こんにちは、ほぼ1週間ぶりに、1週間前の記事を書こうとしているもとすけです。
先週1週間は本当に修羅場でした。修論発表要旨、博士課程入試願書、奨学金返還手続き、そして修士論文の下書き完成などを立て続けに行いました。徹夜を2回経て、なんとか全て間に合わせることが出来ました。
まあ、学部卒業のときは卒論も発表スライドも完成がギリギリになり、発表前に着替えに帰る時間が取れなくてタンクトップ&海パンの上に白衣を着て最終発表会に臨んだりしましたから、それよりはだいぶマシになったのかもしれません・・。
博士課程の修了の際は、もっとスケジュール管理がちゃんと出来るように努めよう・・。
なんだかんだ言っても、ついにあと10日ほど(修了審査会は8月2日開催)で私の修士課程は実質終わるわけです。あとは審査会での発表をどこまで磨き上げられるかなので、もうしばらくの間、頑張ろうと思います。
と、言いつつ、週1更新はせめてしておきたいところなので、今回は先週行ってきた小樽マリンフェスタでのフェリー船内見学会の様子を紹介します。
さて、「フェリー」と言うと、私などは普段2等の雑魚寝or寝台部屋やせいぜい1等までしか乗らないので、あくまで安価な移動手段だと捉えがちです。新日本海フェリーは船内設備が良いので、多少は優雅な気分も味わえますが、基本的に部屋は荷物置き場兼寝床程度と捉えています。
しかし、今回の船内見学会で上級船室を覗いて、その考えはかなり変わりました。いやはや、スイートや特等室は別世界ですね、本当に。
まずは乗船の前から紹介していきましょう。
ここは小樽港勝納埠頭です。新日本海フェリーのターミナルがあり、舞鶴と新潟方面へのフェリーが発着します。2隻の船が同時に接岸できるように、400m以上に渡って岸壁が続いています。
今回見学したフェリー「ゆうかり」は、新潟航路に2003年から就航している船です。舞鶴航路に就く「はまなす・あかしあ」級の日本最大・最速船というような華々しさはありませんが、北日本と関東甲信越を結ぶ重要な船の一つで、全長199m・総トン数1万8229トンの日本最大級の大型フェリーです。
私は小樽築港駅から徒歩でフェリーターミナルに向かったのですが、フェリー埠頭が広過ぎて、歩いても歩いてもなかなか辿り着かなくて疲れました。実は既に見学会の終了時間間際だったので、旅客ターミナルビル入口に船内見学会の案内が掲示されているのを見て一安心。
いつもは受付で乗船手続きをしますが、今回は素通りで船内へ向かいます。
ここの搭乗橋は岸壁に沿って300mも続く長大なもので、通路の中央に立つと一点透視図法の感覚を味わえます。
いざ、船内へ・・・。
船内に入ると、3層吹き抜けのエントランスが出迎えてくれます。この辺の構造は、この船の後で建造された舞鶴航路の「はまなす・あかしあ」とよく似ています。(個人的には苫小牧~敦賀航路の「すずらん・すいせん」のエントランス構造が好きですが・・)
見学順路は、下の等級から徐々に上級船室へ周っていくようになっていました。これは良い設定だと思います。
ここは2等船室の廊下で、フェリーの廊下としては珍しくカーペットが敷かれているものの、あくまでシンプルな造りになっています。
まず2等船室を見たのですが、ごくごく一般的な雑魚寝部屋だったので、写真には撮りませんでした。2等はとにかく安いのが魅力で、学割だと7000円程度で北海道から関西に帰れます。ただ、昨年春の帰省の往路に2等を使ったときは乗客が少なかったのでほぼ部屋を独占できましたが、繁忙期は人で溢れかえって寝苦しいので、私は殆ど2等は使いませんね・・。
続いて2等寝台を見学。私が専ら使うのはこの等級で、ベッドスペースが確保されているので荷物なども気兼ねなく置いておけますし、寝易いので重宝しています。学割も効きますから、小樽~舞鶴で9500円ほどで移動できます。
S寝台です。最近のプライバシー重視の世相を受けて、フェリーでも1人用個室を設置する例が増えています。私のお気に入りは阪九フェリー(新日本海フェリーのグループ会社)の2等指定Aで、シングルベッドと机、洗面台、テレビまで備え、ドアに鍵もかかる2等らしくない設備を誇ります。ただ、新日本海フェリーのS寝台は仕切りはカーテンのみですし、テレビや机などもありませんから、あくまでも寝るための部屋という感じですね。一応学割も効きますが、舞鶴航路だとそれでも1万円を超えてしまうので、私はまだ使ったことがありません。
