うちなー→えぞ日記 (もとすけのつぶやき)

奈良県出身、沖縄での学生生活を経て、北海道ライフを堪能する、
とある研究者の日常のよしなしごとの紹介。

太平洋フェリー「きそ」

2012年05月28日 01時04分29秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常

先日の金環日食見物旅行で苫小牧から仙台まで乗船した太平洋フェリー「きそ」。日本で1、2を争う豪華フェリーの同船について、今回は紹介します。


苫小牧フェリーターミナル
太平洋フェリーは、苫小牧から仙台を経由して名古屋までの1330kmを、約40時間かけて結んでいます。今回は苫小牧から仙台までの560km、15時間の区間乗船でした。苫小牧港は太平洋フェリー以外に商船三井フェリー(~茨城・大洗)やシルバーフェリー(~青森・八戸)も発着しており、さらに少し離れた苫小牧東港から新日本海フェリーの敦賀、新潟方面の船も発着する、北海道の海の玄関と言える一大フェリーターミナルです。


苫小牧フェリーターミナル停泊中の「きそ」
太平洋フェリーはターミナルビル正面の一等地に停泊していました。


ライバル?新日本海フェリーのフリートとの比較
太平洋フェリー「きそ」(2005年就航)と「いしかり」(2011年就航)はほぼ同型で、全長199.9m、全幅27m、1万5800総トンのサイズがあり、太平洋側を航行する各社のフェリーの中では最大級です。客室3層+乗員区画1層の計4層に及ぶ大きなハウスが特徴的です。この大きなハウスの中に、後述の数々の豪華設備が配されています。
一方、新日本海フェリーのフリートは冬の日本海を安全に航行するため、他社よりも大きく速い船を就航させています。苫小牧東~敦賀航路に就く「すずらん」(1996年就航)は、全長199.9m、全幅25m、1万7345総トンとほぼ「きそ」と同サイズですが、エンジンの最大出力は倍の6万4000馬力もあり、約30ノットの高速航行で僅か20時間程で敦賀まで着いてしまいます。他のフェリー会社と比べると、こちらも豪華な船内設備を誇りますが、太平洋フェリーと比べると目的地までの乗船時間が短いからか、「きそ」や「いしかり」よりもコンパクトに纏まっています。
ちなみに間もなく、今年6月にはさらに一回り大きな新造船「すずらん」が同航路に就航します。


エントランスロビー
左舷の乗船口から「きそ」の船内に入ると、そこは5階(客室フロア1層目)のエントランスロビーです。今回私が利用したB寝台部屋はこの階の最後尾にありました。また、この階には大浴場、ショップ、ゲームコーナー、キッズルーム、カラオケルームなどの施設があります。


案内所に隣接して、かなりの広さのショップが設けられています。食料品や日用品、北海道、東北、東海の各就航地土産が揃っており、さすがに日本一の豪華フェリーといえる品揃えでした。


案内所の右舷側にはキッズルーム。客層はご高齢のツアー客の方が大半だったので、お孫さん向けなのかな・・?


今回私が利用したB寝台部屋。一般的な2段ベッドと異なり、1段目と2段目が互い違いに並んでいて、気兼ねなく寝台に入れます。今回は早めに乗船したからか、窓際の寝台を指定されたので個室感覚で気楽に過ごせました。
ちなみに、新日本海フェリーの新造船でも同じ形式の寝台部屋が設置されます。


再びエントランスロビーに戻り、階段の吹き抜けを見上げてみました。3層吹き抜けで、何やら光るオブジェが正面に設置されています。


1階上に上った6階から吹き抜けを望むと、フェリーの船内とは思えない贅沢な空間配置に驚きます。ちょっとした商業施設並みの広さですよ・・


6階ロビーです。向かって左が右舷側、右が左舷側です(ややこしい・・)。正面がシアターラウンジで、右奥に進むと展望通路を経由してレストランに辿り着きます。


右舷側後方にあるOAコーナー。コンセント完備で、電気泥棒と言われる心配なく、堂々とパソコン作業が出来ます。


左舷には喫茶コーナーのマーメイドクラブがあります。航海中にはピアノ演奏も行われ、ここでティータイムを優雅に過ごせます。


マーメイドクラブ・カウンター席。マーメイドクラブではアルコールや軽食も取り扱っており、レストランのバイキング以外のものを食べたいときに重宝します。


展望通路「プロムナード」。マーメイドクラブからレストランまでの通路なのですが、窓に沿って立派な椅子とテーブルが置かれていて、居心地の良い雰囲気でした。新日本海フェリーにも展望通路は設置されていますが、こちらの方が内装は凝っていますね・・。


