「世界文化遺産に登録されたばかりの『明治日本の産業革命遺産』
の一部工業・鉱業遺跡で、中国大陸・朝鮮半島出身の労働者が
強制労働をさせられたとする歴史的事実を訂正するよう、
海外メディアへの働きかけを強化すべき」という声も挙がっている。



戦後70年、戦争の被害者であれ加害者であれ、起きた事実を煙に巻くことはできない。
日本の戦争謝罪が米国に対してのみ行われるのであれば、これは、卑怯者の陳謝である。


また、日本が、米国のご機嫌を取ることを目的に
米国人に謝罪して和解を求めたのであれば、これは「偽善者の和解」である。



http://japanese.beijingreview.com.cn/zxnew/txt/2015-07/21/content_696898.htm
http://japanese.beijingreview.com.cn/zxnew/txt/2015-07/21/content_696898_2.htm
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結局、逃げれば逃げるほど状況は悪くなっていく一方であり、
とっとと国家賠償をしたほうが良いと思うのだが…アメリカ以外とは嫌なのか?


アメリカ、グアンタナモ基地を閉鎖しない意思を表明

2015-07-22 00:09:15 | キューバ・ベネズエラ
米国のケリー国務長官は、
「米国には現在、キューバのグアンタナモ米海軍基地に関する合意を見直す意向はない」と述べた。

ケリー長官はキューバのブルーノ・ロドリゲス外相との合同会見で次のように述べた。

「現時点では米国側から賃貸に関する法的合意を見直すという議論や意向は存在しない」
「今後のことはわからない。現時点では米国側は議題にしていない」


一方のロドリゲス外相は、キューバの主権を完全に尊重する必要がある、と指摘した上、
「違法に選挙されたグアンタナモの土地を返還する」よう求めた。

また外相は、米国による対キューバ禁輸を解除し、
禁輸による人道的・経済的損害に対する補償を行うよう求めた。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150721/616084.html#ixzz3gXTy4UYA

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オバマは2008年、捕虜あるいはテロ容疑者を拷問していることで
国際的に悪名高いグアンタナモ米海軍基地を閉鎖すると公約した。


それがどうだ、キューバに土地を返還するどころか基地の閉鎖すらしない。


キューバしかり、イランしかり、和平の条件として経済制裁の解除を求めているが、
アメリカは、端(はな)っから自分の要求をゴリ押ししているだけで、
相手国の希望を聞こうとする態度すら持っていない。



カストロの悪い予感は的中したようだ。

ロシアには弱気、中国には強気な日本

2015-07-22 00:01:28 | 国際政治
先日、サハリン(旧樺太)で日本の漁船がロシアの国境警備隊に拿捕された。



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ロシア連邦保安庁のサハリン国境警備隊は、操業日誌の記載不備などで、日本の漁船3隻を拿捕した。


拿捕されたのは「ホコマル10」と「ニッコウマル53」、「ケイユマル65」。
日本の国旗を掲げた3隻は2015年7月17日、ロシアの排他的経済水域で操業中に拿捕されている。


船倉検査で「ホコマル10」からは470キロを越える漁獲枠を超える魚が見つかったほか、
「ニッコウマル53」と「ケイユマル65」からは、
操業日誌に記載されていなかった魚1300キロ以上が見つかった。


この違法操業でロシアの蒙った損害額は100万ルーブル(日本円でおよそ220万円)を越す。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/russia/20150719/603187.html#ixzz3gXRlwCu8

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よその国の海で勝手に漁をする誇り高き日本人。民度の高さに驚かされる。
こういうニュースは新聞でもテレビでも良くてベタ記事、普通は無視だ。


サンゴがどーの尖閣がどーのと騒ぐわりに自国の人間に対してはダダ甘。
それでいいのだろうか?



ロシアは昔から北海で領海を越えてくる漁船には厳しい対応をした。
過去、ロシア(ソ連)の警備隊に攻撃された船は少なくない。


「こちらが悪いとは言え、厳しすぎではないか」ぐらいは言っても良さそうだが、
 中国人の前では虎になる誇り高き日本人も世界最強のロシア人の前では子猫のよう。

 なんだかなぁ……文句の一言ぐらい言ってもいいと思うんだが…

左派の右傾化現象 ( 経済編 )

2015-07-20 00:49:07 | 反共左翼
このような弱小ブログの発言を目ざとく探し出し、
炎上をけしかけた自称左翼Mの人間性は大変素晴らしいものだと思えるが、
結果的には、彼の叱咤激励のおかげでアベノミクスの胡散臭さを明らかにすることができた。


例えば、Mはアベノミクスのおかげで雇用は増えたのだと盛んに主張しているが、
雇用自体は、彼が掲げたデータを見ても、アベノミクス実施以前から上昇している。


アベノミクス実施意向、劇的に回復したのなら話はわかるが、そのような事実はない。
最大限、フォローするなら、回復傾向を維持させたのがアベノミクスの手柄と言えるが、
実際には、その間も、実質賃金が連続して減り、家計が圧迫されているのでマイナス面のほうが大きい。


また、正規職の有効求人倍率は未だに1.0を下回っており、増えているのは非正規職ばかりだ。
この点をごまかすため、M雄は「無職よりはマシ。失業よりはマシ」と述べている。

