耽溺
一糸まとわぬ女の裸体に顔を埋め、乱れた性愛なる関係に耽溺したが、それは金魚掬いの数多の金魚を掻き乱すがごとくの有様であった。得るものは数匹、生き延びるのは皆無であった。
一糸まとわぬ女の裸体に顔を埋め、乱れた性愛なる関係に耽溺したが、それは金魚掬いの数多の金魚を掻き乱すがごとくの有様であった。得るものは数匹、生き延びるのは皆無であった。
失ったもの
ごく当たり前のものが
失われたとき
そのものが失われたと同時に
大切な心も奪われる
奪われた心をかたくなに
心の中でただ受け入れざるを
悲しみとして心を閉ざす
その失われたものが
多くの人の愛によって満たされたとき
どれだけそれが救いになるか
我々は想像だにもしない
しかしそこに希望が生まれ
明るい未来があるならば
それは失ったものが大きければ
それに応じた幸いが訪れることを
我々は知るべきであろう
ごく当たり前のものが
失われたとき
そのものが失われたと同時に
大切な心も奪われる
奪われた心をかたくなに
心の中でただ受け入れざるを
悲しみとして心を閉ざす
その失われたものが
多くの人の愛によって満たされたとき
どれだけそれが救いになるか
我々は想像だにもしない
しかしそこに希望が生まれ
明るい未来があるならば
それは失ったものが大きければ
それに応じた幸いが訪れることを
我々は知るべきであろう
桜
暗い夜道の中
満開の桜の並木道を通る
薄紅色の花びらが散って
ちらほらと目の前を霞めるとき
僕はそれらを見やって
そのはかなさに美しさを感じ取った
そして今年もまた自分が
生き長らえてしまったことを恥じた
桜は毎年生まれ変わったように
新しい蕾をつけて花を咲かせ
まるで散ることを惜しまぬ
その潔さを思うと
桜の木の下で首をくくるのも
一興でありある種の道理にも
適っているようにも思えた
暗い夜の中で
妙に明るい街頭の中で
桜とともに命を散らせた
暗い夜道の中
満開の桜の並木道を通る
薄紅色の花びらが散って
ちらほらと目の前を霞めるとき
僕はそれらを見やって
そのはかなさに美しさを感じ取った
そして今年もまた自分が
生き長らえてしまったことを恥じた
桜は毎年生まれ変わったように
新しい蕾をつけて花を咲かせ
まるで散ることを惜しまぬ
その潔さを思うと
桜の木の下で首をくくるのも
一興でありある種の道理にも
適っているようにも思えた
暗い夜の中で
妙に明るい街頭の中で
桜とともに命を散らせた
ハート to ハート
僕のハートは鼓動が鳴っている
その鼓動が振動で伝わって
今度はあなたのハートの鼓動が鳴っている
私たちは危うい存在だ
そうやって作られた振動の共振は
二人だけで共有すべき事柄で
ハート to ハートにすべきだったのだ
僕のハートは鼓動が鳴っている
その鼓動が振動で伝わって
今度はあなたのハートの鼓動が鳴っている
私たちは危うい存在だ
そうやって作られた振動の共振は
二人だけで共有すべき事柄で
ハート to ハートにすべきだったのだ
色情狂
誰とでも唇を交わし
誰とでも身体を交わす
色情狂のピエロは
誰からも愛されず
また誰をも愛せず
孤独の檻の中で
皆の見世物として
嘲笑と罵倒を浴びて
君臨する
嗚々、我を殺し給え
さもなくば
色に溺れ色に狂い
まるで桜が散るように
堕落の限りを尽くすだろう
行き着く果てもなく
皺枯れた老醜となって
女の足の爪を舐めるのだ
誰とでも唇を交わし
誰とでも身体を交わす
色情狂のピエロは
誰からも愛されず
また誰をも愛せず
孤独の檻の中で
皆の見世物として
嘲笑と罵倒を浴びて
君臨する
嗚々、我を殺し給え
さもなくば
色に溺れ色に狂い
まるで桜が散るように
堕落の限りを尽くすだろう
行き着く果てもなく
皺枯れた老醜となって
女の足の爪を舐めるのだ