此と彼
2014-04-15 | 日記
弓の達人で猟師の石鞏が、馬祖と遭った。
一本の矢で何頭仕留めるか? 馬祖が問う。
一矢で仕留めるのは一頭、石鞏が応える。
儂なら一群を仕留めるぞ、馬祖は示した。
見る者の視座を離れた処に、対象は無い。
此の物差しで、彼は千変の衣装をまとう。
分別する此一つ滅すれば、千の彼を滅す。
問題を彼方に見る処は、千の姿で現れる。
事実を幾千の問題に見るものは、此一つ。
此は、見解や心象と同一化した過去の影。
過去を映ずる処に、彼が起き此を分かつ。
此一つ仕留めれば、彼の一群の影を滅す。
彼に映す影なき処、此と彼は本来の一つ。
事実は不二の、認識未だ到らぬ本来面目。
彼を認める処は過去、此を忘る処は只今。
『 此有れば彼有り 此滅す故に彼滅す 』
仏陀
◎和尚が問う、何故達磨は髭が無いのか?
〈胡子無髭〉
今日の縁:
『見るものは見られるものである。』Krishnamurti
http://krishnamurti.seesaa.net/category/2875149-1.html
『春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 涼しかりけり』道元
https://www.youtube.com/watch?v=PcoNpB4zG3o