数学ピエロ~極大イデアルと素イデアル~
勉強しているときは”そうだ!”と分かったつもりになってしまっても、実はよく分かってなかったなんてことはよくあります。(私だけかもしれませんが。。。)
その中の一つが極大イデアルと素イデアルの違い。
まずはイデアルIの定義から。
・イデアルとは
(1) 可換環Rの部分集合で、aとbがIに属するなら、a+b、a-bもIに属する
(2) aがIに属するなら、Rの元rに対してraもIに属する。
・極大イデアルとは
(1) 可換環Rのイデアルのうち極大のもの
【解説】
極大なものの存在はZornの補題(公理)から保証される。
整数環Zで言えば、以下の包含関係より(2)は極大イデアル。
(8) < (4) < (2) < Z
よって素数からなる(p)は極大イデアルになります。
・素イデアル
(1) abがイデアルIに属するなら、a,bの少なくとも一方はIに含まれる
【解説】
素イデアルの外側の元x, yを掛けたxyも素イデアルの外側になる。(掛け算について閉じている。)
整数環Zで言えば、(0)、(2)、(3)・・・(p)・・・が素イデアルになります。極大イデアルとの違いは(0)があるかないかだけ。
えっ!?じゃあ極大イデアルと素イデアルって、あんま違いないんじゃねえって思っちゃうんだけど、そうではない。多項式環(代数関数)を考えると事情が異なってくる。
・極大イデアルと素イデアルの違い
(x-1)と(y-2)がイデアルIに属するとすると極大イデアルは、
{ (x-1) h(x,y) + (y-2) g(x,y) で書ける多項式全体 }
となり、一点(1,2)から生成される。
一方素イデアルの方は、(x-1)(y-2)がIに含まれていれば、(x-1)、(y-2)の多項式の少なくとも一方がIに含まれるということだから、多項式がばらけるかばらけないか(既約性)に関連している。
だから多項式環で考えると、極大イデアルと素イデアルは、そもそも全然違った概念だということが分かる。
【参考文献】
・「抽象代数への入門」(永田雅宜著)
・「数学は世界をこう見る」(小島寛之著)
を読んでちょ。
勉強しているときは”そうだ!”と分かったつもりになってしまっても、実はよく分かってなかったなんてことはよくあります。(私だけかもしれませんが。。。)
その中の一つが極大イデアルと素イデアルの違い。
まずはイデアルIの定義から。
・イデアルとは
(1) 可換環Rの部分集合で、aとbがIに属するなら、a+b、a-bもIに属する
(2) aがIに属するなら、Rの元rに対してraもIに属する。
・極大イデアルとは
(1) 可換環Rのイデアルのうち極大のもの
【解説】
極大なものの存在はZornの補題(公理)から保証される。
整数環Zで言えば、以下の包含関係より(2)は極大イデアル。
(8) < (4) < (2) < Z
よって素数からなる(p)は極大イデアルになります。
・素イデアル
(1) abがイデアルIに属するなら、a,bの少なくとも一方はIに含まれる
【解説】
素イデアルの外側の元x, yを掛けたxyも素イデアルの外側になる。(掛け算について閉じている。)
整数環Zで言えば、(0)、(2)、(3)・・・(p)・・・が素イデアルになります。極大イデアルとの違いは(0)があるかないかだけ。
えっ!?じゃあ極大イデアルと素イデアルって、あんま違いないんじゃねえって思っちゃうんだけど、そうではない。多項式環(代数関数)を考えると事情が異なってくる。
・極大イデアルと素イデアルの違い
(x-1)と(y-2)がイデアルIに属するとすると極大イデアルは、
{ (x-1) h(x,y) + (y-2) g(x,y) で書ける多項式全体 }
となり、一点(1,2)から生成される。
一方素イデアルの方は、(x-1)(y-2)がIに含まれていれば、(x-1)、(y-2)の多項式の少なくとも一方がIに含まれるということだから、多項式がばらけるかばらけないか(既約性)に関連している。
だから多項式環で考えると、極大イデアルと素イデアルは、そもそも全然違った概念だということが分かる。
【参考文献】
・「抽象代数への入門」(永田雅宜著)
・「数学は世界をこう見る」(小島寛之著)
を読んでちょ。