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うちなー→えぞ日記 (もとすけのつぶやき)

奈良県出身、沖縄での学生生活を経て、北海道ライフを堪能する、
とある研究者の日常のよしなしごとの紹介。

506日ぶりの更新 その間、何があったのか・・?

2019年02月25日 21時50分03秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
皆様、こんばんは。もとすけです。
大変長らくご無沙汰しておりました。
2017年10月7日以来の更新となりますが、先ほど計算したところでは実に506日ぶりとなります。

この間、更新を妨げるような何か(病気、結婚、その他)があったかというと、そんなことはありませんでした。私は元気です。
Twitter辺りでは結構呟いていたりもしましたから、まあブログに長文を書くのが単に面倒だっただけということになるでしょうか・・。
今回更新を思い立ったのは、Google検索で長年「もとすけ」の検索結果第1位を保ってきた当ブログが、あまりにも更新しなかったために首位から陥落し、ここのところ徐々に位置が低下していたことに危機感を持ったからです。
私は毎回このブログに来る際には「もとすけ」で検索して来ておりまして、Google検索で引っ掛からなくなると来にくくなってしまいます。(お気に入りに登録すれば良いだけの話ですが)

閑話休題、506日もあれば、色々なことが起こるものです。
今回はこの無更新期間中にあった諸々について書いてみようと思います。



2017年10月、初めての総説が出版。
私は、2019年2月現在、ブログの更新停止前と変わらず北海道大学のとある顕微鏡共用施設で特任助教を務めております。一応、更新をサボっていた間に共同研究論文が2報ほど出ました。一つは琉球大学時代の古巣のボス・後輩と共著のチョウの翅模様形成プロセスを長時間タイムラプス観察で追跡した研究の話(私が観察法を確立しました)、もう一つは現職場の上司の研究室の仕事で、2光子励起蛍光顕微鏡という生体深部での観察が可能な顕微鏡の超解像化に関する研究の内容でした。2017年にはまだ論文は出ていませんでしたが、上司から総説執筆の話を頂き、医学雑誌の「生体の科学」誌の蛍光顕微鏡技術特集号にて2光子励起顕微鏡の研究トピックについて書かせていただきました。実際の執筆は2017年5月頃だったのですが、出版は10月でした。
現在、新たな共著論文が投稿準備の最終段階にあり、ちょうど明日辺りには投稿の予定です。また、職場で顕微鏡観察を支援している研究者の方々の論文も次々と論文化予定なので、今年は共著が順調に増えそうです。一方で、今年(こそ)は主著論文(私がメインに行っている超解像顕微鏡の話)も複数出すべく、研究を進めているところです・・。いずれ論文化が成った際にはこのブログでもご紹介したいと思います。



2017年10月、同じ頃、札幌時計台の2階に新たなクラーク像が爆誕しました。
主なクラーク像としては(実は北大構内だけで5体くらい有る)、北大、羊が丘についで3体目のクラーク像ですが、これまでの像に比べて若々しいハンサムな造形です。



2016年に続いてNHK紅白歌合戦を現地で鑑賞するため、この年も大量の観覧申し込み葉書を友人と協力して送りましたが、残念ながら当選ならずでした。



2017年後期から2018年前期にかけては、超解像顕微鏡(光の回折限界を超えて細かな物を観ることが出来る顕微鏡)を現職場に導入すべく、色々な手法の超解像顕微鏡を試していました。こちらはその一種の超解像法に使うために自分で組み立てたレーザーカップリング装置。この装置を使って顕微鏡にレーザーを導入し、2018年春には超解像観察に成功しました。
ちなみに今は、特殊な装置を必要としない、画像解析による超解像法にはまっていて、これから論文を書くネタもそんなお話です。



2017年の冬には縁あって、ノーベル文学賞候補にも挙がったという某SF文豪の愛車だったジープ・ラングラーに乗ったりもしました。
オートマながら、古い車ということもあって独特の運転フィーリングでした。また運転したい・・。



