スティーヴン・キング
というと、著作を2、3冊持ってはいるものの英語が難しいような気がして1作も読破したことがありません。けれどもスティーヴン・キング原作の映画
からうかがい知れる独特の世界観から、昔から僕が最も気になる作家の一人に挙げられます。昨年の秋頃ふらっと駅の本屋に立ち寄ったところ、『小説作法』という同氏の本を手に入れることができたので、この冬休みを利用して読んでみました。
本書はそのタイトル通り、小説家を目指す読者に対して大成した作家がアドバイスを与えべく、自身の生い立ちから執筆の心得までおよそ作家に必要とされる項目を簡単に説明してくれるといった内容です。ただよくある文章読本
というよりはスティーヴン・キング
の自叙伝に近いものがあり、子供の頃の出来事や『キャリー』
等の代表作執筆時のエピソードが紹介されているので、特に小説家になりたくない人が読んでもスティーヴン・キング
のひととなりが分かり楽しめます。文筆業に特化した成功者のサクセスストーリーとして読んでも良いかも知れません。
唯一残念だったのは訳文が多少とっつきづらい点です。訳者は恐らく文章力に長けた人物であり、訳文の端々から日本語能力の高さがうかがえるのですが、何となく独善に陥る傾向があるように感ぜられ、ベストセラー作家の持ち味を損ねているのではと疑いたくなってしまいます。(単に文章の好みの問題でしょうか?)
本題から外れますが、スティーヴン・キング
ってすごく沢山本を読む人なのですね。巻末に著者がここ数年の間に読んだ本のうち印象に残っているもののリストがついているのですが、リストに載っている本だけを読むとしても1日1冊くらいのペースで読んでいかないと読み切れない程の数があります。専業作家なので1日の時間を自由に配分できることを割り引いてもかなりの量ですよ。同じ社会人として少し見習いたいものです。
文章読本
の類にはハズレも少なくないでしょうが、本作は作家になろうとか、文章が上手くなりたいと特に考えていない人にとっても十分お薦めできる1冊です。
本書はそのタイトル通り、小説家を目指す読者に対して大成した作家がアドバイスを与えべく、自身の生い立ちから執筆の心得までおよそ作家に必要とされる項目を簡単に説明してくれるといった内容です。ただよくある文章読本
唯一残念だったのは訳文が多少とっつきづらい点です。訳者は恐らく文章力に長けた人物であり、訳文の端々から日本語能力の高さがうかがえるのですが、何となく独善に陥る傾向があるように感ぜられ、ベストセラー作家の持ち味を損ねているのではと疑いたくなってしまいます。(単に文章の好みの問題でしょうか?)
本題から外れますが、スティーヴン・キング
文章読本
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