詩２７８「雨上がり」

雨上がり。
シャワー浴びたて街下がり。
雨に好かれる僕ですが。
この時ばかりは気持ちいい。
古い汚れは流されて。
流れ流れて流されて。
今日からはまた。
赤く黒く灰色く。
新しい汚れに塗れていくのだ。

辺見庸 『美と破局』

という本を、読みました。
エッセイとも小説とも判然としないような、落ち着かない感じのじりじり胸の辺りが疼くような文章です。よくもこう悄然としないような、且つ痛くて強い表現を思いつくものだと感心します。ギリギリ感がそういう文を書かせるのか。この世界において、まともな人ほど笑いものにされキチガイ扱いされることを辺見庸はことある毎に感じているよう。いやしかし、世界が歪んでいるのか？それとも自分が歪んでいるのか？すでにして世界に侵されている私は判然とせずただ呻くのみ。
そうだ。この世界が歪んでいるのだ。そして私はさらに歪んでいるのだ。

なんて思ったことをまじめに書いてみた。
チェット・ベイカーを聴いてみたいと思いました。

水彩画 ６３

ペンと顔彩で。ポストカード。

詩２７７「君は王様」

明けの明星
頭に被り
闊歩している
カブトムシ
星は金の冠
匂う土のカーペット
死ぬも生きるも
自由の王様
今日は何処で蜜を吸い
明日は何処で眠ろうか
何なら一緒に
ついて来るかい
今いる場所は光る森
木の天辺から
地面の底まで
全て私の自由の世界
生きたい場所を選ぶがいい
死にたい場所を選ぶがいい
全て好きにするといい
君も君の王様なんだ

SONNY CLARK 『COOL STRUTIN'』

午後７時半。
宵口のジャズ。

水彩画 ６２

ペンと顔彩で。ポストカード。

詩２７６「楽しけりゃあいいのか？」

楽しいことが全部なんだ。
楽しかったらそれでいいのか？
楽しかったらそれでいいのだ。
何でもいいのだ。
中身があるとか中身がないとか。
ホンモノだとかニセモノだとか。
泣けるとかうけるとか。
売れてるとかしけてるとか。
そんなことはどうでもいいのだ。
楽しけりゃあそれでいいのだ。
楽しいことが前菜で。
楽しいことが全部なんだ。

徳間アニメ絵本30 『崖の上のポニョ』

『ポニョ』の話が絵本になったやつ。一週間前に買ってきてから毎日子どもらから「読んで読んで」攻撃にあっている。多い日は一日に４，５回…。長いし途中で声も枯れるのです。同じシリーズの『トトロ』本もありますが、そちらも何回読んだことか。何でこんなに好きなのかなあ。

「ポニョ、そーすけ、すき。」
「ぼくも、すき！」

のくだりは、何度読んでも照れてどきどきしてしまう。態度には出さないけど。

HERBIE HANCOCK 『MAIDEN VOYAGE』

午前５時。
明けのジャズ。

水彩画 ６１

ペンと顔彩で。ポストカード。