2017年冬から翌春にかけては古巣の研究室の後輩達の結婚式が相次ぎました。
私のことをよく理解している後輩達だったので、とても楽しかったです。



そうそう、忘れかけていましたが、2017年12月には海外の顕微鏡画像コンテストで第5位に入賞したのでした。
オランダの顕微鏡画像解析ソフトウェア会社であるSVI社主催で、同社の顕微鏡画像収差(ボケ)除去ソフト「Huygens」を用いた蛍光顕微鏡画像のコンテストでした。
私が投稿した顕微鏡動画は動画部門で1位、全体で5位に入賞し、賞状を頂きました。
参考Webサイト:Huygens Image Contest 2017
これこそブログネタにもってこいの話ですが、何故当時投稿しなかったのかは謎です。(Facebookには投稿していたのに)



明けて2018年、2月には脳科学のトレーニングコースに参加して、自分の脳をMRIで観察したりしました。
私の脳は思っていたよりは普通でした。



同月、雪まつり期間に親が札幌にやってきました。ホテルではなく我が自宅に泊まることになり、慌てて部屋を大掃除した思い出。
そしてこんなに広かったっけと驚いた思い出。こう見るとお洒落部屋に見えるのが不思議。



3月、4月には所用で実家に帰省。地元の美しい桜を堪能しました。



2018年ゴールデンウィーク、某所にてひたすらエゾリスを追いかけて連休を費やしました。



初夏には、滝川市や安平町に広大な菜の花畑を見にドライブしました。特に安平町の菜の花畑は広大で、地平線まで続く光景にうっとりしたのものでした。



7月初め、親戚の法事で熊本に行き、復興途上の熊本城も見学しました。
天守閣はだいぶ修復が進んでおり、少しずつ威容が戻りつつありました。



去年も夏シーズンには多くの花火大会を観にいきました。16ヶ所くらい観たはずですが、一番観たかった花火大会が残念なことになってしまいました(後述)。



9月1日には、東京での展示会出展出張の折に水樹奈々のライブに初参戦。猛暑の中、4時間近く立ちっぱなしでコールし続け、大興奮でした。


・・・



そして、あの日を迎えました。

長くなってきたので、今回はここまでで失礼します。
次回、あの9月の一大事について書きたいと思います。

スウェーデン旅行記8 印象深きスウェーデンの風景

2017年10月07日 23時58分53秒 | スウェーデン旅行記
こんばんは。前回の更新からまただいぶ日が経ってしまいました。
ここのところ本業の方が忙しく、なかなかブログ書きに手が回らない状況です。
今夜は若干手抜きですが、今後順次ブログで紹介する予定の、スウェーデンで訪ねた様々な場所で撮った印象深い風景をご紹介したいと思います。


ガムラスタンの街角
日曜礼拝前に流れる鐘の音を聴きに、ストックホルム旧市街ガムラスタンを歩きました。
ここはスウェーデン国王の戴冠式も行われるストックホルム大聖堂の脇の小道です。
ストックホルムは魔女の宅急便に出てくる街のモデルの一つですが、この街角にキキが佇んでいる光景が一瞬目に浮かびました。


ストックホルム市庁舎 黄金の間
魔女の宅急便に出てくる時計塔のモデルであるストックホルム市庁舎は、ノーベル賞授賞式の晩餐会場としても有名です。この黄金の間は、晩餐会後の舞踏会に使われる部屋で、市役所とは思えない、とても豪華な造りでした。


ブロンマ交差点
ストックホルムの西郊外にあるBrommmaブロンマ地区のホテルの窓から見た風景。
この交差点はストックホルムを東西に結ぶ道と、環状に周る道の交点になっており、綺麗な円形のロータリーとなっていました。


同じ場所で撮ったタイムラプス動画です。ぐるぐる回っています。


ウプサラ大聖堂1


ウプサラ大聖堂2
日帰りで出掛けたウプサラの町にある大聖堂の内部の様子。
北欧最大規模の大聖堂として知られ、圧倒的なスケールと荘厳な装飾に感涙しました。


タリンクシリヤラインの豪華フェリー船内
ストックホルムとフィンランドのヘルシンキを結ぶフェリーにも区間乗船してきました。
夜にフィンランド行きフェリーに乗り、午前2時に途中寄港地のオーランド諸島で下船、反対方向の船に乗り換え、朝にストックホルムに戻るという弾丸乗船でしたが、巨大フェリーの吹き抜けの船内は、まさに町そのものでした。


