みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。
2008年5月 9日
2008年5月13日 の耐震リフォームの続きです。
和室の基礎補強などは、一旦終わり、ダイニングの耐震補強です。
床、壁、天井をすべて解体しました。
基礎補強、耐力壁の補強、金物関係の補強を完全に行い、その他不具合があれば
それを直すためです。
そのため解体が終わったあと、必ず私がチェックし、予定通りの工事で良いか、
他に必要なことはないか、その他の細かい指示を現場でします。
これらは、事前に図面にすべて描くことはできません。
想定外の内容が出てきますし、現場に合った補強方法や手直し方法が必要だから
です。
ダイニングの浴室側の土台と柱が腐っていました。
古い家のリフォームでは良くあることです。
▲この両側の土台が腐っています。
▲この土台と柱の下部が腐っています。
この部分の取替えが必要です。さっそく、大工さんにお願いをして、
その部分をヒノキの土台と柱に交換するよう依頼しました。
さらに、入っていた筋交いの向きがよろしくないので、逆向きにして、
もっと強い筋交いに変えて、金物で補強します。
既存の梁のまま筋交いを付けては問題があったので、新たに2箇所に横架材(梁)
を入れました。こういうことは、解体して既存の現場の納まりをよく見て、
初めて判断、指示ができることです。
金物も細かく指示をして、基礎補強の業者を入れました。
ここでも想定外のことが起こっていて、キッチリ対応するには、
当初の予定より1日余分に工事が掛かりました。
それが終わって、土台と柱の根継ぎです。
▲基礎補強が終わったあと、土台と柱のカットです。
切ってみると、土台の中から白蟻の幼虫が出てきました。
外側からは私も大工も注意して観たのですが、いないと判断していました。
工事ストップで、すぐに白蟻業者の手配です。
▲1本目の土台と柱の下部取替え完了
▲2本目の土台と筋交い、その上部の横架材を入れる。
土台には、アンカーボルトが不足していたので、
ケミカルアンカーのアンカーボルトを取り付け。
工事の工程に支障が無いように日曜に入ってもらいました。
工事が予定通り進まないのですが、
お客様には不便を掛けないように一番問題があって生活しにくい1週間は、
旅行に出て行ってもらっていました。
戻ってくるまでに、何とか約束の床の下張りまでは済ませたいところでした。
▲外壁面には新しい断熱材(ブルーの色)、筋交いや金物、横架材などで補強して
構造用合板となります。
予定の耐震処理を終え、壁を塞いでから、床の下張りとなります。
通常は床を行ってから壁なのですが、耐力壁の補強仕様のため壁から先に行いました。
▲リフォームには、大工さんが現場で構造体の加工をする、
刻みという作業が必要になります。ところが、意外に今、
この刻みができる大工さんが少ないのです。
年配の大工さんでもできない人が増えています。
お帰りになったとき、お約束より1日遅れていました。
予定外の内容が4つあり、そのまま行けば3~4日伸びたのですが、
何とか1日遅れにまで縮めることができました。
お帰りになってのお言葉は、
「主人が、やっぱり、しっかりと行ってくれている。良かったと言ってたわよ。
ここまでしてくれるのは、清水さんしかいないわ。20年前と同じだわね。」
「清水さんが連れてくる大工さんは、ホントみんな良い人ね。やっぱり違うわね。」
いろいろあって余分に行ったことを、私が行く前に大工さんからも聞いていたようで、
工期の遅れは納得して頂き問題にならず、お褒めの言葉とおみやげを頂き、良かったのです。
このお客様は、20年前に私が勤めていたときに一部リフォームを担当したことがありました。
20年前と同じというのは、そういう意味です。技術系のご主人さまで、
じっくり検討され、技術的なことに興味がおありです。
このあとも、まだ工事は続きますが、耐震補強の山場は過ぎました。
みなさんにお知らせいたいのは、リフォーム工事は、実は新築以上に難しいのです。
正しいリフォーム工事や耐震補強がなされているかというと、
実態はほとんどなされていないと私は思います。
リフォーム業者は、素人か素人に毛の生えた人でも行っていますし、
営業担当者、建築士の資格を持った担当者、インテリアコーディネーターの担当
を含めて、本当に正しい知識と判断のできる人は、非常に少ないからです。
新築以上に難しい、でも新築とは比べ物にならないくらい軽視されているのが、
実態です。
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