ここからは、正規職から非正規職へとランクダウンして働く壮年労働者の現状、
正規雇用を減らして非正規雇用で補う全体の構造に対する批判を感じとることが全くできない


とはいえ、それはそれで1つの意見として受け入れられるべきものであるが、
Mの場合、無職よりはマシと語る一方で、雇用規制の緩和には反対だと述べている。


つまり、ある所では非正規職の増加を好意的に述べている一方で、
また、別の場所では非正規職の増加を悲観的に述べている
。これは矛盾というより詐欺だ。


大きな失敗の中の小さな成功として評価している、つまり、
アベノミクス自体は非正規職の増加に歯止めをかけられなかったのだけれども、
それでも失業率を下げたという点では、百歩譲って良かったのではないだろうか
」というものならわかるが、

アベノミクスで失業者は減ったんだ!文句言うな!」というのが彼の主張なので、どうしようもない。



やや重複するが、今の日本の雇用労働情勢の問題の一つは、
非正規から正規へとランクアップするのが大変困難なことと、
正規から非正規へとランクダウンする労働者が増えていることである。


(加えて労働条件が悪すぎて需要が高くても労働力の供給量が追いついていない
 介護職や飲食業、私立校教員などの一刻も早く解決されるべき問題がある)

このような実態に触れることもなく、失業者が増えたか・減ったかという
二元論でしか日本経済を語れないのは、かなりレベルが低いように思えるのだが……(汗


まぁ、フリードマンやマンキュー、クルーグマン、サックスなど、
世界的に著名で権威のある一部(と信じたい)の経済学者自体がアレな発言をしているわけで、
経済学で飯を食っているはずの彼があんまりな発言をするのも不思議ではないのだけれど。



それにしても、来年、景気が回復するかもしれないから
アベノミクスの失敗を主張するなと言うMの言葉は不可解極まりない。


小西一雄氏をはじめとして他の経済学者が指摘しているように、
消費税実施以前の2013年度の時点で、アベノミクスは失敗しているのである。

第1の矢である量的緩和はマネーストックの増大に貢献しなかったし、
第2の矢である公共事業の投資もまたしかりである。


有効求人倍率の言説が典型的だが、Mの言説の特徴として、
プラスかマイナスかだけでアベノミクスの成功の可否を論じ、
先述のように、より具体的な社会問題にまで踏み込もうとしない点がある。
(踏み込めば、自説の誤りを認めることになるので当然と言えば当然の姿勢だが)

まぁ、それを自覚した上で、良い面も少しはあるでしょと言うのなら別にかまわないが、
彼の場合、アベノミクスのおかげで景気も雇用も良くなって、
人々が暮らしやすい社会になりつつあるぞーいと喧伝しているので、何ともいえない。


この「成功するまで失敗を語るな」といった主張や、メディアを通じて
お上を擁護する言説を拡散させる行為を見ると、戦前の御用学者を想起させられる。


軍事・外交における日本社会の反動化は以前から問われていることだが、
経済に関しても、同様の傾向があるのではないだろうか?


何十回目の発言か数えていないが、現在の日本の右傾化は左翼の右傾化であり、
中道・リベラル・左翼・マルクス主義を自称する人間が思いっきり保守的な思想を唱えつつある。


こういう抜き足差し足の転向の一つとしてMの言動を位置づけることが出来るのではないだろうか。


ここのサイトが攻撃された理由は量的緩和と規制緩和の言葉を間違えたことにあるが、
それでもアベノミクスに対する評価自体は間違っていなかった。
(例えば、正規職が減り、非正規職が増える構図になっていることなど)

これは大きな事実の中の小さなミスだと思われる。

対して、Mの場合、用語の使い方は間違っていないが、
アベノミクスのおかげで雇用も良くなり、社会がばら色に輝きだしたという
妄想を事実として結論付けているわけだから(それも意図的に)、これは大きなウソだ。


こういう小さなミスにつけこんで、全体をひっくり返し、
大きなウソを浸透させようと画策する動きは、森村誠一氏への右翼の攻撃と全く同じものである。


ついでに言えば、Mの言説は、次に掲げるエコノミストのそれと同一のものだ。

ピケティでアベノミクス批判する残念な人々

アベノミクスの不調の原因を消費税増税に結びつけたり、
失業よりはマシ論を振りかざしたり、はたまたアベノミクスで格差が
改善された論をのたまうなど、なかなかエクセントリックな内容になっている。

http://saigaijyouhou.com/blog-entry-6075.html
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-07-09/2015070901_05_1.html
(反証となる記事はこちら)

金融界の立場にいる人がアベノミクスを擁護するのは不思議なことではないが、
中立や左派、リベラル、マルクス主義者などを自称する人間が、
羊頭狗肉の政府支持を行うのは不可解だし、洗脳の手段としては後者のほうが性質が悪い。


経済学における自称左派のネトウヨ化現象。左派からの保守支援。

今のところ、こういう動きは本格化していないが、
小さな所では、少しずつ転向現象は起きているわけで、
案外、あと10年や20年が経ったら、彼らの意見がマジョリティになるのかもしれない。