多島海の朝1


多島海の朝2
バルト海とストックホルムを繋ぐ多島海の船旅。島影から上ってきた朝日は、とても美しかったです。


ドロットニングホルム宮殿寝室
ストックホルム西方にあるスウェーデン王室の宮殿。現役の王宮ですが、宮殿内部が一般公開されていて、17世紀のヨーロッパの宮廷文化の華やかさを堪能できました。この寝室は、実際には来賓との会談場所として使われたそうで、寝室という最もプライベートな場所で会談することで、親密さを表していたとのこと。


ヴァーサ号博物館
ストックホルムは多くの博物館・展示館が存在する文化の街でもあります。
このヴァーサ号博物館は特にお勧めのスポットで、約400年前、完成直後に沈没した木造帆船ヴァーサ号を丸ごと引き揚げ、展示しています。吹き抜けの真ん中に巨大な木造船が展示されている様子は、今はなき大阪の「なにわの海の時空館」を彷彿とさせます。


夕暮れ時のガムラスタン
ストックホルムの交通結節点であるスルッセンのビルの屋上から見える風景。
地下鉄の地上区間や高速道路、スウェーデン国鉄線などの様々な交通機関がここに集中しているため、一日中ここで眺めていても飽きない風景でした。


夜のガムラスタン


夜のガムラスタン2
バルト海から繋がる入り江とメーラレン湖に挟まれたストックホルムの街は北欧のヴェネチアとも呼ばれています。
海から見える夜景は、まさに水都というに相応しい光景でした。


ロンバックスフィヨルド
オーロラを見たいと思い、夜行列車で出掛けた北極圏の風景。
スウェーデン・ノルウェー国境を通過した直後から、終点のナルヴィク駅まではフィヨルドの谷を下る路線となっており、絶景の鉄道車窓風景として世界的に知られています。


ロンバックスフィヨルドの車窓風景を動画で撮影しました。


夜行列車で到着した、ヨーロッパ最北端の駅ナルヴィク駅付近の町並み。港町らしく、斜面に家々が並ぶ様子は、どこか懐かしい雰囲気でした。


アビスコの山々
夜行列車は北極圏の自然公園を通過します。ナルヴィクから宿泊地のキルナに向かう車窓からは、不思議な形をした山々が見えました。


キルナ鉱山
地理の授業で習う、ヨーロッパを代表する鉱山。低層の建物が多い街並みから外れた場所に、大きな運営会社のビルが建っています。
背後には鉱山が迫っています。


セーデルマルムの街角1


セーデルマルムの街角2


セーデルマルムの街角3
スウェーデン滞在最後の夜、研究所で出来た友人が夜のドライブに連れていってくれました。
ストックホルムの南市街にある風致地区。地元の人自慢の夜景は、まるで絵本の中のような光景でした。

以上、時系列順に思い出深いスウェーデンの写真を紹介しました。
あらためて写真を眺めていると、また北欧を旅したい衝動に駆られてきます・・。

今年も勝毎花火大会を観てきました。

2017年08月17日 00時55分22秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
ここのところスウェーデンネタをずっと書いてきましたが、久々に近況を紹介します。
先週末、8月13日日曜日に花火を観に帯広へ出掛けてきました。

ここ数年の私の趣味で、今年も夏の花火大会を巡っております。
既に今季も勝毎花火観覧前の時点で道内6箇所の花火を観ていました。


真駒内花火大会2017


第1回 えべつ花火 2017


あばしりオホーツク夏まつり花火大会


道新・UHB 豊平川花火大会


おたる潮まつり 道新納涼花火大会


銭函サンセットビーチ祭り2017 花火大会

花火大会ごとに、それぞれ違った趣があって面白いです。
しかしながら、今回鑑賞した勝毎花火大会は数ある花火大会の中でも例年最も楽しみにしている花火大会の一つです。
打ち上げ総数20000発、視界いっぱいに広がるワイドスターマインと音楽の融合が見所で、フィナーレの壮大さは変わらない一方で、毎年新しい試みを取り込んで進化を続ける花火大会です。

私は2014年に初めて観にいき、続く2015年も観覧、しかしながら去年の夏は北海道にいなかったため、観にいけませんでした。
今年は2年ぶりの観覧ということもあり、非常に人気の高い抽選販売のチケットを購入して、初めて有料席で鑑賞してきました。
過去2回は無料席から鑑賞して、それでも非常に壮大で美しい花火を楽しんだつもりでしたが、やはり有料席から観る花火は一味違いました。
以下に今回撮影した動画を紹介します。


