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とんだ藪蛇。安倍元首相「国葬」決定で岸田首相が踏んだ“虎の尾”

2022年07月26日 | 社会・経済

まぐまぐニュース!2022.07.26 317

    by 高野孟『高野孟のTHE JOURNAL』

 

9月27日に日本武道館で行われることが決定した安倍元首相の国葬を巡り、賛否両論が噴出しています。このような状況となることは容易に予想できたはずの岸田政権は、なぜ安倍氏を国葬で送る決断を下したのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、岸田首相の「即決即断」を藪蛇とした上でその理由を解説。さらに海外メディアの報道を紹介しつつ、国内外に良からぬ影響を与えかねない国葬決定に対して危惧を示しています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年7月25日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:高野孟(たかの・はじめ)

1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

 

藪蛇となった岸田首相主導の「国葬」決定/岸・安倍一家3代の統一教会との癒着に向けられる世間の冷ややかな目

 安倍晋三元首相を「国葬」に付そうという岸田文雄首相の珍しく独断専行・即断即決的な決定は、どうも拙速だったようで、週刊誌だけでなく一般紙も含めメディアは一斉に、岸信介元首相以来3代に及ぶ統一教会=国際勝共連合との深い癒着関係の探究に焦点を合わせている。それを見て、最初は遠慮がちに様子見していた言論人たちも次第にはっきりと疑念を表明するようになり、野党も立憲民主まで含めて「反対」姿勢に傾いている。国会前では市民の反対デモも起きていて、まさに藪を突いて蛇を出すの有様となった。

放っておけばよかったのに

 推測するに岸田は、参院選で大勝を得た高揚感の中で、事件現場に設けられた献花台に長蛇の列が出来たり、ブリンケン米国務長官が早速飛んで来たのをはじめ各国首脳から弔意が寄せられたりした様子を見て、「これは行ける!」と判断したのだろう。官邸を通じて内閣法制局に「国葬」を打てるだけの何らかの法的根拠を見出すよう指示した。

 安倍は自民党にとっても極めてアンビバレント(両義的)な存在で、確かに首相としての在任期間最長という記録は一目も二目も置かざるを得ないが、それでいて改憲も拉致も北方領土もアベノミクスも口数ばかり多い割には何の成果もないという虚しさは覆い難く、それどころかモリ・カケ・サクラなど答弁が嫌で国会も出来るだけ開かないようにするという卑劣さも被さって、まあウンザリしながらも腫れ物扱いで付き合ってきたというのが本当のところだろう。本人にもその党内の空気は痛いほど分かるから、わざわざ最大派閥の会長に就いて現役性を誇示し、核共有への踏み込みや防衛費2%目標などをあたかも大長老が現内閣に“指示”を下すがごとき口調で公言したりして、必死で体面を繕ってきた。

 その危ういバランスを思えば、こんな不幸な亡くなり方をしたとはいえ大騒ぎせず、せいぜいが大平正芳や岸信介など多くの首相経験者の時と同じ「内閣・自民党合同葬」程度にして粛々と済ませればよかったのだ。ところがこれを政権浮揚の一大行事に仕立ててやろうかという岸田の政局思惑が絡んで「国葬」という無理な設定に突き進んだ。

 どこぞの川柳欄に「国葬に閻魔が呆れる嘘の数」という秀句があったが、まさに岸田は閻魔まで起こしてしまったのである。

「国葬」に相応しいのか

 内閣・自民党合同葬なら「それに相応しいか」という議論が起こる余地はないが、戦後は法律上の定めがない「国葬」となるとそうはいかない。そこでまず起きなくてもいい余計なざわつきが始まり、その中で世間的にはしばらく忘れられていた「統一教会」とは何なのかに改めて関心が集まり、そうするとこの国際的詐欺集団と岸信介から安倍晋太郎そして晋三に至る政治家一家3代に及ぶ癒着関係が浮き彫りになってくる。

 これは岸田にとってもまことに由々しき事態で、恐らく官邸ポリスから奈良県警に対しては、統一教会と安倍の親密な関係が山上徹也の主な殺人動機であるかのような発表の仕方を控えよという指示が下りていることだろう。「日刊ゲンダイ」コラム(本号FLASH欄参照)でも触れているように、マスコミは最初から、山上が安倍を統一教会と関係が深いと「〔勝手に?〕思い込んで」凶行に及んだかのニュアンスを振りまいている。

 同様の歪んだ報道の例の1つは7月23日付「毎日新聞」の「入念な計画〔と裏腹の〕不可解な動機〔の解明が〕精神鑑定の焦点」という解説記事。この見出しの言葉づかいそのものが警察発表に沿っていることは見え見えで、山上が「団体の関連組織の行事に安倍氏が寄せた動画メッセージを視聴」して安倍への「殺意を抱いたという山上の説明には論理にかなりの飛躍がある」ので「4カ月鑑定留置して精神鑑定する」と述べている。

「家庭を大切にしろ」だと?