さる社会学者(?)についての省察

2015-07-20 00:21:47 | 反共左翼
たまに古市憲寿氏に関する記事が読まれるので、彼に対する自分の考えを書いておこうと思う。


彼が社会学者かと言うと、非常に微妙……というのは前にも言ったとおり。

博士号を取得しようとして専念している最中の、
つまり修行中の身分で「社会学者」の肩書きを名乗ってよいものかどうかというのがまず1つ。


とはいえ、もしかすると社会学業界ではそれはOKなのかもしれない。
在野の研究者というのも多く存在するわけで、些細なことを気にしているだけかもしれない。


それにも関わらず、私がやや抵抗を覚えるのは、
彼の主張が、やや単純化されているというか、読み物的だからである。


例えば、彼は世界各国では、戦争のモニュメントが各政府によって
建設されているのに、日本ではない、それはなぜかという視点で
ある本を一冊書いているのだが、遊就館や靖国神社の存在をガン無視して、
日本には戦争にまつわる公的記念館がないと言われてもちょっと困る。


その本自体も読者として学者を想定した研究書ではなく、大衆を想定した読み物であって、
著名な評論家の推薦文&巻末にアイドルとの対談が載っている雑誌のような内容になっている。

この本に限らず、彼の場合、研究者向けの専門書を書かずに読み物はっかり書いているわけで、
それを社会学者と呼んでいいかと問われると正直、返答に困ってしまう次第である。


もう一つ、彼が社会学者かと問われて返答に困るのは、
彼のテレビやツィッターでの女性に対する発言が
自分の著作で主張している内容と余りにもかけ離れている
というものがある。

「ブサイクは怠惰の象徴」古市憲寿のブス差別がヒドい! 容姿差別は合法だと開き直り

合唱団が不細工すぎて辛い・整形問題?古市憲寿のツイートが大炎上で話題に!

「女性議員は妖怪みたいな人多い」 古市憲寿発言に「ヘイトスピーチだ!」と反発の声



『国家がよみがえるとき 持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由』
『保育園義務教育化』などを読むと、古市氏は日本の女性差別を危惧しているように思われる。

この2作品は、内容もきちんとしたもので、いわゆるトンデモ本ではない。

特に前者は北欧の学者との共著で、一般人を対象とはしているが、内容は濃い。
さすがに社会学者を名乗るだけあって、一定の水準を超えている。


にも関わらず、私は彼をあまり高く評価してはいない。
というのも、普段の彼の発言を読むと、社会に存在する女性差別を是とした上で、
上手く世渡りをするようにと女性に進言しているように思えるからである。



例えば、韓国の整形が当たり前になっている風潮を肯定する意見がそれだ。

韓国で顔面の整形がブームと化しているのは
就職が有利になるからであって、整形を通じて自己表現しようとしているわけではない。



むしろ、これは顔を採用基準に選ぶセクハラ人事が跋扈しているという
韓国企業社会の深刻な問題を如実に示したもの
で、自分の個性を捨て、
オヤジ好みの「美人顔」に加工することを暗に求めてさえいるものだったりする。


この点について同氏が特に触れず、韓国が進んでいるかのように語るのは不思議だ。



もちろん、古市氏本人は、その辺の事情を知った上で、女性の整形を
あえて「したたかな」生き方として高評価しているのかもしれないが、
冷静に考えれば、彼の発言は顔立ちで女性の人生が左右される社会の風潮を肯定したものだ。


アメリカでも、ヨーロッパ風の名前だと就職が不利な時期があって、
移民は早々に自分たちの名前をアメリカ風に改名して職を得ていた時がある。


結局のところ、これは外国人である限り、不利を被るシステムになっているわけで、
この手の移民差別はアメリカでも反省され、徐々に改善されていった。


その背景には、社会システムの問題を発見・是正しようとする意思があったと私は思う。



古市氏の場合、これとは逆に、社会の差別を前提とした上で、
各々が上手く立ち回れるように工夫せよと述べているわけで、
これは要するに社会的弱者が社会の風潮に合わせて上手く適応せよというものだ。


よく読むと化粧をしない女の顔を見て不快に思うのは古市氏自身あるいは、
古市氏に代表される一部男性の個人的感想にすぎないのだから、冷静に考えれば、
そこまで嫌なら彼らが女性の顔を見ない努力をすればいいだけの話である。


ところが、彼は、男が不快に思わないように女は化粧に努力すべきなのに、
その権利を奪っている日本はおかしいと訴えているわけで、そこに違和感を抱くのだ。


まぁ、被差別に反対する人間が女性差別者であったり、
民主主義を主張する人間が、実は女性差別者だったというのはよくある話だ。


ただ、それでも彼らは自分の本業についてはウソをついていない。

民主主義は大切だーと言っている人間が、別のところで選挙制度を撤廃せよと言っていたり、
在日コリアンの差別に反対だと言っている人間が、別のところで
在日コリアンは日本の右翼史観を信奉し、帰化せよと言っていたりはしない。


しかるに、古市氏の場合、女性の社会的地位向上が大切であるかのように
言っておきながら、別の箇所では女性差別を前提とした上で、日本社会に迎合せよと述べている。

これは彼の学問的意見とは矛盾する発言ではないだろうか?