第1部 Reunion ~再会~


第3部 JAPANEMOTION こころの和火


第3部 JAPANEMOTION フィナーレスターマイン "軌跡"


第4部 花火ファンタジアin十勝


第6部グランドフィナーレ "約束のソラ"

如何でしょうか?
文句無しで北海道で最も規模が大きく、エキサイティングな花火ショーでした。
私も北海道に住んでいる限りは、今後も毎年通いたいと思っています。

さて、すっかり花火の虜になってしまった身としては、さらに規模の大きな花火大会を観てみたいという欲望に駆られてしまいます。
花火ファンの間では「日本三大花火」と呼ばれる日本屈指の規模の花火大会があります。


長岡花火大会(新潟県、8月初め開催)


大曲の花火(秋田県、8月下旬開催)


土浦花火競技会(茨城県、10月初め開催)

の3つです。
YouTubeの動画で観てもこれだけ美しいのだから、実物は如何ばかりでしょうか。
さらに、日本三大花火以外にも大規模で凝った趣向の花火大会は数多あります。
年に1回ずつくらいは道外の大きな花火を観にいってみたいものです。

ちなみに今季の私の道内花火大会巡りの今後は、釧路の三尺玉打ち上げ(どんぱく祭り、9月)、モエレ沼芸術花火(9月)を観にいく予定です。
また良い動画が撮れたらブログでもご紹介したいと思います。

スウェーデン旅行記 7  カロリンスカ研究所

2017年08月06日 22時09分45秒 | スウェーデン旅行記
さてさて、スウェーデン旅行記第7回目です。
今回はこの旅の目的である、研究留学先の Karolinska Institutet カロリンスカ研究所の概要についてご紹介したいと思います。

前回の記事はこちら:スウェーデン旅行記6



前回の記事の最後で、第3系統の路線バスに乗り、終点のKarolinska sjukhusetバス停に降り立ちました。
ここはカロリンスカ研究所併設のカロリンスカ大学病院の玄関口です。


こちらはカロリンスカ研究所を上空から見た画像です。
カロリンスカ研究所は以前の記事で「ストックホルム市にある」と書きましたが、正確にはストックホルムの北方に隣接するSolna市の南端に位置しています。上の画像上の水色の細線が市境を示しています。研究所の敷地内を市境が横切っていることが分かります。
研究所の敷地は、東が高速道路、西がスウェーデンを南北に結ぶ鉄道の幹線に挟まれたエリアに、東西1.3 km、南北1.0 kmにわたって広がっています。研究所の中心部を幹線道路"Solna vägen (Solna通り)"が南北に縦断しており、その東側が大学病院地区、西側が大学教育施設地区と大まかに分かれています。


先ほどのバス停から北側を望むと、広大な墓地が広がっていました。
ストックホルムは世界遺産にもなっている森の墓地"Skogskyrkogården"(これはストックホルム市南郊にあります)も有名ですが、森の中に墓が集まる風景を見て、似た雰囲気を感じました。


カロリンスカ大学病院の正面玄関前まで来ました。大きな建物です。
カロリンスカ研究所は1810年設立で、別名カロリンスカ医科大学とも呼ばれ、スウェーデンのみならず世界最大の医科研究教育機関となっています。実にスウェーデン国内の医科教育の30%、医学研究の40%を担っているそうです。
日本ではノーベル医学・生理学賞の選考委員会があることでも有名ですね。


病院付近の看板です。当然ながら全てスウェーデン語です。北欧言語はドイツ語によく似ているので意味はなんとなく分かりますが、渡欧2日目の私にとっては、異国情緒を強く感じる風景でした。


病院棟の受付玄関で道を尋ね、西に数百m離れたCentrum för molekylär medicin (CMM) 分子医学センターの建物にやってきました。
留学先の研究室はこの建物の中にあります。
中に入ると、医学研究所だけあって警備が厳重になっており、各階の入り口の扉は昼間でも施錠されていました。
2階に留学先のホストの准教授がいると聞いたので上がってみたところ、ちょうど入り口脇のリフレッシュスペースでお茶を飲んでいるところでした。窓の外から声を掛けて気付いてもらえて、無事に合流。
半年前に准教授が来日した際にお会いして以来の再会で、お土産を渡したりしてしばし歓談した後、研究フロア内を案内してもらいました。


