人の世は、滞在期間の定め無き、今日一日の旅の宿

 時 人を待たず、光陰 惜しむべし
 古より有道の人、国城 男女 七宝 百物を 惜しまず
 唯 光陰のみ、之を惜しむ

方剤:二朮湯

2019-08-30 | 日記


次が二朮湯です。
これも先程話した半夏白朮天麻湯とほとんど同じです。
半夏白朮天麻湯は水の病証で、眩暈というような感じで来ているのですが、
そういうところに来ないで肩に来てしまったのです。
もともと太陰の人だから、どちらかといったらうつ的で静かな人が多いです。
塩分の取り方は多く、そして水が下げられなくなって、
でも耳まで上がって眩暈というところまでは水が上がらないで、
肩関節にたまるという状態です。

これは麻黄も附子も入っていないのですが、
四十肩五十肩には本当によく効きます
これだけで、麻黄剤も附子剤もいらないことが非常に多いのです。
要するに水を動かす薬と、後は漢方には珍しく鎮痛剤です。
本当に鎮痛剤が入っています。
まあNsaidsとどう違うのか、私もよく分からないのですが、
これらの薬はほとんど鎮痛以外にはあんまり使わないです。
それでも、どちらかといったら温める薬が多いから、
やはり西洋医学の鎮痛剤とはちょっと違うのでしょうね。
ほとんどニ朮湯以外で使っていないですね。
薬の特徴が私も解らないのです。でも本当に面白い薬です。

四十肩、五十肩といいますけれども、いつも言うように、
水の病証というのは、体の中の水分含量が変わるときに出てくる
みたいです。そして、今人間は何か若返ってきているのです。
四十肩、五十肩という言葉はもう合わないみたいです。
整形の先生自体がそう言います。

今どのくらいを中心に出てくるかというと、50代の後半から
70代の前半に出てきます。だから7掛けの法則なのでしょうね。
例えば60歳を7掛けすると42歳でしょう。
75歳を7掛けすると五十数歳になりますよね。
だから昔、四十肩、五十肩といわれていたからと、
その目で見ていると見誤ります。

肩関節の症状を特に40代で訴えてきた場合には
逆に違う病気かもしれないと思った方がいいかもしれません
リウマチ性のものだとか、労働過多で、
肩の筋肉の断裂などを起こしている例があります。

そうすると、これも鑑別は水が溢れているかどうかなのです。
痛みですから、やはり葛根湯五苓散でも痛みは完全には取れません。
まあ、葛根加朮附湯と五苓散だったらもうちょっといいかもしれません。
それで鑑別診断はできます。
少なくとも頓服させても肩の動きはよくなります。

これは、耳鍼が非常に簡単です。
太陰だから、が虚していて、当然が上がりますので、
肝実脾虚肺虚で取ります。後は痛みですから、神門と枕を取ります。
それに肩の3点(鎖骨、頚、肩)を取ります。
そして炎症を抑え、水を引くために、内分泌と腎上腺を取ります。

最初、耳の鍼の場合は必ずその痛い側を取ります。
耳の鍼は同側の方がよく効きます。
体の鍼は、まあ極端なことを言ったら、
右肩を痛がっているときは左の足を重点的に取るのです。
体鍼で、陰陽五行で取る場合もありますし、
一林先生が来ているときに1回だけやりましたが、
反対側の足の王穴(おおけつ)というのを長い鍼で刺したりします。 
非常に簡単です。

今の取り方で、その場で動かしてごらんと言って、動かなかったら
皆さんの診断が間違っているのです。
その場で動きます。その場で回るようになったと言います。
本当に難しいものではありません。
それで合ってしまえば、後はニ朮湯でいいわけです。
何の難しさもありません。

リウマチ
などでしたら葛根加朮附湯薏苡仁湯
主にすることが多いのですが、
四十肩五十肩に関してはまずほとんど、ニ朮湯だけで
やっているような気がします。どうしても冷えが強い人に
附子を加えたりすることはあります。

