大正昭和初期に生きた俳人、種田山頭火の伝記。
読んでいると人間の弱い部分を見ると共に見られているようでなんとなくだらけてしまいそうになる。人間と言うよりアル中の。そして俗的な部分の。
実物を知ると不快な感情が沸き起こるが、その句はいい。そうだ。人間の醜さと作品の美しさは決して矛盾しないものなのである。ことが分かったぞ。
なんでもそうだよな。
煙のように。
たゆたっている。
右も左もくそくらえ。
などと言う気もさらさらなくて。
なにもかも。
知らないふりをしている。
猫が死んでいる。
じっと見てみる。
そういうものである。
猫が死にそうにしている。
じっと見ている。
そういうものである。
猫が元気に歩いている。
じっと見ていられない。
すぐ行ってしまうから。
上がったり。
下がったり。
はするけれど。
空には行けない。
煙のように。
たゆたっている。