研究フロアの廊下です。
准教授はCMMの臨床神経科学科の研究グループ所属なのですが、各研究グループの規模は日本の一般的な研究室の規模よりも小さいそうで、数人程度ずつに細分化されているとのこと。
このフロアは複数の研究グループが使用していて、学生の居室や実験室も共用になっていました。
用意されていた私のデスクは各研究グループ共用のゲストデスクで、隣の研究グループの学生さんと一緒の部屋でした。


私のデスク横の窓から見えた風景です。中庭が見えていて、レンガ調の建物がいかにも欧風ですね。


フロアの廊下に置かれている器具も、各研究グループ共用でした。
ちなみに器具や試薬の準備は技術スタッフさん(こちらも複数の研究グループ共同で雇っているらしい)に洗浄や調製をお任せでき、研究者は実験に専念できる環境でした。
また、掃除は毎日昼頃に清掃員さんが来てこまめにモップ掛けしており、常に清潔な状態なことに感心しました。


リフレッシュスペースは各フロアに一箇所ずつあり、簡単な調理もできます。
ここも共用スペースなので、よその研究グループの人と昼食やティータイムに会話することもしばしば。
印象的だったのが、小さな会議スペースが多数設置されていることでした。学生と教員が2,3人程度でミーティングする様子が頻繁に見受けられました。

一通りフロアを見学した後、滞在中の研究について打ち合わせを行いました。
私は概日リズムに関わる時計蛋白質の分子ダイナミクスの時間変化の解析に取り組むことになりました。
その後、施設入館用のICカード、そして貴重品ロッカーの鍵を受け取りました。
共用フロアという形式は研究者同士の交流には良いのですが、人の出入りも多くなり、盗難被害が多発しているとのことでした。そのため、財布や鍵などの貴重品は昼間は貴重品ロッカーに保管しておき、最低限の研究道具だけをデスクに置くように勧められました。


研究の打ち合わせの後、訪問研究員としての辞令を作成してもらうまで少し時間が空いたので、滞在中の住まいについて相談するため、カロリンスカ研究所の住宅斡旋窓口を訪ねることにしました。
カロリンスカ研究所には多くの研究員が滞在するため、短期滞在から長期滞在まで様々な用途に対応した住宅を斡旋するKI(Karolinska Institutetの略)Housingという窓口があるのです。
KI Housingのオフィスは大学教育施設エリアにあるので、研究所のキャンパス探検も兼ねて散策してみました。
ちなみに、ストックホルムの住宅事情は、ホストの准教授曰く"クレイジー"だそうで、月々の単身者用住居の家賃は10万円以上、しかも入居は数ヶ月待ちという状況。市街地の住居は競争率が高いため、一度入居すると住人がなかなか手放したがらないそうで、又貸しや又々貸しが横行し、相場が高騰、一層入居が難しくなるという悪循環に陥っているようです。
研究所では学生や研究者用に一定数のアパートメントの居室を確保しているとのことだったので、短期で借りられるか相談しにいこうと思ったのです。


病院地区の建物はレンガ調の風情ある趣でしたが、大学側は最近建て替えが進められているようで、近代的なビルが立ち並んでいました。


大学エリアで"ノーベル通り"を見つけました。


"ノーベル通り"をそのまま歩いていくと、"Nobel Forum ノーベルフォーラム"という建物に行き当たりました。
その名の通り、ノーベル医学・生理学賞の選考会議や受賞者についての記者会見が行われる建物です。
2016年のノーベル医学・生理学賞は東京工業大学の大隅良典 栄誉教授に授与されましたが、まさにここでその決定が行われたことになります。
この建物は普段は学内外の学術講演会などにも使われているようです。


大学エリアの南端から病院エリアを望むと、なにやら建設現場が見えました。
実はこれはカロリンスカ大学病院の新病院棟だそうで、ちょうど2016年後半の一部開業を目指して工事の真っ最中だったのでした。
新病院には630床の入院病床を設置するそうですが、なんと全室個室になるとのこと。さすがは福祉国家というところでしょうか。

このあと、KI Housingを訪ねたのですが、3ヶ月以上滞在する人向けにしかアパートメントは提供できないと断られてしまい、仕方なく滞在先を自分で探すことになりました。

この日はその後、研究員の辞令を受け取り、まだ時差ボケも克服できていなかったので早めにホテルに帰ったのでした。
当日は金曜日で、本格的な研究作業は週明けの月曜日から始めることになりました。

