一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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外壁防水の秘訣

2007年08月10日 20時40分43秒 | 住宅ノウハウ・実例
▲外壁サイディングの場合の防水処理


みなさん、こんばんは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

先日、外壁防水の方法で、さらに厳しく指示するというお話をいたしました。

それがどういう方法か知りたいとのメールを頂きましたので、お知らせいたします。

サイディングの場合は、通称タイベックと言われる防水透湿シート(写真の白い紙のようなもの)を外壁に張り、その上に通気胴縁(写真の縦の細い木)を取り付けで、空気層を確保します。

その上にサイディングを貼るのですが、サイディングの一番の弱点は、つなぎ目の部分にコーキング材(防水のためのゴムのような弾力性のあるもの)を使用することです。

このコーキング材は10年もすれば劣化します。そのため、外壁塗装のときに、古いコーキングを取り除き、新しいコーキングをやり直さないといけないのですが、

断言しておきます、

将来の外壁塗装などのリフォーム時に、絶対に綺麗にコーキングを取り除き、新しいコーキング材を張り替えてはくれません。例え、見積もり明細にその費用が入っていても、やってくれないと言い切りましょう。絶対にやるという職人さんがいたら、私にご連絡下さい。常識的な値段で、本当にトコトン正しくやってもらえるなら外壁塗装のリフォームのときに、必ず業者指定させて頂きます。

やってくれないとどうなるのでしょう?

外壁のジョイント(つなぎ目)から水が入りますが、その下にタイベックという防水材があるから、通常は大丈夫です。正しく工事がなされていれば、通常は…というか、本来は…。

ですが、本当に大丈夫なら良いのですが、そうでもないのです。ほとんどが、正しくされていないと伝えておきましょう。私の経験からは、手直し指示なくてオーケーだったのは、超一流のハウスメーカーも、私の設計監理物件を含めても、100軒に1軒程度です。


私の設計監理物件や検査物件で丁寧に手直しをしてもらいますから、大丈夫といえば大丈夫ですが、私の設計監理物件では、さらに慎重にしてもらいます。

それが、この写真の緑色の縦の部分です。

この部分には、サイディングのつなぎ目がきて、コーキング材が施されます。

将来、ここが劣化して雨が入ってくるのですから、私はさらにその部分に、屋根に使うような強い防水紙を張ってもらいます。タイベックと呼ばれる防水紙が、果たして30年後も、その防水性能が大丈夫かどうかわからないからです。

コーキングの部分が劣化しても、この緑や黒の防水紙なら30年経っても防水性は大丈夫です。

この方法は、他ではどこもやっていないと思いますし、費用が発生するので契約前に伝えておかなければならないため、私の設計監理物件でなくては、ここまでは強制できません。

残念ながら、後からお願いしても理解できないでしょうし、無理でしょう。

業者の方もたくさん私のブログを読まれているようですが、こういう内容を公開するのは、

本当に良質な住宅にするために私がこだわって行っている他では行っていないノウハウは、まだまだたくさんあるからです。

良いと思う点は、どうぞ真似をしてもらって構いません。



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