 私が思うに、山上は精神的に相当追い詰められていたとはいえ異常を来してはおらず、安倍が統一教会そのものではないことなど百も承知の上で、しかしその動画を見れば安倍を凶行の対象とするのは当然だと考えたのだろう。

 よろしいですか。山上は統一教会に母親を奪われ、財産を盗まれ、「家庭」を破壊され、人生まで無茶苦茶にされて絶望のドン底にあった。毎日記事の言う「団体」は統一教会で現在の名称は「世界平和統一家庭連合」、「関連組織」は「天宙平和連合(UPF)」。安倍が動画で語ったのは「UPFの平和ビジョンにおいて、家庭の価値を強調する点を高く評価いたします」という統一教会への賞賛。これを観て山上が「家庭連合?家庭の価値?ふざけるんじゃないよ」と思ったとしてもそこには何の論理の飛躍もない。従って動機は不可解でも何でもない。警察は、精神鑑定にかけて山上の頭がおかしかったことにして、安倍の統一教会との関係には何もおかしいことはなかったことにするつもりなのだろうが、多分この試みは成功しない。

 ちなみに、安倍が賞賛した「家庭の価値」とは、選択的夫婦別姓反対、同性婚反対、ジェンダーフリー反対などで、有田芳生=前参議院議員がテレビなどで語っているところによれば、統一教会=国際勝共連合の女性活動家がチームを作って数十年にもわたって定期的に国会議員会館を訪れ、各議員に資料や文鮮明の著書を配るなどしてロビー活動を展開してきたテーマである。また岸田政権が目玉施策として来春発足させようとしている「こども庁」が途中から「こども家庭庁」と名称が変わったのも、統一教会勢力の働きかけによる。統一教会が霊感商法や結婚詐欺ビジネスで「家庭」を破壊した後をこの役所に救済させようというのかという批判まで出たほどである。このように、統一教会とは何かに関心が向けば向くほど、自民党一部の右翼系議員との深い関わりが浮き彫りとならざるを得ない。

 海外の反応も甘く見てはいけない。米国の軍産複合体の手先であるジャパン・ハンドラーなどが最大限の安倍讃歌を奏でるのは当たり前として、「ワシントンポスト」は統一教会が60年以上にわたる世界的な活動を日本での霊感商法による収益で支えてきたことを指摘したマーク・フィッシャー論文を掲げ、NYタイムズ」は「安倍晋三のナショナリズムを賞賛してはならない」と題した中野晃一=上智大学教授の寄稿を1面トップに掲載した。

 英「フィナンシャル・タイムズ」の事件後最初の大きな記事も、悪名高いカルト集団と岸信介の関係という公然の秘密を日本の支配層とメディアが見て見ぬふりをしてきたことへの批判である。

安易な「国葬」決定がどんなハレーションを内外に引き起こすか予断を許さない。

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「旧統一教会と文科省政務三役の「緊密リスト」 第2次安倍政権以降の“毒手汚染”が一目瞭然」より一部抜粋。

日刊ゲンダイデジタル2022/07/26

 

 旧統一教会の取材を続けるジャーナリストの鈴木エイト氏が言う。

「下村文科相時代の2015年に、文科省の外局である文化庁が法人名変更を認めた問題がクローズアップされています。また、今でも続く統一教会の問題が改めて明らかになり、場合によっては、宗教法人格を剥奪する必要も出てくるでしょう。所轄庁である文科省の役割は極めて重要ですが、末松文科相以下、この政務三役が統一教会の問題に切り込めるとは到底思えません」

 末松氏は、信教の自由を盾に「文科省が(旧統一教会に)立ち入って(問題を)指摘することは極めて抑制的であるべきだ」との慎重な姿勢を示している。

■有利にするため族議員に接近か

 鈴木エイト氏が作成したリストを参考に、第2次安倍政権以降の旧統一教会と関係がある「文科省政務三役」をピックアップした(別表)。旧統一教会の“毒手”が張り巡らされているのがよくわかる。

これが文科省大臣・副大臣・政務官と旧統一教会の「緊密リストだ」/(C)日刊ゲンダイ

「統一教会が文科族や政務三役に就任した議員に積極的に接近していたのは事実です。統一教会の都合のいいように行政が歪められなかったのか、検証が必要です」(鈴木エイト氏)

 闇は深そうだ。


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