「東京新聞」社説2024年11月9日
国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)が日本政府の対面審査を行い、選択的夫婦別姓導入などを勧告する最終見解を公表した。日本が1985年に締結した女性差別撤廃条約に基づく審査で、今回の勧告内容は日本社会に女性差別が根強く残ることを示す。
政府や国会は勧告内容を重く受け止めるとともに、勧告によらずとも、主体的に女性差別をなくすために動かねばならない。
CEDAWは条約締約国の女性に不利益な制度や慣習の改善状況を定期的に審査しており、日本政府に対しては2016年以来。
日本は同条約に基づき、男女雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法の制定、国籍法や民法の改正など、性差別解消に向けた政策を進めてきた。
同条約は、姓を選択する権利を妻と夫に平等に保障するよう定めている。日本では法相の諮問機関である法制審議会が1996年に選択的夫婦別姓制度を導入する民法改正案要綱を答申したが、いまだ実現していない。
CEDAWは条約の趣旨に反すると問題視。2003年から選択的別姓制度の実現を日本政府に勧告し続けており、今回の最終見解でも同制度導入を勧告した。
今回の審査で日本政府代表団は「夫婦が別姓を名乗ることを認めるかどうかは国民の意見が分かれている。日本社会の家族のあり方にかかわる重要な問題で国民の理解が必要」と述べたが、女性のアイデンティティーや人権にかかわることを軽視してはいないか。
最終見解では、緊急避妊薬を利用しやすくするとともに、人工妊娠中絶に配偶者の同意を必要とする規定の廃止も求められた。
子を産むのか産まないのかを決める主体は女性自身であり、その自由が侵害されないことは、国際社会が認める人権でもある。
さらに、女性の国会議員が少ないことにも懸念が示され、沖縄で頻発する米兵による性暴力にも初めて言及された。
議論を呼ぶのは、男系男子が皇位を継承すると定めた皇室典範も改正が求められたことだろう。
政府は遺憾を表明し、削除を求めたが、共同通信が今年行った世論調査では女性天皇を認めることに計90%が賛同している。国際公約の条約順守は当然だが、国民の意見と誠実に向き合い、必要な施策を主体的に講じるべきである。
タイヤ交換をしてきた。
しばらく雪になりそうもないのだが。
園のようす。