これも本当に際物の薬です。
逆に言えば他の疾患にはほとんど使いません。
例えばリウマチによるものとか、肩の使い過ぎによって起こる肩の痛みに
ニ朮湯を出しても全然効きません。
起こっている痛みの原因の性質が全く違いますので当たり前のことですね。

肩関節周囲炎という格好で来る方は結構多いですよ。
これは耳の鍼で、診断即治療につなげられる一番の症例です。
そして、こちらが胃を痛くするような重い病気でもないから、
案外気楽にやれます。
あまり重い病気を最初から何でもやろうとすると、
本当に胃が痛くなる思いをしますね。

体力の虚実を問わないと書いています。対症的にというか、
もう病名診断的に診て、水が溢れているなら、
それでほとんど投与して構わないし、そのときに脈を取ってみれば、
肺か脾かどちらかにその季節の脈、あるいは
季節の初めじゃないときには、最後まで残る脈があります。
だから、それで自分の診断技術を上げていってください。
別にあまり難しい話ではないのです。

第21回「さっぽろ下田塾」講義録
http://potato.hokkai.net/~acorn/sa_shimoda21.htm


https://www.kigusuri.com/kampo/kampo-care/019-22.html

生薬:地竜(みみず)

2019-08-28 | 日記
地竜(みみず)

http://murata-kanpo.seesaa.net/article/24609053.html

帰経(きけい)

方剤:茵蔯五苓散

2019-08-19 | 日記


次は茵蔯五苓散です。
これは金匱要略に出てくる薬で、茵蔯蒿五苓散は対等なのですね。
五苓散は主にに作用します。それから肺腎関係に働きます。
そして、もうちょっと水に働かせようとして、
脾から肺への部分にも作用します。これだけでも結構良い薬なのです。
ところが脾の働きが悪くなると、やはり水を一番基本的なところで回せなくなり、
それが皮膚に現われてくると蕁麻疹になり、脾そのものの働きが悪くなると
黄疸が出ます。(復習、胆汁排泄は脾の働き。脾の色は黄色。)
それで全体的に水が停滞します。このの所を働かして上げるのが茵蔯蒿です。
これと五苓散の水を動かす作用と一緒に働きます。

後で出てくる葛根湯も併用することがあります。
脾は水を口から取ります。腎からも少し取ります。
そして水を肺に送り、肺から全身に分配します。
肺は腎に水を降し、腎から排泄します。ところが五苓散は
脾の付近(腎から脾、脾から肺)に働く作用があまり無いのです。
この附近に働くのが葛根です。特に葛根はからへの水の道に働きます
葛根は太陰の主薬ですからそういう働きをします。
そうして五苓散で腎の附近の働きをカバーします。

葛根湯五苓散を合方すると最強の利尿剤になるというのは、
葛根湯の中の麻黄が肺から腎への水の働き、即ち肺腎関係を
更に強力にするからです。茵蔯五苓散葛根湯を合方すると
腎脾肺の水の廻り全体を万遍なく働かせるのです。
この合方を一番よく使うのが慢性の蕁麻疹です。
要するに水の停滞のあるものに使います。結構これはあります。
アレルギーは副作用が無ければ西洋医学でも何とかなるのです。

アレルギーの蕁麻疹は西洋薬の副作用でよくよく懲りた人しか
私のところには来ません。ところが水毒による蕁麻疹は
西洋医学では治せないのセす。
それこそ、ミノフアーゲンCなどを使えば効くことはありますが、
もう出なくするということは出来ないのです。
でも、この茵蔯五苓散葛根湯を飲ませたら、その日から
蕁麻疹が出なくなります


本当は五苓散と葛根湯で治るのですが、
茵蔯蒿での部分を更に作用を増強させる方が良いかなということで
茵蔯五苓散と葛根湯を合方し ます。

他に茵蔯五苓散は軽い黄疸のある肝硬変に使います。
肝硬変になると肝が衰えているので柴胡をつかえないのです。
芍薬でもこたえる場合があります。香附子、竜胆も使えません。
肝硬変になると一般に五苓散と人参湯を使います。
あるいは五苓散と紅参を使います。そして、少し黄疸があると
五苓散の代わりに茵蔯五苓散を使います。

