(本頁は「和賀山塊を南と東からを望む。」の続きである。)
会社に勤めていた最後の年、2016年2月18日に素晴らしい夕焼け風景に遭遇した。
この日は大仙市の顧客を訪ね、秋田市に帰宅する途中だった。
場所は(大仙市)北楢岡地区の国道13号線沿いのコンビニ駐車場だったが、
東の奥羽山脈のやまなみに夕日が当たり、ポッと紅く輝いていた。
とても奇麗だった。雪山の名前は、左が真昼岳、右が女神山。
どちらもあまり有名な山とは言えない。
本頁では真昼岳を語ってみようと思う。
真昼岳に関して解説文を探してみた。
山と渓谷オンラインによると、真昼岳とは、
「秋田県の穀倉地帯、「仙北平野」の東に連なる真昼山地の中で、ひときわ高い山。
山容は丸味をおびて穏やかだが、沢は深く滝が多いことで知られる。
また、岩手県沢内村(現在は和賀郡西和賀町)と境をなし、真木真昼県立自然公園内に位置する。
征夷のために北上した坂上田村麻呂が、山頂で真昼を迎えたからとか、
真蒜・馬蛭とも書くことから、「蛭」や「蒜」がマヒルの語源になったからともいわれる。
古くから信仰の対象とされ、山麓の一丈木(いちじようぎ)公園に一ノ鳥居、
登山口の赤倉には中ノ鳥居、山頂には大国主命を祭る三輪神社奥ノ宮がある。
登山コースは3本あり、赤倉コースが変化に富み楽しめる。
山頂まで2時間強。ほかに峰越口からのコース(約1時間30分)と、
善知烏(うとう)口からのコース(約3時間)がある。」
と紹介されていた。
ウィキペディアにも詳しく解説されていたので、抜粋引用させて頂く。
「真昼岳(まひるだけ)とは、秋田県仙北郡美郷町と岩手県和賀郡西和賀町との県境にある山である。
真昼山とも。真昼山地の主峰で、標高は1059mである。
秋田県側の周囲は真木真昼県立自然公園に指定。
なお、県境をまたぐ真昼岳林道(峰越連絡林道)が付近を通るが、未舗装かつ大変狭い。
古くから信仰の対象として真昼山大権現社(三輪神社)が設けられ、
中世には周辺の小野寺氏や本堂氏の氏神ともなっていた。
山名は伝説の坂上田村麻呂が東征の折、昼頃に山頂についたからとされている。
山頂の三輪神社はその時将軍が建立したものという。
江戸時代の記録には「麓に石の鳥居がある。三輪神社がある。
大同2年に田村麻呂が開基した。祭礼は4月の6月とも12日である。
この山には怪異の話が残されている。
登山口は秋田側に赤倉口と善知鳥口、岩手側に沢内口がある。
また、峰越(みねこし)林道の秋田、岩手県境からの登山が最も容易に登ることができる。
峰越林道からは、北ノ又岳(きたのまただけ)と音動岳(おんどうだけ)を通り、
約1時間半程度で山頂に到着する。
登山道や山頂からは、北に雄大な和賀山塊を見ることができる。
美しい景色を見ることができるのがこの山の特徴である。
ただ、山頂部分は笹が多く紅葉は期待できない。山腹の紅葉や新緑との対比は美しい。 」
2021/06/02 大仙市大曲郊外から望む。
下界から望むその姿、夏場は冴えなかったが、雪に覆われた冬姿は素晴らしい。
とても1000m程度の低山とは思えない風貌だ。
北隣にこの山よりもずっと高い和賀岳(標高1439m)があるのに両方が属する山地は真昼山地と呼ばれる。
これは真昼岳の方が低くとも見栄えが良く、地元からも注目される存在なのだと思う。
2018/03/07 大仙市大曲郊外から望む。
2017/01/17 善知鳥集落から真昼岳と南峰を望む。
2024/01/20 善知鳥集落から真昼岳と南峰を望む。
真昼岳の南面の姿は女神山からも眺められる。
2017/11/10 女神山から望む。
更に南にある南郷岳(横手市山内、683m)から眺めると・・・
2021/05/12 南郷岳から望む。
岩手県側から真昼岳は前山に隠れて見えにくいが、旧沢内村の一部から見えた姿はおとなしい印象だった。
2017/05/04 西和賀町(旧沢内村)から望む。
北側は真昼山地が連なっているので見えにくい。薬師岳に登る途中、ちらりと見かけた程度だ。
2019/07/26 薬師岳付近から望む。
参考マップ
峰越林道の県境から登山すると、真昼岳そのものの眺めが素晴らしい。
2017/11/03 北ノ又岳山頂から音動岳、真昼岳を望む。
2018/06/26 音動岳から真昼岳を望む。
この山は低山なのに高山性の種類や
分布の限られた珍しい植物が比較的多く生育している。
2018/06/26 イブキトラノオの群生
2016/07/31 タカネナデシコ
(右上)2016/07/31 ヤマルリトラノオ
2021/06/02 オサバグサ
オサバグサは日本固有種。ケシ科の一属一種でシダのような葉を持つ不思議な植物だ。
他の山では亜高山帯の針葉樹林下で見かけるが、真昼岳では山頂稜線のササ原などに生えている。
最後に、この山で夏場、よく見かける滝雲を。
2021/06/22 真昼岳にかかる滝雲
これは太平洋側から夏場に吹く冷たい季節風、山背(やませ)の影響によるもので、
この雲がかかると日光が遮られ、山の上は霧雨で気温が低い。
奥羽山脈にかかりやすい雲だが、場所的には真昼岳やその近くで特に多く見かけるように感じる。
この山の稜線に高木林が発達せず、ササ原のまま、高山性の草花が多く咲くのは
もしかしたらこの滝雲のせいかなと勝手に思っている。
以上。
「女神山はいかがかな?」へ続く。
いつも素晴らしい写真を見させて頂いています。
オサバグサ、当地では自生していないようで、いまだに見かけていません。たぶん県外へ遠征しないとダメかも。
それにしても立派なを撮りましたね。
オサバグサは秋田では珍しい植物ですが、
不思議と真昼岳の稜線ササ藪には多く、初夏に行くといっぱい咲いています。
ただし稜線に至る林道は悪路で通行止めになることもしばしあります。
その場合、麓からテクテク三時間近く歩かなければなりません。
前に見せていただいてるかも知れませんが、初めてのような?
珍しいお花、楽しみです(^^♪
ヤマルリトラノオ、オサバグサともに本ブログの真昼岳、和賀岳関連の記事に2回くらい載せております。
他の山にも少しありますが、登山道を歩いていてすぐ見られるのは真昼ですね。
真昼は低いのに珍しい花が多いです。
あとオサバの方は早池峰にも2回くらい載せております。
こちらは早池峰本体よりも向かいに有る薬師岳に多いです。