また、彼の主張を是としてしまうと、
アベノミクスで家計が苦しくなるから節約術を学ぼうとか、
日本が戦争をするようになるのは確実だから、嫌な人は海外に移住しようといった風に、
社会や政治の弊害が生んだ問題を個人が各自工夫して乗り切れということになってしまう。



ここには、政治家や官僚、企業、マスコミ、学者らの責任を問う姿は微塵も無い。
アベノミクスをやめろとか、戦争をさせないように食い止めようという姿勢は全く無い。

(一応、フォローするとアベノミクスや軍拡に対する古市氏の意見は知らない。
 恐らく、上とは別に左翼っぽい意見を述べているのではないかなと思われる。)



つまり、古市氏の主張を受け入れると、究極的には安保体制や女性差別や
異民族差別がはびこっている今の世の中を受け入れよということになってしまう。


それこそが私が彼をあまり評価しない最大の理由であるが、
それでも最大限フォローすると、彼は
社会学者は社会学者でも保守系の社会学者と言えるべき存在なのだろう。


実際、彼の基本的な主張、若者に対する見解や、
若者の処世術を好意的に評価するスタンスを考えれば、
案外、問題の女性論もあながちズレていないかもしれない。


彼の見解というかスタンスは、典型的なネオリベラリズムで、
政府や社会が何とかしろと呼びかけるのではなく、
個人が創意工夫して苦難を乗り切ることを重要視している。


そうしてみると、現在存在する差別や軍拡の動きに対して、
真っ向から抗うというよりは、それはそれとして受け止めて、
被害を被るマイノリティが上手く立ち回るようアドバイスすることは、
そこまで彼の意見から逸脱したものではないかもしれない。



それよりも、私は彼のように
『永遠の0』を肯定する歴史観の持ち主を高く評価する
一部の大御所社会学者や文化人のほうが、はるかに問題があると強く思う。



古市氏本人が邪悪かと言えば、そこまでのことはなく、
池上彰氏のように中立を装った保守的発言をしているわけでもない。

むしろ彼は自分の意見を鮮明に表現しているほうで、その意味では健全な人間だ。

問題は、既存の右翼的価値観(伝統や風習を過度に重んじる)から外れているというだけで、
中道リベラルあるいは保守だとみなしてフォローする周囲の学者や文化人のほうだと感じる。


結局、大御所学者のバックアップがなければ論壇で活動することなど出来ないわけで、
彼と簡単につるんでしまう学者、対談を組んでしまうジャーナリストのほうが異常だ。


朝生で数々の極右レイシストを世に送り出してくださった田原総一郎さんや
胡散臭い中国論を語っている加藤嘉一さんなどが古市氏のプロデュースに
専念しているのは、いつものことだから、特に気にならない。むしろ自然。


私が気になるのは、本田由紀氏や上野千鶴子氏などの
まっとうな(後者はちょっと微妙だが)社会学者が彼と対談することにより
結果的に彼の宣伝に一役を買っている現状で、それはどうなのよと思う次第である。
(特に上野氏はフェミニストだったはずなのだが……???)


面白いことに、古市氏を批判するのは週刊誌的エンタメ系記事であって、
社会学者がキッパリと彼の反フェミ的見解を批判したことはないのである。
少なくとも論壇の場においては。


繰り返すが、私は古市氏本人は昔からよくいる保守系の人間だと思っていて、
とんでもなく悪いヤツだとは全く思っていない。日本の右傾化、正確には
左翼の右傾化の流れの中で半ば必然的に発生する現象の一つだと捉えている。

そういうわけだから、奇しくも相対的に古市氏のイメージは
自分の立ち位置をハッキリさせている分、一部学者と比べると良かったりする。


いろいろ考えるに、個人をどうこう言うよりは、その人物の詐欺性が
よほど悪質でない限りは、論壇の状況のほうを批判するほうが建設的だろう。


まぁ、要するに、私にとって、
古市憲寿氏は学者を気取ったタレントであって、
それ以上でもそれ以下でもないのである。



・追記

どうでもいいのだが、なぜ彼は自分の本に
逐一、自分の顔写真を貼り付けたがるのだろう?



先述の北欧の学者との共著でも、
なぜか自分の似顔絵をこれ見よがしに載せていて、ちょっと戸惑った。

ちなみに、私がチェックした限りでは、その北欧の学者の似顔絵はない。


彼の意向と言うよりは、編集者の意向なのだと信じたいのだが、
そのわりには、新潮社、小学館、マガジンハウスと複数の出版社で同じ傾向だし。


素直に考えれば、古市氏本人が俺の顔を載せろと言っているような気がする(汗

それとも、古市氏とメディアを結びつけるマネージャー的人物がいるのだろうか?
まぁ、どうでもいいのだけれど…




……そんなにイケメンかなぁ(汗


私は一時期の勝間和代のように、アイドルでもあるまいし、
やたらと自分の顔をデカデカと帯紙や表紙に載せて自己主張する輩を見ると
ちょっと思うところがあるのだが……それとも古市氏はすでに整形済みで
自分のビジュアルに多大なる自信があるのだろうか……謎は深まるばかりだ。

・追追記


「属人性から解放されたはずの近代社会で、見た目に関しては
 生まれたままの姿を変えるべきでないという規範がなぜ強いのかは
 昔から疑問に思ってること。韓国など一部の地域を除き、なぜ整形が一般的にならないのか。」

と語っているが、発端は自分がテレビを見ていたら女子中学生の顔がアレなので、
もう少し化粧するなり染色するなり髪型に気を使ったほうが良いという
個人的な感想をつぶやいたら、周囲に絡まれたという話であるわけで、
近代社会がどうとか属人性の解放がどうというのは後からひねり出した文章のように感じる。


小さなツブヤキまでチェックされるのは可愛そうだと思うが、
他の人間も指摘しているように、単なる感想を変に理論武装しようとせず、
とっとと削除して、なかったことにしたほうが良かったのでは……


