家族「止めておけば・・・」
アフガニスタン南部で見つかった2遺体の身元が3日、尾道市の中学校教諭2名と確認された。 ・・・(中略)・・・父親は今回、娘さんから「友達とパキスタンへ行く」と相談を受けた時、反対したという。熱心さに最後は認めたが、「無理にでも止めておけばよかった」と悔やんでいた。・・・(後略)・・・ 読売新聞
このご両親の気持ちを想像したとしても、きっとその思いは、私の想像をはるかに越えて、深い悲しみとなっていることだろう。
今回、娘さんからの渡航についての相談に家族は反対したという。
アフガニスタンの現状を詳しく知らなくても、誰でも『危険な国』という想像はつく。
そこへ娘が行くといえば、大反対するのが普通だろう。
ましてやこの娘さん、戦場ジャーナリストでもなければ、国際支援家でもない。
ただの中学校の教諭である。
どうしてそんな危険な国に行かなければならなかったのか、それは私にはわからない。
熱心に説得されて行くことを認めたとあるが、それは決して両親にとっては本意ではなかったと思う。
そして、最悪の結果となってしまった。
大人である本人が、自分で考えて行動したのだから・・・そう言う人もいるかもしれない。
だが、あの時、何が何でも止めていたら・・・親だったらきっとそう思うはずである。
この先このご両親は、子どもを失った悲しみと、止められなかったという自責の念とに駆られ続けていくのだろうか。
それを思うとあまりにも辛すぎる。
お亡くなりになったお二人のご冥福を、お祈り申し上げます。
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うちの中2の息子は体が細い。クラスでも1・2番の細さである。
食べてもなかなか太らないのである。
それなのに、部活のサッカーではゴールキーパーをしている。
彼の学年のサッカー部は9人。
学年にGKがいないということで、誰かがGKになることになった。
1年生の夏休み前の話だ。
小学校の時ずっとフィールドプレーヤーだった彼がGKになりたいと言った。
父親と兄とは、「本人がしたいというのなら・・・」と言ったが、私は最後まで反対した。
「何で今更GKなの?」
「どうして、体が一番小さいあなたがやらなくちゃならないの?」
「来年、後輩でうまいGKが入ってきたらどうするの?」
「お母さん、GKやってるの見るの嫌だな・・・」最後には泣き落としのようなことも言った。
「GKやりたいんだ。GKがいなくちゃ試合できないよ」
最後は息子に根負けした感じで了承した。
そして、彼は先輩の控えGKとして、1年間練習を重ねてきた。
8月始めに3年生が引退して、中2の代になった。
ところが、先月末の試合から1年生GKがA戦にスタメンで出て、彼はB戦GKとなった。
今彼はやる気をなくしかけている・・・
「何がダメだと先生は言ったの?」息子に聞くと、
「もっとキック力をつけろって・・・」
私はショックだった。
判断力が遅いとか、ポジショニングが悪いとか、そういう事ならいくらでも練習でカバーできる。
だが、筋力をつけろとは・・・
体が小さくて、細いことは最初からわかっていたことじゃないか。
「だから言ったじゃない・・・」思わずそう思ったが、息子には何も言えなかった・・・。
今、私は本当に後悔している。
「何であの時、GKになるのを止めなかったのか」と。
彼が自分の意志で決めたことだから・・・そんなことはわかっている。
でも、それとは全く別の次元で、自分自身に後悔しているのだ。
息子だっていろいろ悩んでいて、辛いんだ。
母親の私が気持ちを切り替えないと。
そうはわかっていても、そんなに簡単に前向きにはなれない・・・。