原発性胆汁性肝硬変(PBC)と診断される患者は、
東洋医学的に治療すると、いわゆる肝硬変にまでならないで
10年も20年も慢性肝炎の状態で治まっています。
でも、PBCには茵蔯五苓散を使わないで梔子柏皮湯を使います。
原発性胆汁性肝硬変は柴胡剤は使っていません。
いわゆるウイルス性の肝炎には柴胡剤を使うのですが、
PBCはちょっと違う流れのようす。
かえって黄連解毒湯系統の薬を使いますから、
普通の肝炎や肝硬変とちょっと違います。

PBCはあまり多くはないです。
私のところでも10人ぐらいです。そういうことで、
茵蔯五苓散慢性蕁麻疹とかやや衰えた肝硬変に使っています

第12回「さっぽろ下田塾」講義録
http://potato.hokkai.net/~acorn/sa_shimoda12.htm

方剤:葛根湯

2019-08-18 | 日記


次は葛根湯です。
これは非常に大事な薬です。昔は町医者だったらほとんど
葛根湯だけでかなりの医業が出来たのかも知れないですね。
本当のお金持ち相手の御殿医等は
百味箪笥みたいなものを持っていたのですが、
落語に出てくる葛根湯医者というのは葛根湯の成分と大黄、
その他の合計10ぐらいの薬味でやっていたのです。
薬箱に絵が描いてあるのです。

大黄なら大王がふんぞり帰つている絵が描いてあるのです。
麻黄は本当に悪魔の王様の絵が描いてあるのです。
他の薬は何が描いてあったかよく覚えていないのですが、
全部絵で描いてあったのです。それでも感覚で
これはどういう薬だというのを何年も使っているうちに
きっと左脳が覚えてしまっていたのでしょうね。
それだけで加減法をやっていたのです。

葛根、麻黄、桂枝、芍薬、生姜、大森、甘草のほか、
大黄、杏仁、石膏ぐらいでやっていたのです。
当然、柴胡の様な高い薬は使えないので、そういう時は
もっと偉い先生のところに行ってもらったのです。
でも、10味ぐらいでかなりの治療が出来たのです。

例えば葛根、麻黄の量を減らせば桂枝湯になります。
それでもあまり薬を飲んでない人だったら充分効いたと思います。
昔は薬と言ったらすごく高いものでしたからね。
どれかを増やし、どれかを減らし、ちょっと何かを加えたら
いろいろな治療が出来たのです。

昔は庶民は貧乏でした。
常時薬を飲んでいる訳には行かないのです。
咳が出た、下痢した、お腹が痛いというその時だけ
治療してもらえば良いのです。
それで治らなかったら天命だと諦めたのでしょうね。
江戸っ子は宵越しのお金は持たない等と言うのですから
お金はなかったのでしょう。
今だったら箪笥の奥から何かを出してそれをお金に変えるとか、
宝石を売って何とかする事が出来るかも知れません。
でもその頃、町医者というのはこの10味ぐらいの薬で処方して
1回か2回飲ませれば何とかなったのでしょう。
日常出会う病気だったらそれで足りたのでしょう。

そして葛根湯はこれだけたくさんの薬味で構成されていても
葛根湯と命名されているのは、葛根が主薬だからです。 
陽明の主薬なのです。陽明というものは
外から入って来るものを取捨選択するものです。
悪いものは出来るだけ入れないのですが、
入ってしまったら口から吐くか大腸から出すのです。
そうしないと太陰であるがやられてしまいます。
そうならない為に取捨選択をするのが陽明です。
大腸に至る前にまず胃で反応します。
「陽明の病たる胃家実これなり」と言いますが
で戦っている状態です。
この状態に使うのが本来は葛根湯です。