見学順路は、その後フォワードサロンを経由して一つ上の4階へと続きました。
新日本海フェリーの船内には、フォワードサロンやプロムナード、カフェにシアタールームなど、のんびりと時間を過ごせる場所が多く設置されているのが特徴ですね。同程度以上時間がかかる鹿児島~沖縄航路などよりも充実しています。
この船は等級配置が明確で、3階:2等、4階:1等、5階:特等・スイートと、階層別になっています。4階廊下を見ると、3階の2等廊下と比べて暖色系で落ち着きのある雰囲気になっていますね。
1等洋室2人部屋。
1等客室になると、急にホテルらしくなります。この2人部屋は、10年前に祖母と初めて北海道を旅行した際に利用した等級で、当時は設備の良さに驚いたものです。
ただ、この船の場合1等洋室2人部屋はインサイドキャビンとなっていて、窓から見える景色は味気ない船内の吹き抜けです。(ちなみに2等雑魚寝部屋は全室アウトサイドです。)
1等には4人部屋や和室も存在し、家族連れのメインの利用等級となっています。
さらに1階上がって5階特等エリアに入ると、廊下の様子がガラッと変わりました。赤絨毯と窓からの明りで、より洗練された雰囲気です。この階は客室側に公室が無いので、他の等級の船客が入って来ませんから、静かな船旅を楽しめるはずです。
特等和室。
6畳敷きで、同じ3名定員の1等和室よりも広くなっています。また、特等以上は個室内にバス・シャワートイレが完備されています。
特等A室
この等級が本船の特徴で、ベランダが付いています。本船「ゆうかり」では特等和室とツインの一部にベランダが付いていませんが、より新しい「はまなす・あかしあ」では特等全室にベランダが付くように改善されています。豪華客船でも、ベランダが付かない船が結構見受けられるというのに、フェリーの特等船室でベランダを備えるのは凄いことです。
客室の設備もシティホテル並みですね。
さて、いよいよ最上級のスイートルームです。
スイートルームは、とにかく豪華な部屋の代名詞として用いられているように思いますが、正確にはベッドルームとリビングなど他の部屋が別れている構造の部屋のことを指します。その、正確な意味としてもスイートルームの名に恥じないのがこの等級です。
本船「ゆうかり」には4室存在し、全てベッドルームとリビングが別れた構造となっています。
スイートルーム寝室。
とても格調高い造りで、もはやフェリーの船内とは思えません。去年春に見学した、にっぽん丸の上級船室にも劣らない設備です。
スイートルームリビング。
2人部屋なのですが、計9人分の席が用意されています。この無駄な広さ、いかにも高級っぽいです。
スイートルームバスルーム。
この部屋ではバス、シャワー、トイレが全て別になっており、バスとシャワーはそれぞれ窓に面しています。大浴場に行かなくても、日本海を眺めながらシャワーを浴びたり、風呂に入ったり出来るわけです。
スイートルームベランダ。
ベランダも、特等Aでは青色のプールサイドの様なタイルでしたが、スイートルームではウッディになっています。しかも、デッキチェアと机も完備されていて、風を感じながら、まるで豪華客船のような優雅な航海を体験できます。
ちなみに、これはにっぽん丸のジュニアスイートですが、新日本海フェリーのスイートルームはこれよりも豪華な気がします。なお、スイートルームの運賃には食事代を含んでおり、船内予約制レストラン(これも新日本海フェリーならでは)でのフルコースを堪能できます。
ここまで来ると、2等とは別世界ですね・・。
小樽~新潟間は1人3万4500円、小樽~舞鶴間は4万8000円と、やはりお高くなってしまいますが、苫小牧~秋田~新潟~敦賀航路の船ならば、やや船は古くなりますが、秋田~新潟間で1万7500円で利用できます(ただし、わずか6時間の乗船となってしまいます)。
次回は、操舵室見学の様子を紹介したいと思います。