学校で身だしなみのチェックをするのは、非行を防止するためであり、
「生まれたままの姿を変えるべきではない」という思想に準じたものではないだろう。


化粧や髪を染めなきゃ非行に走らないのかと言えば、
これまた難しい話だが、少なくとも、哲学的な背景はそこにはない。

日本軍慰安所マップ

2015-07-20 00:09:30 | 日本政治
共産党の池内さおり議員の
「注文していた「日本軍慰安所マップ」パネルが届きました!
 衆院第2議員会館の私の部屋では、かつて日本の侵略戦争でどのような加害行為が行われたか?
 中でも「慰安婦」問題について、来室して頂いた皆さんと展示を通して学び合う部屋にしていきます。」

という写真つきのツイートを見て、誇り高き日本人がギャーギャー騒いでいる。

そういう盗人猛々しい態度が余計に我々日本人のイメージを悪くするのだが……まぁいい。



日本軍慰安所がどこにあったのかというのは、ここ最近の研究調査で更に鮮明になってきた。

次の記事は去年の8月にアップロードされた記事である。

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中国慰安婦問題研究センターのセンター長を務める
上海師範大学人文伝播学院の蘇智良院長は上海で11日、

我々が21年間にわたり調査した結果、旧日本軍が
上海に設置した慰安所は160カ所を上回ることが判明した。
 上海は、旧日本軍の『慰安婦』制度が最も完備されていた都市と言えよう
」と話した。


中国新聞社が伝えた。

上海市政治協商会議の主催による「八・一三淞滬抗戦(第二次上海事変)77周年記念座談会」が
11日、上海で開催され、蘇智良院長は、「慰安婦」制度と上海との深い関係性という点から、
旧日本軍の「性奴隷制」という重罪について論じた。



世界的に有名な専門家である蘇院長は、
旧日本軍の慰安所が世界で初めて設置された都市は上海だったとの認識を持っている。



旧日本海軍陸戦隊司令部は1932年1月、「大一沙龍(サロン)」や
小松亭など虹口にあった日本の風俗店4軒を、海軍の特別慰安所に指定した。


その後すぐに「一・二八事変(第一次上海事変)」が勃発、
旧日本軍上海派遣軍の岡村寧次副参謀長は、海軍のやり方をまねて
関西地方から女性を募集して初の陸軍「慰安婦団」を設立、
呉淞や宝山などの前線の陣地に次々と慰安所を開設した。



この時の「慰安婦団」は、日本陸軍が初めて「慰安婦」制度を導入、構成した組織で、
その後の旧日本軍全体の「慰安婦」制度の見本となった。

中国東北部を占領した旧日本軍は、東北の各地にも慰安所を続々と設立した。



蘇院長は、
日本軍国主義は、中国に侵略する過程で、
 軍隊の性奴隷制である悪名高き『慰安婦』制度を作り上げた。

 しかも、非人道的なこの戦争犯罪は、上海という土地と密接な関係がある。

 1937年に日本の中国侵略戦争が全面的に始まった後、
『慰安婦』制度も急速に普及、上海には
 旧日本軍のための『合法強姦センター』が続々と誕生した」

と指摘した。


http://j.people.com.cn//n/2014/0812/c94475-8768508.html
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去年の7月には、戦争犯罪加担を認める兵士の自筆供述書が公開された。


右翼がキーキー猿のようにわめいている今も、
現在進行形で都合の悪い資料が続々発見されていたりする。まいったな、こりゃ。


なお、分布図自体は、こちらから見ることができる(やや情報が古いが)。



ここで某有名サイトで書かれたコメントを拾い読み&ツッコミを入れる。


コメント1
「この嬉しそうで得意げな顔… 私室でやるのならこの方の勝手でしょうが、
 国会議員が議員会館でやるとは、本当に慄然とする。
 自由なのは日本の良い所ですが、だからといってこれが許されるのでしょうか??」


池内議員のやったことって、アメリカの議員が自分にあてられた部屋に
黒人差別の歴史に関するパネルを置いたようなものなのだが、どの辺が唖然とするのか理解に苦しむ。


私は前々から、たまにこの手の右翼と対決するときに

「あんたは『原爆は大した犠牲を生まなかった!」とか
     『アメリカが人種差別をしたことがない!』とか言っている
 右翼のアメリカ人を見て「合衆国は素晴らしい国だ」と思うか普通?」とツッコミを入れている。


大抵は聞かなかったことにされて「は、反日はゆるさんぞぉおお!」とほざかれる。困ったもんだ。


コメント2

「フェミニストは弾圧すべきだと思う」
「これって日本人対する明らかなヘイトだろ、共産党の暴挙!許さん!」
「日本共産党は戦後70年たっても敗戦国だと言うレッテルを継承し続けるつもりらしい。」
「日本共産党とその信者は嘘つきクズ集団だから容赦なく弾圧してOK」
「兵が一番辛いわけで、一時の癒しに、略奪防止に、今も前線にはこんな制度もあるわけで」
「日本共産党のテロマップでも作ってろよwアカ風情が旧日本軍をdisるとか片腹痛いわw」


見ての通り、非常に面白いコメントがずらっと並んでいる。

「フェミニスト・共産党は弾圧しろ」←大日本帝国の信者の本質がよくわかる台詞。

「兵が一番辛いわけで、今もこういう制度はある」←ないから問題になっている。

「共産党のテロマップでも作れぇえええ!」
  ←戦前、戦後と共産党党員を検挙するために当局が冤罪をかけたケースのほうが多い。
   松川事件などは良い例。なお、戦前では拷問、獄死する人間も少なくなかった。   