葛根湯の中の麻黄の量を減らすと桂枝加葛根湯になります。
この場合も胃の症状があります。
葛根湯の人というのは、当初は言わない事が多いのですが、
後で聞くと急性疾患で葛根湯証になっているときは
潜伏期として必ずの症状があります
その何日か前から全然食欲が無かったとか、
食べたあとにお腹が張ったとか、そういう症状があります。

昔は、陽明病あるいは太陽と陽明の合病の状態では、
あまり医療機関にかかっていないのです。
やはり古方の人達の使っているのを見ると
麻黄湯桂麻各半湯が多いのです。
太陽病の状態になって初めて医療機関に来る事が多かったのです。
人間の反応自体が変ったのかどうかわからないのですが、
私のところでは大人はインフルエンザの時以外は圧倒的に葛根湯が多いです。
この前、私は麻黄湯証になってビックリしたのですが、
こういうことは滅多に無いですね。麻黄湯は小さい子供場合はあります。
赤ちゃん等はほとんど麻黄湯です。 

葛根湯を投与するときは、
必ずどこかに陽明の症状があると言う事を念頭に置いてください。
この前、私が勘違いしたのは下の症状(下痢)を陽明としたのですが、
後で考えると小腸性下痢だったのです。
あれは小腸性ですから太陽病だったのです。
陽明の下痢はがバンと張るとか、すっきりしない下痢等があるのです。

エキス剤で使うときはこれで決まりなのですが、煎剤で作るときは、
好きな分量で処方すれば、葛根湯という名前でいろいろなことが出来るのです。
もうちょっと贅沢な医者だったら、10ケの薬味の他に桔梗も使って
葛根湯加桔梗石膏とかという処方も作れるのです。
更に黄芩を使うと芍薬では足りない少陽病の処方も作れます。
この附近まではあまり高価な薬ではなかったと思います。
黄芩はこがね花ですから多分簡単に使えたと思います。
後世方の人達はこれらに朮や附子ぐらいまで使ったと思います。

ただ附子になるとかなり高度な医術がないと使えなかったのでしょう。
というのは、加工附子や修治附子なら殆んど毒性は無いのですし、
今は煎じ用の附子でもかなりキチンと修治してあるので、
注意して使えばそんなに危険なことは無いのです。
でも昔の医師が附子を使うとしたら、できあいのものがないのですから、
自分で焙ずるしかなかったのです。焙じすぎれば薬効がなくなるし、
焙じ足りないと毒性があるので危険です。加工附子や修治附子を
作っている工場に行って見学させてもらった事があるのですが、
その工場に入っただけ具合が悪くなります。
因みに言えば、現在の医師や薬剤師といえども、
自分で焙じて患者さんに出したら 薬事法違反になります。
自分で焙ずるだけでその臭いを嗅いだだけで中毒する事にもなります。

私は今だったらそうでは無いのかも知れませんが
若い頃はまだ体力がある頃ですから、
工場で焙ずる臭いを嗅いだだけで具合が悪くなりました。
工場を出て来たらボーっと上気してしまいました。
それぐらい大変なことになります。
だから町医者は、多分附子は使っていなかったのではないでしょうか。

朮と石膏があれば、越婢加朮湯等が作れますので、
越婢加朮湯も使っていたかもしれません。
肝を押さえるとときは芍薬を増量し、
気の上衝がある時は桂枝を増やしたりしていました。

前にも言いましたが、
葛根湯の一番の特徴は、布団をがけても寒いし汗が出ないのです。
30分でも一時間でも布団にくるまっています。
更に葛根湯を飲めば汗をかいて治ります。
無汗といいながら丁寧に触れば皮下に水気を感じます。
麻黄湯の場合は汗を感じないのです。

