物欲王

思い付くまま、気の向くまま、物欲を満そう

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指輪をはめたい

2007-01-23 01:12:23 | 
大学時代からずっと付き合っていた彼女に27歳の時振られてしまった。そんな彼女への復讐を果たすべく、30歳になるまでに絶対に結婚するために今は3人の女の子と同時に付き合っている。そして30歳を月末に控えたある日、プロポーズのための指輪を用意したにも拘わらず、ちょっとした事故で誰にプロポーズするつもりだったのか記憶を失ってしまった。

『指輪をはめたい』の主人公と、彼を取り巻く女の子達は典型的な現代の若者といった感じで、読んでいて気恥ずかしくなってしまうことすらありました。状況設定がちょっと都合が良すぎてずるいとは思うものの、身近なテーマと現代的な感覚で押していくストーリー展開は決して悪い気分はしません。ちょっと長めに飛行機や電車に乗るときなど是非お薦めしたい1冊です。

唯一残念だったのはわりと突飛な条件設定の割には、行き着く結論が至極無難だったことです。まぁ、かといってピーターパンよろしく本書の主人公は過去・現在・未来と無関係なままでいる訳にもいかなかったことは理解しますが、もう少しひねりが欲しかった気がします。どうせなら『華麗なるギャツビー』に対して『偉大なるデスリフ』があるように、マルチエンディングが用意されていた方が良かったのかも知れないですね。


指輪をはめたい

文藝春秋

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