   ちなみに、共産党が暴力主義に走ったのは1929年から1930年までの間で、
   その後は、また非暴力の手段へと戻っているのだが、
   この暴力主義を主導した田中清玄という人物は、あっさり転向して
   大日本帝国の高官となり、戦後は右翼の重鎮として君臨した。


それにしても「アカ風情が」とか「弾圧して良し」とかいうコメントを読むと、
本当にこいつら、小林多喜二を拷問して殺した戦前の特高そのものだ。


ホロコースト否定論を得意げに語るネオナチと余りにもそっくりでクスリと笑ってしまった。

アメリカの人権帝国主義

2015-07-19 00:14:19 | 国際政治
冷静に考えれば、空爆はするわ、細菌兵器は使うわ、
これだけ暴れまくっている国家を何かと敬う風潮は不思議なものだ。


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ひとつ例外を認めれば、全てを容認することになる。それこそ米国の思惑であるに違いない。
米国はそうしてあらゆる事に介入する権利を自らに与えてしまった。傍証はたくさんある。


民主主義の名による空爆、誇張なしに惑星規模の盗聴などなど。


その米国が新たな分野に乗り出した。経済である。

米国は、米国の裁判所の管轄権はドルで決済される
世界のあらゆる金融オペレーションに及ぶ、と見なした。


このルールにおいて、米法務省は、
フランスの最大手銀行BNP-Paribasに90億ドルの罰金を命じた。

同行がキューバ、スーダン、イランで行った金融オペレーションが問題視された。

この国々は経済制裁の対象国であり、これら取引は違法である、というのである。


米国のこの「裁判帝国主義」により、欧州の数百の企業が、
罰金の形で、定期的に莫大な金額を支払わされている。

スイスではFIFA役員に対する文字通りの検挙が行われた。
逮捕された者らは、電子決済を利用した詐欺、ゆすり、汚職、資金洗浄の容疑をかけられた。

ほぼ欧州を従わせることに成功した米国は、裁判権を今度は中国に拡張する試みに就いた。

米国の有価証券・株式担当コミッションはJP Morgan銀行を通じて、
習近平国家主席の右腕、元銀行家で中国における汚職対策の急先鋒、
ワン・ツィシャン氏の名前が記された取引に関するデータを取得しようとした。

照会は退けられ、ツィシャン氏の渡米はキャンセルされた。


また別のケースでは、コミッションは会計監査事務所最大手4社より、
米国の株式市場に上場している中国のクライアントらの文書を要求した。

米国の裁判所はこれら監査事務所に対し、
もし要求にしたがって秘密指定の情報を公開しなければ、中国における支部を閉鎖する、と脅した。

大して北京は、国家機密法を採択した。
結果、いま米国で稼動している中国企業は、外国法を根拠に活動している。


専門家らの指摘するように、米国の排他性に今日対抗できるのは、
中国、ロシア、おそらくインドといった、限られた数カ国だけである。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150718/599307.html#ixzz3gFzTSf1s
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「自由」という点においては、アメリカは世界で最も自由が約束された土地だと私は思う。
 表現や思想の自由が認められた文化大国だと感じる。


だが、どうもその世界最高レベルの自由というものも、
アメリカが全体主義的だからこそ可能なものだと思える。


日本もそうだが、国内で政府の批判を唱えることが許されるのは、
そのように行動されても困らないほど、権力を維持するシステムが完璧だからである。


発言の自由が約束された国では、
発言する自由の代わりに、反対意見が反映される権利が失われている。


国会議事堂の前で何万人が集まって意思表示しようと、
それらはメディアの前でシャットダウンされて、影響力を及ぼさない。


優れた知識人がいくら発言しようと、それは無視されて話は終わってしまう。

集団的自衛権を批判するために本当に必要なこと

2015-07-15 23:47:43 | 国際政治
集団的自衛権の容認は米韓の北朝鮮への圧力の強化と平行して進められている。


これはジャイアンとスネ夫が「お前もイジメに加われ」と言っているようなもので、
根本的かつ優先して行うべきことはイジメそのものに抗議することであることは言うまでもない。


つまり、日本の軍拡だけを責めても意味はなく、
アメリカや韓国の軍事戦略にも真っ向から非難しなければならない



……のだが、今の韓国やアメリカがどれだけ
とんでもないことをしているのか、知っている&批判している人間は少ないのではと思う。



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15日ソウルで、韓国における米軍駐留に関する合意
(在韓米軍地位協定[SOFA])遂行をめぐる合同委員会の定例会合が開かれる。


そこでは、基本的な問題として、オサン(烏山)にある
米空軍基地に生きた炭疽菌(病原体の生きた胞子)のサンプルが
送られた事件が取り上げられる見込みだ。



会合では、米軍の内部調査の結果が示され、事件調査のため
最近作られた合同作業グループが今後実際に講ずる措置が話し合われる。



しかし会合の本当の目的は、現地の活動家達の見方によれば、
かくも危険な事件が起きる可能性を持つ米軍駐留に関する合意に修正を加える事だろう。


例えば、合意の第9条によれば、
米国軍人は、税関検査を通さずに、郵便物を送ったり受け取ったりできる。


そうした方法で米国は、潜在的に危険な物質を韓国に送る事が出来るため、
現地当局も又地元住民も、不安を感じているのだ。 



これに関連して、今回の会合には初めて、
地元キョンギド(京畿道)の行政の中心地オサン(烏山)の代表も参加する。


代表は会合で、事件に関するあらゆる情報の開示、
米軍基地に送られてくるものすべての透明性を保障するための
合意内容の変更を強く主張するものとみられる。



また、問題は、あれやこれやの危険物質を持ちこむことに何の予告もなかった事ばかりではない。

多くの韓国人達は、
自国領内で細菌兵器を使用した実験がなされていた
という事実自体に拒絶反応を示している。



会合の前日開かれた記者会見で、キョサンナムドの社会団体の代表らは、
送付された炭疽菌も関係しているジュピター
(JUPITR ― Joint United States Forces Portal and
Integrated Threat Recognition)プログラムに対する詳しい調査を実施する必要性を訴えた。


