補中益気湯を売った客に、脾に負担がかかると言われた。脾胃の薬なのに。 弁証の間違いかと思った。しかし何回か経験し、ちょっとおかしいぞと思いはじめた。
相対的な症状として、方剤が重い感じがする。補気剤なのに、何かがよどむ感じ。 まるで甘味が脾胃によどむ如く。重い、よどむ、ということで水湿か痰飲があるのかと平胃散に変方し、様子をみた。
多少はいいが、薬を止めると元に戻る。本治法になっていない。とりあえず、平胃散が内包され痰もさばく五積散でごまかす。
それにしても、方剤の中で安全だと思っていた補中益気湯で胃がもたれると客から言われたのはショックである。まして気虚が顕著であるのにだ。