レストラン「タヒチ」。苫小牧出航は19時でしたが、レストランは18時からオープンしており、私も乗船後すぐにディナーを食べに入りました。これまた某瀬戸内海のフェリーのレストランとは世界観の異なる、とてもお洒落な雰囲気の内装で、美味しくご飯を食べられました。


この船では、レストランは朝昼晩全てバイキング形式となっています。好きなものを好きなだけ食べられる反面、意外におかずのバリエーションが少なかったりするので、これは一長一短ですね。日本一豪華なフェリーではありますが、食事については船室の等級差はなく、コースディナーなどの設定はありません。


6階の中央に位置するシアターラウンジ「サザンクロス」。他のフェリーでは考えられない、非常に豪華な施設です。新日本海フェリーなどでも、バブル期に就航した船では舞台完備のラウンジが設けられていましたが、今の船ではシアタールームとして簡素化されています。


舞台側から見た様子。客席数も多く、雰囲気はまさに豪華客船のそれです。


ラウンジショー
今回は20時からショーが行われました。中国の伝統楽器、"揚琴"とピアノのセッションで、島唄や蘇州夜曲、朧月夜などの名曲をたっぷり1時間にわたって楽しめました。


ショー終了後に撮影した揚琴のアップ。計165本もの弦が張られていて、とても演奏が難しそうです。演奏者は、中国・上海出身の金亜軍氏でした。軽妙なトークと美しい演奏で素晴らしい夕べを過ごしました。

金亜軍 揚琴 鏡音リン「炉心融解」

ちなみに、この演奏者の金亜軍氏、こんな演奏もこなしてしまうそうで、凄いですね。
民族楽器でボーカロイド曲を弾くとは・・。


22時からは同じ場所で映画上映。新日本海フェリーだと、昼間の上映で少々勿体無い(せっかくの景色が見られないので)気もしますが、こちらではレイトショーの気分で映画を観られます。この日のタイトルは「マイティ・ソー」でした。北欧神話の神(別次元に住む宇宙人?)が現代アメリカにやってきて、なんだか分からないけど大活躍する、いかにもアメリカンテイストな内容で面白かったです。


船内にはスタッフ紹介の掲示もありました。客船では見かけますが、フェリーではかなり珍しい取り組みですね。この辺にも、日本一豪華なフェリーの心意気が感じられます。


太平洋フェリー「きそ」と「いしかり」では、トリスのキャラクターなどを手がけた柳原良平氏が名誉船長を務めており、柳原氏の絵画が船内各所に飾られています。こちらは七福神の宝船を模した絵ですね。


太平洋フェリーも、昨年の震災で仙台港施設に大きな被害を受けましたが、早くから復興のための足として運航を再開し、貢献してきました。
船内の所々に、東北を支援する掲示がなされており、エントランスロビーの椅子にもさりげなく"がんばっぺ東北"というメッセージボードを持ったプーさんが置かれていました。

私は大の新日本海フェリー好きであり、今回初めて太平洋フェリーを利用しましたが、さすがは日本一豪華なフェリーといわれるだけはあるなと感動しました。様々な施設のおかげで、船内で暇を持て余すことがまったくありませんでした。今回は苫小牧から仙台までの区間乗船でしたが、いずれは名古屋までフルで乗船してみたいと思います。

【週末旅行】松島と金環日食観覧の旅(2012/05/19-21)

2012年05月23日 12時54分23秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
先週土曜日の昼、私は一人思い悩んでいました。

「東京に金環日食を見にいくかどうか・・」

実は、去年ぐらいから5月21日に東京に行くことは計画していました。札幌では今回の金環日食は部分日食しか見られませんし、次回日本で金環日食が見られるのは18年後のこと・・。天体現象好きの私としては、この機を逃してはきっと後悔すると思っていました。
しかし、5月21日朝の東京の天気予報は曇り・・。果たしてお金を出して東京に行き、ちゃんと金環日食が見られなかったら勿体ない。
だけど、もし東京に行かずに天候が回復し、金環がテレビニュースででも報道されたら、そのときはきっと歯軋りするに違いない・・。
かなり悩んだ結果、やらずに後悔するよりはやって後悔した方がマシだと決心し、土曜日の夕方に札幌を飛び出しました。


