奈良散策 第590弾
先日、「桃太郎」発祥の地と知られている、田原本町黒田にある法楽寺に行きました。ここは第7代孝霊天皇が新たに都を遷した黒田廬戸宮(くろだのいおどのみや)の跡地と言われています。法楽寺は聖徳太子によりその跡地に造られたお寺でした。このすぐ西隣には法楽寺の鎮守社として孝霊神社がありました。先日行ったときに探してみたのですが、よく分かりませんでした。家に戻ってから調べてみると、法楽寺から少し離れたところに遷座していることが分かりました。それで、それを見に、9月30日にもう一度法楽寺に行ってみました。

法楽寺の横を見ると、こんな碑が立っていました。「孝霊天皇黒田廬戸宮跡」の文字があります。

孝霊神社は歩いて数分くらいのこんな路地沿いにありました。


なかなか立派な神社です。鳥居の銘板には「廬戸神社」の文字があります。田原本町観光協会の説明によると、もともと孝霊神社は法楽寺の鎮守社として、孝霊天皇、弁天、荒神を祀っていたのですが、明治2年に黒田村から法楽寺に申請状が出され、黒田村の氏神社として現在の場所に遷座したとのことです。おそらく、廃仏毀釈に面した法楽寺から神社を移したということなのでしょう。



これは拝殿です。


その両脇には立派な狛犬と獅子がありました。左の狛犬は小さな狛犬に脚を載せ、右の獅子は球に脚を載せています。

最後は、孝霊神社のすぐ南にある大きなため池です。名前を調べようと思って文献を探していたら、次の論文を見つけました。それによると、この池は黒田池といって、明治19年(1887年)に新たに築造したもののようです。
伊藤寿和、「奈良盆地における灌漑用溜池の築造年代と築造主体ー天理市と田原本町を事例としてー」、人文地理 45, 1 (1993)。
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