時 人を待たず、光陰 惜しむべし
古より有道の人、国城 男女 七宝 百物を 惜しまず
唯 光陰のみ、之を惜しむ
今日は大建中湯からになります。 人参、乾姜、山椒、粉飴ですね。
粉飴が膠飴の代わりになるのかという文句も結構あったのですが、あまり変わりないですね。
煎じ薬の場合、膠飴も包み紙の飴で一個7gから10gぐらいのものを使います。
例えば大建中湯などは初めから入っていますけれど、小建中湯を粉飴でなくてやってみたいなら、
桂枝加芍薬湯等に膠飴を買わせて溶かして飲ませるといいのです。
これもやってみるとあまり変りはない様です。
きっちり比較したことはあまりないのですが、大建中湯や小建中湯をいろいろ
やってはみたのです。するとエキス剤のほうが良いのです。
建中湯類を飲む人は、嘔気とか消化器系の反応が強い人が多いのです。
例えば大建中湯を煎じ薬で一回に何百ccも 飲めるのかといったらちょっと大変ですね。
それよりもエキス剤をせいぜい何十ccか のお湯で溶いて飲ませたほうが良いのです。
人参と乾姜はすでに出てきました。 山椒が入っている様に、これも全て補す薬ではないのです。
山椒というのは消化管をあたためていながら、少し刺激するのです。
山椒が刺激するのに応えられるだけの消化管の力というのを持っていないと、
大建中湯もダメです。
癌の末期の患者に例えば そういう力が残っているのかというと、実は残っているのです。
大建中湯適応の人は消化管のそういう力が残っているのです。だから結構飲めるようです。
先程から言っている様に、建中湯とつく薬は必ずお湯で溶いて飲ませます。
建中湯とついていながら実は飴の入っていない薬があります。
当帰建中湯などはそうだったと思うのですが、あれは多分間違いなのだと思います。
要するに今に至るまでで、いつの間にか飴が処方から漏れてしまったのだと思います。
目的からして建中湯として飲ませたほうが良いので、僕の場合、当帰建中湯を出す時は、
粉飴を買わせるか、あるいは自分の家で、 きれいな透き通ったものでなくて、
昔のあまり出来の良くない茶色の水飴を好きな甘さに溶いて加えなさいと言います。
建中湯類は必ずそうして下さい。
まあ、人参湯などに似ているのですが、大建中湯証には人参湯証にはない急迫症状があるのです。
昔も、記載を見るとやはり癌性腹膜炎と思われる病証に大建中湯を使っていたようです。
今も使うのはほとんど、癌性腹膜炎か術後の癒着性の腸炎です。
癒着性腸炎の場合は小建中湯と合わせて、中建中湯として飲ませるほうが
良く効く場合もあります。
大建中湯を飲ませるぐらいの癌性腹膜炎の人は4、5ケ月で亡くなります。
長く飲んでいる人は癒着性腸炎の方だけですね。
うまく合うと結構これだけで良い状態が保たれる様です。
第7回 「札幌下田塾」 講義録
https://www-1.potato.ne.jp/~acorn/sa_shimoda07.htm
https://www.kigusuri.com/kampo/kampo-care/019-23.html