また彼らは、オバマ大統領に、謝罪と責任者全員の処罰を強く求めた。




米国側の説明によれば、炭疽菌のサンプルは、
北朝鮮が生物学兵器を使用した場合を想定した演習で使うはずだった
との事だ。




しかし、こうした演習実施の事実自体、韓国民には広く伝わっておらず、
その事は現在MERSコロナウイルスの急激な蔓延が問題となっている韓国では、
とりわけ大きな憤りを呼び起こしている。



おまけに、人を死に至らしめる危険な細菌兵器を使った
演習実施が必要だとする根拠は、事件について報道された後、明らかにされた。


また「軍事目的で炭疽菌を生産している」ピョンヤンの生物学研究所の
「写真を分析し」そうした結論が出たとの説明は、余りにも説得力がない。




これに対し、朝鮮民主主義人民共和国の国連大使は、
朝鮮半島で戦争が起きた場合、自分達に対し生物学兵器を用いる考えが
米国にはあるのだと非難した。15日に開かれる合同委員会会合は、
韓国では北からの生物学兵器による攻撃の危険性をどのくらい感じているのか、
そうしたコンテキストの中で北の「脅威」への米国の対抗策が
どう評価されているのかを示す、よい機会となるだろう。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/asia/20150715/582424.html#ixzz3fyFuLpZB

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実は、アメリカと韓国は朝鮮戦争で細菌兵器を使用している。

しかも、その兵器は日本で培養されたものであり、
さらに、その兵器の製造者は731部隊の構成メンバーだった。


このことは学問的にも認められた事実なのであるが、意外と知られていない。


つまり、今回の事件は、アメリカや韓国は北朝鮮に対して
大量虐殺兵器を使うぞと言っているようなものなのだが、この点と絡めて
日本の軍拡を非難する声(つまり、北朝鮮バッシングへの疑問)はない。



要するに、ジャイアンとスネ夫がイジメをしている時に、
のび太が参加するかしないかだけを論じたって、眼前の悪事は止められていないでしょという話。


上の記事を読んでも、在韓米軍基地の問題と沖縄の問題は事情が酷似しているとわかるはずだ。
私たちがすべきことは、在韓米軍の反対運動者と日本のそれとが団結して、

アジアにアメリカは要らないと主張することだと思うのだが……いかがであろうか。

独裁は民主主義から生まれる

2015-07-15 23:29:21 | 日本政治
独裁という体制は通常、君主制が変形したものだと考えられているが、
その実、このシステムは民主主義から半ば必然的に出現してくる。


というのが持論なのだが、この辺を詳しく言及すると正体がばれるので、
これまでは、かるーく触れるだけにとどめていた。


しかし、今日の日本政治を観ると、これは本当にもう、
実感のレベルにまで到達したのではないかなと感じる。


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15日の集団的自衛権を拡大する安全保障関連法案をめぐる衆議院平和安全法制特別委員会では
自民党、新公明党の与党が強行採決を行い、法案が通過した。


法案は特別委員会を通過したことで、
明日16日にも予定されている衆院での採決へと持ち込まれる。


衆院は参院と同様、自民、新公明が過半数を占めることから、
これ以外の野党は法案可決に強行に反対している。


安倍首相は法案は最終的には9月27日までには成立するものと見ている。



日本国民の大半が法案に反対しており、憲法9条の平和条項に違反するものと捉えている。
安倍首相は内閣の意向が国民の不満を買っていることを理解しながらも、
法案成立にむけた歩みを止めようとはしていない。

安倍首相は15日の国会の審議のなかで
「残念ながらまだ国民の理解はない。今後も丁寧に進めたい」と述べながらも、
「批判もあるが、確固たる信念と確信があれば政策を前に進めないといけない」と
法案成立への強い意欲を示した。


続きを読む http://jp.sputniknews.com/japan/20150715/581166.html#ixzz3fy9NlD63
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沖縄の米軍基地問題もそうだが、すでに民主主義国家では
現地の人間の反対意見を完全に無視し、その後、追認を迫るのがデフォルトとなっている。


いわゆる、「国民のご理解を求める」というヤツである。


しかし、こちらが理解しようとしまいと勝手に物事は決まっていく。
消費税しかり、軍拡しかり、歴史問題しかり。


リテラが述べた文によれば、本日の強行採決を、
野党を笑いものにしてウケを狙っていた番組があったらしい。凄まじいことである。


こうやって恐怖ではなく合意と空気によって、
少しずつNoと言わせない環境を作り上げていく。



その主な担い手はメディアだが、ここには文化人や知識人も含まれる。
結局のところ、独裁とは国民の権力への迎合なしには存在できない。



・追記

集団的自衛権を語る際に気になるのが、
戦争はダメだという単純な意見が主体となっていて、
東北アジアの政治体制(米韓日が中露北を監視する体制)の批判がされていないことだ。