というわけで、今回はカロリンスカ研究所について紹介しました。
次回はストックホルムでの生活関連の小ネタを紹介したいと思います。

~続く~

スウェーデン旅行記 6  ストックホルムの車窓から ~いざ、カロリンスカ研究所へ~

2017年08月03日 20時06分46秒 | スウェーデン旅行記
6回目の更新となるスウェーデン旅行記、今回はストックホルム到着翌日にホテルからカロリンスカ研究所まで乗った路線バスについて記したいと思います。

前回の記事はこちら:スウェーデン旅行記5


ストックホルム到着から一夜あけて2月12日の朝です。
午前7時半に起きて、窓から外を見たら、まだ仄暗く感じました。ストックホルムの日の出の時間を調べてみたところ、この日はちょうど7時31分が日の出でした。ちなみに日の入りは16時33分で、日が出ている時間は9時間ほどです。
同じ日の東京の日の出は6時31分、日の入りは17時19分で、ストックホルムの方が2時間ほど昼が短いことになります。


ホテルは朝食付きだったので、最上階にある食堂に食べにいきました。
ビュッフェスタイルで、好きなおかずを取った結果がこちら。この後に泊まったホテルも大体同じような品揃えで、多分これがスウェーデンのオーソドックスな朝食かと思われます。スウェーデンでの食事情については別の記事に纏めようと思いますが、冬のスウェーデンでは生野菜の入手が難しいようで、野菜はパプリカとピクルスのみ、代わりに果物ジュースが複数置いてありました。
主食はコーンフレークにしました。
このホテルは病院のゲストホテルということでしたが、朝食会場では新生児を連れたお客さんが多く見受けられました。

朝食を食べ終わり、早速外に出掛けました。今日は研究留学先のカロリンスカ研究所のホストの元に挨拶に行く予定で、10時半に会う約束をしていたのでした。


こちらはストックホルム中心部の航空写真です。写真の収まりの都合上、方位を90度右に回転して表示していて、右が北で左が南を示しています。
昨夜ストックホルム中央駅の近くからホテルまでは第3系統の路線バスに乗ってきたのですが、そのバスの運行ルートを黄色線で示しています。バスはストックホルムの中心部を南北に縦断しており、バスの南の終点がホテル前でしたが、実はこの路線のもう一方の終点がKarolinska sjukhuset(カロリンスカ病院)バス停、つまりカロリンスカ研究所だったのです。
ホテルに着いてからこのことに気付き、これは便利な場所に泊まったものだと喜びました。後から知った話ですが、実はホテル隣接のSödersjukhuset(南病院)はカロリンスカ研究所傘下の医療教育機関だそうで、このバス路線は研究所の拠点を結ぶシャトルバスの役割を担っていたのでした。


昨夜購入したSLアクセスカードで颯爽とバスに乗り込みました。
この路線は連接バスで運行されていて、長い車内には座席が向かい合わせに並んでいました。


車窓からはメーラレン湖に浮かぶストックホルムの町並みが見えました。
昨夜は暗くてあまり見えませんでしたが、日本とは明らかに異なる風景です。
はるばる遠くへ来たもんだなぁ・・。


昨夜から少し雪が降ったようで、路面に薄っすら雪が積もっていました。
この時期、札幌では雪まつりを開催するほどの大雪が降っている頃なのですが、ストックホルムはそこまで雪は降らないらしく、私の滞在中ではこの日が最も冬らしい天気でした。


Gamlastan駅前の様子。とてもヨーロピアンな町並みです。


バスの後ろを走っていた除雪車を撮りました。心なしか日本の除雪車よりもスタイリッシュな感じがします。


連接バスなので、カーブを曲がるときには列車のようにバスの先頭が見えて面白かったです。


Södersjukhusetバス停から1時間ほどの乗車で、目的地のKarolinska sjukhusetバス停に到着しました。
バス停の目の前が病院棟でした。さすがに大きな施設です。
カロリンスカ研究所については、次回詳しく紹介したいと思います。


今回乗った路線バスの前面展望動画をYouTubeで公開しています。
この日、研究所からの帰りに最前列に座って撮影しました。


忙しい人向けに、6倍速の動画も作成しました。
ストックホルムの町並みを駆け抜ける様子が映っています。
この動画を見ていると、またストックホルムのバスに乗りたくなってきます。

それではまた次回の更新で。


~続く~