うつ伏せで水に浮かんだとき、水面に出る部位に症状を出すのは、
葛根湯も麻黄湯もあまり変りは無いのですが、
桂枝加葛根湯の場合は、にも拘らず無汗でないと傷寒論は表現しています。
而(にも拘らず)という字で書いてあります。
桂枝加葛根湯葛根湯と同じ項強等の症状がありますが、
その上に自汗があるのです。
そして葛根湯の正証ならば意外に咳をしていないのです。
むしろ麻黄湯や桂麻各半湯の場合の方が咳をすることが多いのです。
葛根湯の風邪をひくと陽明でくい止めているのです。
陽明が実するということは邪を陽明で頑張ってに入れないためですので、
意外に肺の症状は出ないのです。
桂枝加葛根湯は麻黄が入っていません。これは自汗があるからです。
麻黄による鎮咳作用は考えに入れていないのです。

ところが太陽病として発症してしまう人は
陽明を通り過ぎてしまっていますので、
逆に陽明のガードはなくなってしまうのです。
太陽病では陽明の実は消えているのです。
だから場合によってはの症状を出しやすいのです。

ところが陽明病で発症し、太陽病にならずに
陽明のガードが外れ咳をし始めたら麻杏甘石湯になります。
これだけの治療が出来るのです。

だから昔の町医者は10種類ぐらいの生薬で治療出来たのです。
今、どうしたら良いか胃の痛い思いをして医者をやっていますが、
昔の医者は幸せだっただろうなーと思いますね。
大王や魔王の絵の描いた薬味ダンスを引っ張り出しながら、
何が来ても葛根湯を出していたというほうが良かったのかも知れませんね。
葛根湯の水を動かす部分については茵蔯五苓散のところで言ったとおりです。
今日はこれで終わります。

質 問

寒気が無いのに熱がある場合は?

答 え

それは大抵は陽明の時期を過ぎているので桂麻各半湯になります。
一番基本です。ごく稀に香蘇散の場合もあります。
香蘇散や参蘇飲の人は風邪でないときも似た症状を出します。
要するに風邪症状があって、寒気がないのに熱がある場合は桂麻各半湯になります。
太陽のところにちょっとかかって、そこで止まっている状態です。

質 問

鼻水とかくしやみをして いるのは?

答 え

鼻水というのは肺の入口で肺を一番ガードしているところです。
陽明の入口ですので葛根湯です。
水鼻の場合は小青竜湯のこともありますから、ちょっと考え方が違ってきますが、
一番多いのは葛根湯です。よろしいですか。ではこれで終わります。

第12回「さっぽろ下田塾」講義録
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方剤:麻子仁丸

2019-08-17 | 日記


次は麻子仁丸です。
単純に言えばこれは承気湯系の潤下剤です。
大黄,枳実,厚朴が含まれ大承気湯小承気湯共通しています
承気湯は、本来は気剤であって瀉下剤なのです。
麻子仁が入っており、杏仁と共に双仁組と言いますが、
油の成分でひまし油等と同じで腸管を潤す作用があり、
これが表に出ているので麻子仁丸と言います。
小承気湯の部は少ないので、承気湯の作用はマイルドになっています。

杏仁は麻子仁の作用を増強します。
現実には麻子仁丸はよく使います。
便の硬いタイプの便秘に夜だけ飲む形で使われます。
センノサイド等はお腹が痛くて、絞り出すように作用するのですが、
麻子仁丸は非常に楽なお通じがつきますので特にお年寄りに喜ばれます。

これに更にいろいろ加わったものが潤腸湯になります。
麻子仁丸は夜だけ飲ませるのですが、このタイプの人は
昼間に飲む薬に当帰等、潤腸湯に加わっている薬が含まれているのです。
だから実際に飲ませてみると麻子仁丸も潤腸湯もあまり変りはないのです。

麻子仁は帰経は太陰の肺で心不全をちょっと改善させる作用があります(復習、
東洋医学の肺は心肺機能も含む…佐藤)。
麻子仁が灸甘草湯にもはいっているのはそういう意味なのです。
でも麻子仁は麻子仁丸で使われているときと、
灸甘草湯で使われているときと全然違う薬の様な感じがして、
私もまだ完全にはこの意味が分からないのです。
だから麻子仁丸は潤下剤だと理解して下さい。

第12回「さっぽろ下田塾」講義録
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