(本頁は「東南植物楽園4」の続きです。)
本シリーズ、最後の頁では東南植物楽園で出遭った植物の中で、
とても地味だったり、今までの頁のくくりに入らない植物ばかりを集めてみた。
中には園で意図して植えたものでない、いわゆる「雑草」も混じっているが、
北国住まいの私にはそれだって珍しいものが有った。
まずは葉が黒くてハート形の草。
最初はドクダミの新品種かなと思ったが、よく見たらそうでもなかった。
黒葉の草はハルディンのイポメア・スイートハートパープルによく似ている。
正確には、ブラッキー Ipomea batatas 'Brackie' のようだ。シダの仲間はホシダ(オシダ科)。
ハート葉は虫に好かれてるようだ(手前は芋虫にでも食いちぎられたのか)。
右の艶々した緑はシマニシキソウ Euphorbia hirta (トウダイグサ科)か。
うちの庭に出て来るコニシキソウとはだいぶ違う。こちらは熱帯アメリカ原産の帰化植物のようだ。
続いて地味なキク科の雑草。
シロノセンダングサ(アワユキセンダングサ) Bidens pilosak var. radiata。
既に「サシグサ」という方言名があるくらいだから、沖縄には随分前に帰化したんだろう。
この白いセンダングサは道端でいっぱい見かけた。
しかし激しい往来の中、急にタクシーを止め、撮影することは事実上不可能だった。
東南植物楽園にも少しだが咲いていたので助かった。
右上は以前、東南アジア旅行中に見たムラサキムカシヨモギ Veronia cinerea かと思ったが、
花色の紫が淡すぎる。⇒ 比嘉正一氏いわく「ヒメムカシヨモギ Erigeron canadensis かもしれません」。
水辺で新手のキク科に出遭う。
これはアメリカハマグルマ Wedelia trilobata 。
熱帯アメリカ原産の帰化植物。南日本の海岸植物のひとつ、ハマグルマ(ネコノシタ)に近縁。
ごわごわした緑の葉と鮮やかな黄花のコントラストがいい。
後で水辺以外の場所にもいっぱい生えていることを知る。
変わった形の花を見つけた。
ホシアザミ Isotoma longiflora (キキョウ科) 。西インド諸島、中南米原産。
園芸植物のイソトマ Laurentia axillaris (Isotoma axillaris)に似ていると思ったが、やはりその仲間だった。
目に入ると失明するほどの猛毒植物と聞く。わーっ、可愛いなんて摘んだらよく手洗いすること。
次の花はネコノヒゲの名で最近は秋田のホームセンターでも売られている。
クミスクチン(ネコノヒゲ) Orthosiphon aristatus
(シソ科)、原産はインドや東南アジア。秋田では戸外越冬困難。
右上はチリメンナガボソウ Stachytarpheta dichotoma
(クマツヅラ科)、アメリカ原産。地味だが、蝶々には人気があるようだ。
これはたぶんサトイモの一種と思ったら、アメリカサトイモ Colocasia cv. とのこと。
この木なんの木 No.1
黄の斑入りや葉の捩れ具合が印象的だったが、当初は科名の見当もつかなかった。
後で、トウダイグサ科のクロトン(ヘンヨウボク)の品種、
ダルマ(達磨) Codiaeum variegatum 'Daruma' だとわかった。下草はオリヅルラン。
この木も何だろう。No.2
ムラサキシキブではなく、セイロンマンリョウ(コウトウタチバナ) Ardisia elliptica (ヤブコウジ科)。
小鳥がタネをまき散らすので園内のあちこちに生えてきているとのこと。
No.3 ピンクの艶やかな落花を見つけた。
すぐ近くにトックリのような幹の木が立っていた(トックリヤシではない)。
トックリキワタ Chorisia speciosa (パンヤ科⇒アオイ科、原産地はブラジルやアルゼンチン)
那覇周辺の街路樹はトックリキワタが多かった。こちらは既に落葉し、花が咲いていた。
最初はモクレンの仲間かなと思った
が、全く見当違いだった。
東南植物楽園では葉がいっぱい残っている。
本格的な開花はこれからなのかはたまた終わったのか。
南国の植物は生活史がよくわからない。
この木なんの木 No.4
団扇か煎餅のような葉っぱで、カラッと明るい感じの木。
その正体はタデ科の樹木、ウミブドウ(ハマベブドウ)だった。
詳細は ↓ に書いてある通り。タデ科なのに果樹とは!!植物の世界は奥が深い。
ホンの数時間だけだったが、愉しかった。いろんな食物植物にも会えた。
名残惜しいけどそろそろいそとまじゃないおいとましなくちゃ。
沖縄の海岸植物は ⇒ 「沖縄の海辺でアダン。」
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