つまり、本気で軍拡をとめたいのであれば、アメリカの軍事戦略にどこかで言及し、
激しく批判する必要があるはずなのだが、それは今のところ、目にした事が無い。


そのような弱いNoが、安倍のような強いYesに対抗できるのかどうか疑問である。

みすず書房についての雑考

2015-07-15 21:41:54 | 反共左翼
くまでメモ程度の雑考。

本を選ぶ基準の中に「どこの出版社か」というものがあると思う。
例えば、文芸春秋や新潮社、WAC、KKベストセラーズ、草思社などの
右派系出版社の本は、ある意味、これは毒ですよと言っているようなもので、
ある評論家や学者の凋落や正体を知るにはうってつけの参考資料になったりする。


ただ、最近はこの手のわかりやすい保守派の本よりも、
一見、左派系&学術系のように見えながら、その実、
本質の部分では、保守派よりもある意味性質の悪い出版社が増えている気がする。


多くの専門家から批判を受けているパク・ユハの本をわざわざ翻訳した
平凡社、河出書房新社、朝日新聞出版社などは、その典型的な例だと言えよう。


新潮社やWACのような週刊誌的なセンセーショナルあふれる読み物を
主体に売り出している会社は、ある意味、その偽者らしさを見破るのは造作も無い。


だが、一見すると専門性があるように見えるし、また実際そうだろうが、
本質的には現在の保守層を援護射撃するような本の場合、水準が高い分、
読者は抵抗なく、知らず知らずのうちに保守的思想を植えつけられてしまう。


そういう点では、後者の出版社のほうが社会的害悪は甚だしいと言えなくもない。
(もっとも、埋め合わせをするかのように良書も多く世に送り出してはいるが)



そういう点で最近、少し気になったのがみすず書房である。

ここはサイードの『文化とナショナリズム』を翻訳・出版したことも
ある会社で、いわゆる「お堅い出版社」に属すると思われる。


特徴的なのが、一冊一冊が異様に高いことで、これは紙の質を高めるためと
私は聞いた事があるのだが、そのわりには20年ぐらいで簡単に汚れる。

まぁ、それはともかく、古典として残すのに
ふさわしい著作をチョイスしていると言う点は確かであろう。



そこを踏まえた上で最近のラインナップをみると、
どうも質が劣化してないか?と思わなくも無いことがある。


有名なのがピケティの『21世紀の資本』だと思うが、
これはそこまで読むに値する本なのかなと思うと、正直怪しいところだ。


権力批判や資本主義批判はマルクス主義をはじめとして昔からなされてきたことで、
本書の特徴は、それを新古典派の立場から実証した点にあると思われる。


とはいえ、それはマニアというか学者にとっては画期的なことではあるけれど、
一般人にとっては……ということを考えると、アルチュセールやハーヴェイのほうが
はるかに読む意義があるような気がするのだが……ケチをつけすぎか?


そもそも、ピケティ自体、フランスでは、とびきりの左翼とは思われていないし、
累進課税の強化を求める彼の主張自体もそこまで目新しいものではない。


加えて、あの池田信夫や山形浩生らによってブームが作られたことを思えば、
これは、亀山郁夫のドストエフスキー・ブームと同じ匂いを感じる……


少なくとも左翼的な本だとは私は全く思っていない。


このように感じる人間は結構いるようで、ブームがやや沈静化してきた今、
少しずつ、その問題点について左派の側から意見が発信されている。

週刊金曜日2015年7月3日号


話が脱線したが、はたしてみすず書房が50年、100年と世に出回るべき本を売っているのかなと
思うと、首を傾げたくなってしまう。先月には、あのアンドレイ・ランコフの
『北朝鮮の核心』を出版していたが、個人的にはなぜよりによってランコフ?と思う。


ランコフという人物は、北朝鮮が抱える問題を解決するには国家体制を崩壊させるしかない、
そのためには国際社会の長期的な干渉が必要だと仰っているクレイジーな御仁で、

これは、日本の社会問題を解決するには一度、アメリカ・EUの
干渉政策によって国が滅ばなければならぬと言っているようなもの
だ。


まぁ、確かに自民党や財閥や官僚や皇族の権威と権力を一度ゼロに戻しでも
しない限り、根本的な改革は無理かなーと思わなくも無いが、それは極論であり、
しかも、ランコフの理屈だと、その革命の主体は日本人ではなく外国人だ。


どう読んでも、他国の暴力的・非暴力的侵略を是認した意見に見える。

いくら大日本帝国の内部に問題があったからといって、
GHQに占領されない限り、解決されなかったと断言できるのかという話だ。


同じロシアの北朝鮮研究者なら、ロシア科学アカデミー極東研究所朝鮮調査センター所属の
アレクサンドル・ジェビン氏や同研究所朝鮮モンゴル課のアレクサンドル・ヴォロンツォフ氏
など、他にも大勢存在し、また、彼らの意見のほうが傾聴に値するのだが、
なぜ数多いる学者の中からランコフを選んだのかさっぱりわからない。



結局、この本は北朝鮮を政治的・経済的・軍事的に攻める格好の口実を
与えているようにしか見えないのだが……ふ~む、みすずの意図がよくわからない。