一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

コンクリート打設中の大雨

2007年06月22日 09時56分16秒 | 住宅検査・トラブル相談
おはようございます。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

遠方の方から、相談がありました。

「コンクリート打設中に集中的な大雨が降り、ベタ基礎コンクリートの耐圧版(地面に接する一番下の厚い平面的なコンクリート)に3センチくらい水が溜まった状態で、表面を均していた。業者はこんなことはしょっちゅうあるから大丈夫だと言っていますが、大丈夫でしょうか?」との質問でした。

このお話からだけでは、大丈夫だとは言えません。

4週間ほど待って、シュミットハンマーでコンクリート表面強度を測定してもらい、結果が良くなければ、コア抜きという手法で強度を確かめなければなりません。この点について詳しくアドバイスしておきました。

コンクリートを打設した次の日や、表面が固まってからの雨は心配ありませんが、
セメントペーストが流れてしまうような多量の雨は好ましくありません。


業者は、さらにその次の日に作業をしていたとのことですが、24時間は作業をしてはいけません。こういったことを無視する業者は多く、工期の少ない建売の場合、養生期間を無視してこういったことを当たり前のようにしていることがあります。第三者検査の保証や検査が入っても、こういうことは確認も指摘もしません。

ですから、それが多くの職人は当たり前だと思っています。

昔は、住宅の基礎コンクリートに鉄筋を入れていませんでした。耐圧版やベースが無いタイプの基礎もありました。それでも、クレームは無く指摘する人もなかったのですから、昔からの住宅関係の職人は現在の基礎仕様が過剰だと思っているかもしれません。


木造住宅の職人や業者、現場監督はコンクリートやそれに類する正しい知識を知らない場合も多いようです。

「30年間大工をやっているけど、そんなことを言われたことはねぇ。」と反論した職人さんもいましたが、30年で建替えられている日本の住宅を造ってきた人が、過剰だと思うほうがおかしいのです。

300年の耐久性で断熱性能の良い住宅を造ってきた人のいうことなら、現在の考え方を無視して、私は従います。




住宅設計監理 ミタス 一級建築士事務所  





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