16時6分発の特急すずらん6号で一路苫小牧へ。


苫小牧駅から路線バスで苫小牧フェリーターミナルに向かい、太平洋フェリー「きそ」に乗船しました。
今回の旅では、少しでも出費を抑えるのと、一応日食が見えなかったときの保険として東京以外の観光をしておこうと思い、仙台行きのフェリーを利用しました。
ちなみに、この太平洋フェリーは非常に豪華なフェリーとしてフェリーマニアの間で有名で、「きそ」も2005年から2010年まで連続で「クルーズシップ・オブ・ザ・イヤー」のフェリー部門1位を受賞していました。(2011年は同社の新造船「いしかり」が1位で、「きそ」は2位となっています)


15時間の船旅の後、5月20日の午前10時に仙台港に上陸。
この辺も去年の震災で津波被害を受けており、港から近くのJR仙石線多賀城駅まで歩いたのですが、かなり復旧は進んでいたものの、やはり所々に津波の痕跡(折れた木々や1階部分が壊れた工場)が見受けられました。


多賀城駅から11時20分発の仙石線高城町行き快速で東に向かいました。たまたまですが、石ノ森章太郎作品のキャラクターが描かれた特別塗装列車「マンガッタンライナー」編成でした。


松島海岸駅で下車。
高校時代から一度来てみたいと思っていた、松島を徒歩で観光しました。
幸いなことに、松島海岸は松島の島々が天然の防波堤の役割を果たしたそうで、比較的津波被害が少なく、早くから観光が再開されています。今回も、日曜日ということで多くの人が観光に来ていました。


2時間ほど松島に滞在し、13時39分発の東北本線仙台行き普通列車で仙台へ・・。


仙台駅で途中下車し、少し駅前を散策しました。ここいらでお腹も減ってきたので牛タンでも食べようかと思ったのですが、すぐに乗り継ぎの時間が来てしまい、断念・・。


東北本線在来線列車で1時間半ほど南下。のどかな農村風景が車窓を流れ、心穏やかな気持ちでした。


福島駅で途中下車。ここでも少し駅前を散策しました。遅めの昼ご飯にソースカツ丼を駅の名店街の食堂でいただき、腹ごしらえも完了。


福島からは東北新幹線やまびこを使ってワープしたりしながら、計5時間ほどかけて東京駅に出ました。


東京駅で研究室の元同僚(今年3月に修了)と合流し、秋葉原や神田で晩御飯を食べたり、電気屋で日食撮影用フィルターを買ったり、ゲームセンターで遊んだりして楽しい時間を過ごしました。


5月20日の宿は神田駅前のネットカフェ。結構設備も充実していて、快適でした。


5月21日午前4時半にネカフェを出て、早朝の羽田空港へ・・。


第二旅客ターミナルビルの展望デッキから金環日食を観察しました。最初は雨がぱらつく悪天候でしたが、日食が始まった頃から雲に隙間が出来始め、金環も無事に確認できました。とてもラッキー・・!


日食は午前9時頃に終わったのですが、その後すぐさまエア・ドゥの次便(ADO019便、B767-300ER、JA01HD)にチェックイン(スカイメイト利用)し、10時15分に東京を離れ、帰途に就きました。
午前11時45分には新千歳に到着し、JRで札幌に出て、そのまま研究室に出勤しました。
土曜日の出発から僅か45時間ほどの短い間に、なかなかのジャーニーが出来ました。

部屋の大掃除完了!

2012年05月05日 15時56分06秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
ゴールデンウィーク前から始めた我が部屋の大掃除が、この度完了しました。2週間かけて捨てれるゴミというゴミを掻き出して捨て、あるべきものをあるべきところに収納して、入居後初めて完全な状態の部屋が完成しました。


2年半前に入居したときの状態。まだ家具を入れていない部屋は、ただ緑色の薄いカーペットが敷かれただけの無機質な装いでした。


テレビ側、自称「リビング」
札幌に来た直後に、勢いで買ってしまった37inchの液晶テレビが鎮座しております。ソファーはリサイクルショップで買った3000円の籐製。ちなみにベッドも中古です。研究室から帰宅後、このソファーでダイエットコークを飲みながら深夜アニメを見てるととても幸せを感じられます。


本棚側、自称「書斎」
こちらは掃除前はゴミ置き場のような状態だったのですが、今回の大掃除で広々とした2畳の小上がりっぽいスペースが出来ました。本棚が傍にあるので、本を読みつつネットに興じることができます。畳に寝転がりながら漫画を読んでいると、「ああ日本人で良かった」と思えます。


台所側
台所側も、積み重なっていたペットボトルや牛乳パックを全て片付けた結果、かなり広くなりました。料理がし易くなったので、自炊もはかどります。

いやぁ、部屋を掃除するって気持ち良いですね!快適な部屋で過ごしていると、精神的にも清々しいです。今後は散らかさないように頑張ろう・・。